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第一話 -眠り‐

登場人物


主人公

♦エーデル・マーガレット

16歳。

お淑やかで賢く、立派で淑女らしい娘。

一方で、幼い頃から身体が弱く、屋敷の外へ出たことがないため、

年に数回開催される村のお祭りへの参加をとても楽しみにしている。

屋敷のみんなが元気で居てくれることこそが、彼女にとっての生きる意味であった。

カカオの効いたチョコレートケーキが大好物。


♦フェルディ・ロドムス

32歳。マーガレット邸の執事。

冷静沈着な性格であり、時には厳しい言葉も掛けるが、常にエーデル嬢のことを思い、心配している。

あまり笑わない性格。

エーデル嬢が最も信頼している存在であり、彼自身もそのことに気づいており、言動以上に行動で誠意を示そうと日々努めている。

立ち振る舞いからしても執事の鏡であるといっても過言ではない。

また、密かにエーデルに好意を抱いているが使用人という立場上、想いを伝えないようにしている。苦手な食べ物はゴーヤ。



♦ベアトリス・モーリタニア

27歳、マーガレット邸の専属メイド。

物静かで慎重な性格であり、屋敷の中で最も手先が器用である。

得意なことは紅茶の茶葉をお箸で摘まんでティーポットに移すこと。

執事フェルディの不在時には主にエーデル嬢の身の回りの世話を行う。

彼が屋敷に居る際には屋敷の窓掃除や、食事の支度など外回りの仕事がメイン。

また、慎重な性格ゆえ、時には空回りしてしまうこともあるが、彼女のひたむきな姿が評価され、屋敷の者全員から信頼されている。



♦オリヴァー・ハヤシ

54歳、マーガレット邸専属のピアノ調律師。

ぶっきらぼうで無口だが、その腕は本物であり優しい一面もある。

フェルディのことは昔からよく知っている人物の一人であり、執事フェルディのことを一目置いて見ている一方で、無理をしていないか心配している。

調律に来た際には、エーデル嬢からお茶会に招かれるのがお決まりになっており、

意外にもまんざらでもない様子である。実は甘党。


♦ジョン

屋敷専属の一流シェフ。


♦アロン

屋敷専属の庭師。明るく陽気な性格。庭園の手入れだけでなく、屋敷内部の装飾など幅広く携わっており、屋敷にとって欠かせない存在。


♦ばあや

本名はマリー・モーリタニア。

元々ピアノ調律師であるオリヴァーの父親が現・マーガレット邸の主であった時代から使えてきたベテランメイド。持病の悪化により主からエーデル嬢に屋敷の権限が譲られることとなり、その流れで現在は新たな主であるエーデル嬢のメイド(屋敷においてのメイド歴が長いため、皆からは親しみの意が込められ``ばあや``と呼ばれている。)となった。

常にベアトリスのことを気に掛けている。


♦アガータ・マーガレット

エーデルの娘であり、名はアガータ。

元々スウェーデンの戦争孤児であったが、エーデルに拾われ娘として育てられる。

現在はスイスの田舎で子どもたちと暮らしている。



♦語り手

スウェーデンの歴史研究家であり、現在は家族史を学ぶためにスイスに取材に来ている。


※お詫び 声劇台本用に、セリフ部分にかぎかっこがついております。キャラクターのつぶやきとの区別をするために付けたものですので、あまり深い意味はありません。ご了承くださいませ。



~あらすじ~


スイスの外れ―


自然あふれる田舎町に住んでいる、とある家族のことについて

調べてきてほしい

との依頼が入った―


私は歴史研究家として、生まれ育ったスウェーデンで

長年家族史についての研究を重ねてきたが、

久々の依頼が入り、今こうして彼らに会うためスイスにやってきたのである。


目的の家の前に辿り着いた私は、

目の前にある小さな木製の扉に吊り下げられたベルを鳴らす。


そこに住んでいる母親は

アガータと名乗り、歴史研究家である私を温かく迎え入れてくれた。


一家いっかが暮らしているのは

こぢんまりとした小さな家であり、

家具は必要最小限のものがいくつか揃えてあるくらいだ。


また、彼女には2人の子どもがおり、

母親譲りの端正な顔立ちが印象的であった。


私は久々の依頼であったこともあり、些か《いささか》緊張していたのだが、

温かく賑やかな一家が私の心をあっという間に和ませてしまった。



その後、彼女は子どもたちを寝室へ連れていくと

彼女は少しうつむきながら

『あとはロケットさえ揃えばよかったのですが…』

と呟いた。私は一体何のことだかさっぱりわからなかったが、

子どもたちも眠そうにしていたため、子どもたちが眠りについた後にでも

彼女に尋ねてみることにした。



そして、彼女は子どもたちを寝かしつけながら

静かに語り始めたのであった。



※ちなみにロケットとはペンダント型のアンティーク品であり、中を開くと片方の溝に写真を入れられるようになっている代物。実際に両親の形見などとして身に付ける風習があった。




とある6月の雨の日であった。


雨が降るたびに思い出す。


母から聞いた

母が大好きだった人との愛の物語を。



そして…今夜も子どもたちに聞かせるのだ


さあ、明かりを暗くして…


…え?あなたも聞きたいって?


ええ…構いませんよ。


母が愛した人との少し切ない物語の

始まり始まり…。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

フェルディ:「おはようございます、お嬢様。

体調の方はいかがでしょうか。」


エーデル:「うーん…。」


フェルディ:「おや?お嬢様、顔色がよろしくありませんね。

食前のお薬は飲まれましたか?」


エーデル「…。…あの薬、苦いし美味しくないから嫌なの。」


フェルディ:「…お嬢様。お気持ちはわかりますが、あの薬は飲まねばだめです。

      はい、お水をお持ち致しましたので…。」


エーデル:「…ありがとう(薬を水と一緒に飲む)

     ねえ、フェルディ。この前の話なんだけど…」


フェルディ:「はい、承っております。

      当屋敷専属である一流ピアノ調律師、

そう、彼には本日の午後3時頃こちらへ来るように伝えてあります。」


エーデル:「まあ…そうなのね、ありがとう。楽しみだわ。」


フェルディ:「(笑う)そうでございますね。

…では、お嬢様。朝食のご用意ができましたので

      食堂に向かいましょう。お嬢様、車椅子のブレーキを外しますね。」

      (エーデル嬢を車椅子に乗せて食堂へ移動する。)



「深窓のエーデル」本編第一話をお読みいただきありがとうございました♪

第一話はすぐに読み終わってしまい、続きが気になる・・といったところでしょうか。ふふ(笑)


番外編を先にお読みいただいてからでも、あるいは同時進行でも・・こちらの本編からでも・・

楽しめる内容になるようにいたしました。


第二話以降は、新たな人物が登場します。楽しみにしていてくださいね。

では、今夜はこの辺で失礼いたします。


ごきげんよう。

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