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第六話 復讐ターゲット:ミルキーグリーン

残酷かつグロイです。苦手な方はご注意ください。人体実験とかそういうの苦手な人は特にやめた方がよろしいかと…

 そして次の日

 「ええ…実は昨日から黄島心愛さんが行方不明になっているらしい。誰か心当たりのあるやつはいるか?」

 と桜中学でのホームルームで先生が告げる。


 それに対してほかのクラスメートはざわめいた。これで魔法少女が二人連続で居なくなっているのだ。

 『え?何これ魔法少女が狙われてんの?』

 『うわぁ…でも自業自得』

 『今度は誰だ?ピンクか?青か?緑か?』


 ヒソヒソと噂する生徒達は未だ健在の三人の魔法少女をチラチラ見ている。

 苺と雪音は流石にやばいと思ったのか少し冷や汗を流している。しかし緑はボーッと窓を見ている。


 「全員五月蝿いぞ。ホームルーム終わり!」



 ◇



 昼休み。彼女達三人は屋上に来ていた。

 「ねぇ…やっぱりやばいんじゃ」

 「確かに…どうしましょう…もしかしたら次は…」

 苺と雪音が不安を口にするが

 

 「私達は世界の救世主です。それは揺るぎない事実でしょ」

 しかし緑はまっすぐ前を見て答える。


 緑は前々から少し不気味な子であり表情を出さない子だ。他の二人も少し緑は苦手。しかし魔法少女に選ばれた人物なので共に行動するのは避けられなかった。

 「いやでも…」

 「関係ありません。それよりも…村崎さん…あの女。私の実験動物を…よくも…」


 緑は爪を噛んでぶつぶつ呟く。そして立ち上がり


 「どこに行きますの?」

 「帰ります。授業の予習は既に済んでいるのででは…」


 そう言って緑は二人を置いて早退してしまった。


 そんな緑を見て苺は少し不安な顔だ。

 「あのさ…?もしかして犯人緑なんじゃないの?あの子ならやりかねないじゃん。

 実際クローバーを…」

 「そもそもあの子は変ですもの。何と言いますか…倫理観が…」


 と倫理観の欠如してる二人にすら言われる緑。しかし緑はそんな事知る由もないしなんなら濡れ衣まで着せられていた。



 ◇



 緑は適当に教師に体調不良を訴えた。緑は成績優秀でオール100点を取る神のような女子である。故に他の生徒や先生からは畏怖されている。


 そんな緑からの訴えに教師は最近の魔法少女の悪評から疑うがあまりめんどくさい事に巻き込まれたくないと許して帰らせた。


 すると緑はニヤリと笑って帰っていった。


 しかしそんな様子を学校に忍び込んだ紫苑が見つめていた。

 「…今回は緑からしようかしら。苺は最後がいいし…それにこのままじゃあの子が…クローバーが浮かばれないわ!」

 と憎しみを込めた目をしながら緑を見つめていた。



 ◇



 「ただいま…」

 緑が自身の家に入ると家の中から冷気と血の匂いが漂ってきた。その匂いに恍惚の表情を見せる緑。緑はそのまま廊下わ進み地下へと続く階段を降りた。



 ◇



 地下へと降りるとそこには沢山のコンピュータや培養ポット。そして治療台のような物が置かれていた。その上には一人の女性が…。そしてそこで一人忙しなく動く男性が一人。狂気的な笑みを浮かべていた。

