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大悪魔を駆使して始まる世界征服  作者: ニューガーデン
第四章 ダークネス・カイザー様の行方
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45話 デビルンの弟イビルン

墓地にはデビルンの他に、もう一体の悪魔的マスコットが宙を浮いていた。


「イビルン! イビルンじゃねーか!」


「――!? あ、あんちゃん!?」


(イビルン……なるほど、さっきデビルンの言っていた弟ね)


「久しぶりだなぁ……一か月ぶりくらいか」


「おう、そだなぁ……元気そうで何よりだぞ。悪魔界にいるってことはもう契約者を喰い終わったってことかぞ?」


「それがな~~聞いてくれよ、俺様の契約者はもうこの上なく俺様をこき使って働かせているんだ。顎で使ってくるんだぜ、顎で」


「ちょっと、先を急いでるんだけど……」


私はデビルンを急かした今は兄弟の再会よりもダークネス・カイザー様が最優先なのだ。


「ほらな、俺様を容赦ない視線で突き刺してくる。契約者だから逆らうことも出来ねんだよ」


「へ~~おかねぇねいちゃんに捕まって苦労してるんだな」


「――デビルン」


先を急いでいるというのにこの悪魔は、


「わかったわかった! そう怖い顔すんなよ! とにかくせっかく弟に会えたんだ手伝ってもらおう。相手の契約者は悪魔だ。戦力は多いに越したことはないぜ」


「うっ……戦力か~~、それもそうね。なら手早く済ませなさい」


「って!? あんちゃん!? 人族がなぜここにいるんだぞ!?」


「驚くのが遅いぞ、俺様が連れて来たんだ。ここに探し人が迷い込んだみたいでな。しかたなく契約の主従関係に従い連れてくることにしたんだ。イビルンも迷い人を探すの手伝ってくれないか? ほらお膳立てはしてやったんだなのれよアゲハ」


「我が名はデイネブリスパピヨン。大悪魔アガレス公爵に使える眷属なり、そしてこっちが我が使い魔、名をバステトという」


私は手の甲の包帯に手を掛けてアガレスの紋章をちらつかせていた。


「あんの大悪魔アガレス様の眷属ぞ!? そりゃあ、あんちゃんも顎で使われるわけだぞ!? ん? でも、眷属ならなんであんちゃんと契約なんかしてるんだぞ?」


「聞く耳持つなちょっとした冗談だぜ。アゲハもアゲハだ。急いでんだろ、そんなやりとりしてる場合かよ」


「そうだったわね、驚かせてごめんなさい。この紋章はシールになっているの。安心してアガレスとは何の関係もないから」


「なんだ~~驚いて損をしたぞ~~、いやここはアガレス様と何の関係もないことを喜ぶべきだったぞ」


「私の真名は黒井アゲハ、デビルンに力を与えられし真のオカルト少女よ。よろしくお願いしますわ」


私はスカートのはしとはしを両指でつまみ軽く挨拶を交わした。


「俺様の名前はイビルンだぞ。こっちのデビルンあんちゃんの弟だぞ。よろしくだぞ」


イビルンはその小さい手を差し伸べて来たので、こちらはその手を取り軽く握手をした。


(デビルンと違ってとても生温かい)


その手はプニプニとした感触だった。


「では主様方、急ぎましょう」


「待つんだぞ。誰を探しているのか知らないが俺様はこれから夕食の準備に取り掛かるんだぞ。そんな人探しなんてしている暇はないんだぞ」


(ん? 今微かにイビルンから赤い煙が出たような気が……)


その振り向きざまに違和感を感じたのは私だけだった。


「そうか~~いいなぁイビルンは、なぁ何日ぶりの食事になるんだ?」


「最後に食べたのはあんちゃんと同じ日だぞ、それで次の獲物に向かって二人で飛んでいった日7月20日を忘れてるぞ」


「そうか。お前は契約を果たして人族をこれから食すんだな。いいなぁ」


「ん~~あんちゃんになら分けてもいいけど、このお嬢ちゃんや猫の食事までは面倒見切れないぞ」


(そうか、人をこれから食べるから赤い煙ついていたのね。人を今更ながら寒気がするわ。いつか願いが叶ったあかつきには、私もその人のように食べられる。ううん、今は先輩のことを考えなくいちゃ)


イビルンへの違和感はなくなった。


「わかってる。まぁこっちはこっちで人探しすからそっちはじっくり魂を味わって食べるんだぞ」


「オーケーオーケーわかったぞ。ところであんちゃんたちが探している人ってのはどんな奴なんだ」


「笑いながらダークネスなんたらってなのっている奴だぜ」


「笑いながらダークネスなんたらなんて、心当たりがないぞ」


表情が一瞬歪むのを私は見逃さなかった。


(何この違和感)


「そうか、それならいいんだ。じゃあなイビルン」


「バイバイあんちゃんたち、頑張るんだぞ人探し」


こうしてイビルンとの会話を終えて、その場からそれぞれの道へ行くのだった。


「ちょっと待って……赤い煙が無くなってきたわ」


少し時が経ってからの事だ、私は焦っていた。それはデビルンも同じだった。


「不味いな見失っちまったぜ」


「赤い煙はまだ残っていますよ」


バステトが来た道を指し示していた。


「バステトちゃんさぁ、その煙はアゲハの残留素だぞ、辿っても意味はないし、来た道を引き返すだけだぜ」


「引き返しましょう。少し気になることがあるわ」


「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」


「何よいきなり!?」


「話がつながった! それだ! アイツだ間違いない!!」


「「――イビルン」ね」


コクリとデビルンが頷くのに、私は確信を覚えて一行は来た道を引き返すのだった。

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