 「ただいまお父さん」

 「おお!おかえり緑!」


 男は緑の父親である。父はメスやら注射器を持って娘にニコニコと挨拶する。

 「今日の実験は?」

 「今日はこの女性の脳みそと他人の脳みそを繋げたらどうなるかの実験だよ」

 「へぇ…面白そう」


 無邪気に笑う父と娘。しかし横たわっている女性の頭は開かれていて既に脳みそが二つ繋がってる異様な雰囲気。既に死亡していた。


 「もうやっちゃったの?もうお父さん。実験は私も関わると言ったじゃない」

 「はは!ごめんね我慢できなくて!」


 とケラケラ笑う父親。


 最近この四葉家の周辺では謎の行方不明事件が起きている。その犯人がこの親子だ。

 疑われはしたが家には緑という魔法少女がいる。警察や周りの人間も暗黙の了解としてこの親子に警戒はすれど注意も通報もできない状況である。


 元々父親はマッドサイエンティストであり危険で禁忌とされる様な実験が大好きである。それは娘の緑にも受け継がれてしまったのだ。

 故に緑の感覚と他人の感覚には明確なズレが生じてしまったのである。その為緑は魔法少女になるまでずっと一人だったのだ。


 そして魔法少女になったのは知的好奇心もそうだが、妖精のクローバーを手に入れる為である。彼を一目見て思ったのは

 『妖精の体の構造が知りたい。解剖したい』である。


 それにプラス何故自分含めこの少女達が選ばれたのかも知りたい。故にこの少女達と仲良くなり謎を解明するために解剖しようと考えた。

 その後は不器用ながらも親交を深めたがやはり何処かズレてしまい家に招待できるほどは仲良く出来なかった。


 「そういえばお父さん…ごめんなさい。テレビ局でのこと…」

 「ああ。大丈夫大丈夫!緑は妖精や魔法少女みたいな貴重な実験動物と出会わせてくれたじゃないか。あの時は他の親と一緒にお前を責めたが私は君を誇りに思うよ」

 「えへへ」


 側から見れば微笑ましい親子である。実際仲のいい二人だ。すると緑はあ!と声を上げた。

 「夕食の買い出し忘れたからちょっといってくるね!」

 「気をつけろよ!」


 緑の母も遠い昔に父の実験により犠牲になったが緑が実験や解剖に目覚めたきっかけでもある。

 そしてそれからご飯は緑が作る様にしていた。

 


 そしてこの時の挨拶が父と緑の最後の会話であった。



 ◇



 …数時間後

 「へ…」

 買い出しに行ったはずの緑は何者かにハンカチで口を覆われてそのままどこかに連れて行かれた。どうやらクロロホルムを吸わされた様である。


 そして目を開けるとそこは以前紫苑が花音を連れてきた倉庫である。しかしそんなことは知らない緑は以前の心愛がされた様に何故かベッドに寝かされていた。

 その格好も緑色のスポブラにパンツの下着姿である。


 「え?ここは…」

 「漸くお目覚め?」

 「…紫苑…」


 現れたのは例の如く紫苑である。紫苑はフゥとため息を吐いた。そしてキッと緑を睨みつけた。

 「貴方のせいで…貴方が酷いことしたせいで!クローバーは先日亡くなったのよ!」


 実はクローバー。昨日の夜に息を引き取ったのである。クローバーの体の中は内臓がぐちゃぐちゃに繋がれていたし、あちこちツギハギだらけであった。

 それも四葉親子の手で解剖と実験をされたからである。


 「?何故私のせいなのですか?」

 「貴方が実験だの解剖だの言ってあの子の体を弄くり回したのは知ってるわ!

 …幾ら何でもそんなことあり得ないと思ってたけど…こんなの見たら…」


 そう言って紫苑は自身のスマホの動画を見せた。そこには先ほど楽しげに会話していた親子と頭を開かれた女性が写っていた。


 「嗚呼なるほど。ですがこれは高尚な実験です。多少の犠牲はつきものですよね?」

 しかし緑には響かない。緑は出会った時からクローバーを実験動物としか見ていない。

 しかし当初はうまく取り合おうと仲良くしていたのでクローバーはそんな緑に対して甘えん坊で大好きだった。それなのに…


 「所で何故私が此処で縛られているのですか?」

 「…貴方に傷つけられた私の家族の復讐。それと貴方が夢の国に来た時お世話になった家の住人が何故か全員精神に異常をきたして死亡しているわ。

 死後解剖したら脳みそが弄られたとか…。それも貴方なんでしょ?」

 「だって妖精なんて滅多に会えないでしょ?」


 緑は邪気のない目で何言ってんだこいつという目で見てくる。余計にイラついた紫苑は手にメスを持って思いっきり緑の腹に突き立てた。


 「あが…!」

 「頭がおかしくなりそうよ。知ってる?夢の国でも私の復讐の協力者が増えてるの」

 「ふ…くしゅう?」

 「ええ。貴方達のせいで私の母は…」

 「しり…ません!他人の親…なんか…しら…ない。早く抜…がは」


 紫苑はお望み通りメスを抜く。しかし栓となっていた物が抜かれて穴の空いた腹部から血がドクドクと溢れる。

 「ひ…ち…血が…」

 「抜いてって言ったの貴方でしょ?秀才の貴方がこんか初歩的なミスするとはね?普通なら抜いたら血が溢れるって分かるでしょうに」

 

 紫苑は呆れた顔をしている。そんか紫苑の言葉に緑はぎりっと唇を噛み悔しそうに睨むが痛みで涙が出てくる。


 「何?これぐらいで泣くの?貴方これ以上にひっどぉい事してたじゃないの。他人を実験動物としか見れないなんて可哀想」

 「あ…貴方に何が分かるの…。仕方ないじゃないですか…気になって気になってどうしようもないんですから…私は悪くは…がは!」


 紫苑は再度緑の腹部にメスを刺した。


 「五月蝿い…私の大切な民を…戦友を殺した殺人者が口を開かないで…」

 「ハァハァ…た…たすけ…お父…さん…」

 「お父さん?助けて?甘ったれないでくれますか?貴方はあの子の…クローバーのそんな叫びもどうせ無視したんでしょ?

 それなのに自分は助けろ?都合が良すぎるんじゃありませんか?」


 紫苑はメスで緑の腹を少しずつ割いていく。

 「あがあぁぁああ!いだい…いやぁ!」

 「暴れないでくれます?これから貴方のだーいすきな解剖と改造をしてあげるのに…」

 「いや…いやいや!」


 しかし紫苑は緑の言葉を無視した。そして麻酔なしで腹を裂いていく。

 緑は激痛にもはや声をあげられない。ピクピクと体が動くが紫苑は気にせずに割く。



 ◇



 「…!」

 「へぇ?人の体ってこんな感じなのね。勉強になるわね…」

 紫苑は無表情で緑の腹を見る。緑の腹はぱっくり裂かれて内臓が見えている。

 緑の方は舌を噛もうとしたので楽に死なせたくない紫苑が口にハンカチ入れて阻止している。


 「さてと…次は改造ね。クローバーは内臓を変に繋げられてたし…貴方も同じ様にする?それとも脳みそ弄る?

 私素人だからかなり手荒だけど…」

 紫苑の恐ろしい提案に緑は動けないが絶望と痛みで瞳が揺らいでいる。


 「OK…どっちもね?」

 「んー!んー!」

 紫苑がニコリと微笑み一番最悪な選択をした。緑はやめてという思いを込めて見つめるが無視する紫苑。


 紫苑は早速開いた腹から内臓を触り出した。

 その瞬間緑は地獄の様な痛みを味わう。そしてそれは永遠の様に続いた。

 「(やめてやめてやめて!どうして!私は何も悪くないのに!こんなの…死んだ方がマシじゃない!)」

 緑はただひたすら死を望むことしかできなかった。

 


 ◇



 数時間後

 「ふぅ…これは暫くお肉食べれないわね。どう気分は…ってもう死んでるか…」


 紫苑は顔についた血をタオルで拭きながら自身の作品を見る。

 緑のお腹の中は荒々しい縫い目で止められているが見ただけで分かるぐらい不自然にボコボコに凹凸がある。


 そして頭の方は緑の長い髪の毛は全て剃られてこちらも縫い目があるが間から血が落ちている。

 そして本人の方は麻酔なしで受けた痛みにより耐えられず死亡した。


 「全く…私が復讐した心愛も花音も生き地獄味わってるのよ。寧ろ死ねたんだから感謝してほしいぐらいね」

 そう言って紫苑は緑の死体を放置していった。

登場人物

  ミルキーグリーン

 変身者は四葉緑。学校では常に満点の成績を残す優等生だが変わり者の一匹狼として知られていて、暗く物静かな性格。しかしその本性はマッドサイエンティストかつサイコパス。父も同様。

 クローバーをはじめ他の魔法少女や妖精など自分と父以外の生き物を実験動物として見ている。特に解剖や肉体改造が大好き。その為クローバーへの解剖と改造はあくまで悪意はなく純粋な好奇心から行ったにすぎない。


  クローバー

 元ミルキーグリーンのパートナー妖精。性格は人懐こい甘えん坊である。その為当初懐柔する為に優しくしてくれた緑やその父にすぐに懐き二人が大好きだったが徐々に我慢できなくなった親子の手でとうとう解剖され内臓をいじられた。肉体が耐えられず死亡。変身は妖精の魔法少女を変身させる機能を人為的に動かされて行っていたがやはり本人の体力が尽きると変身は解ける。

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