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神槌のゼル  作者: 栄光なる靴下
逃亡編
6/6

ハルキは苦悩する

(なぜこうなってしまったんだ…)

そう思ってしまうハルキ。

上官命令でゼル•タチバナの保護を命じられ保護しに行ったらまさかの捕獲寸前の場面でありタナカ中尉を倒した後はホテルを破壊されるし孤島に避難したと思ったら敵追っかけてくるし…

(こんな哀れな奴他にいないだろ…)

否、タナカ中尉がいた。あの自意識過剰っぷりはハルキも引いたものである。

(あぁいうのは指揮官に向いてない…いやでも俺らのところも言えたことじゃないか。フランさんとかあれは会話が成り立ってないしセントさんに限ってはもう…)

苦労人ハルキ。しかし今はそんなことに想いを耽っている暇はない。

「どうしよ…3回目の顕現とか絶対魔力(エネルギー)たりねぇじゃん」

《どうした小僧。もしかしてびびってちびったか?ん?》

彼の頭の中に突如響く声。

「うるせぇよー!後小僧って言うな。俺には名前があるんだ。」

《さっきあの例のガキにピクピク野郎って言ってたやつは誰だっけなぁ?》

「…」

《ガハハハまだまだだな小僧!さーてそれじゃあ行こうか?血祭りにしてやろうじゃぁねぇか?!》

楽しそうな声がハルキの脳内で響き渡る。

「黙れ!もういい。さっさと済ますぞ。行くぞ亥亜(ガイア)

その響き渡る声に対して“亥亜”と呼びあの神機を顕現させる。三度目の顕現でもその姿は変わらなかった。

牙を生やし、眼が赤色の生命体が現れる。

《どっちからやるよ?》

「さきに雑魚(雷牙)からだ。行くぞ亥亜。憎しみの裁き(グレージャッジメント)。」

右足を前に突き出し力を溜め一気に空を切る。そして空を切った先のものが揺れていきそれは待機していた雷牙2体のうちの一体を破壊する。

それを確認した後に一気に残りの一体に向かって駆けていく。

『こっこちらヒサノオ!ウェンディ中尉がやられました!現在神機こちらに向かって前進!迎え撃ちます!』

雷牙はマジック中佐にすぐ報告し大砲形態(モード:バスター)で亥亜を撃つ。

「くっ避けられた!」

大砲形態(モード:バスター)は人機の活動源であるバッテリーを消費して撃つが1発撃った後のクールタイムが5秒程度かかる。

ーこれではやられるーそう判断したヒサノオ中尉は剣形態(モード:ソード)に切り替えて迎え撃つ。

右手につけられていたバスターは変形しソードへ姿を変える_

亥亜はそれを見て相手が近距離に持ち込んできたのを察し肘から刃物のようなものだし斬撃を受け止め蹴りを雷牙の腹に入れる。

「くっ…!」

「終わりだ。怒りの_」

最後にトドメを刺そうとした時に背中あたりが爆発して吹っ飛ぶ。

何事だと後ろを振り返るとそこには砲牙と雷牙がいた。

『遅くなってすまない。これより戦闘態勢に入る。挟み撃ちだ。援護射撃は私がする。』

『マジック中佐…!了解です。それと目標は捕獲できたのでしょうか?』

『いや多分隠れた。探知形態(モード:サーチ)で探してみたが全然見つからない。おそらく洞窟か何かに逃げんだろう。洞窟の場合この機体では見つけることができない。先にこいつを処理して後で銃を持って捕獲する。』

『了解。』

そして亥亜を囲むように移動する。

(つっ!やばい。こればっかりは怒りの衝動(レッドジャッジメント)を使うしかないが_)

《無理だなぁそろそろ活動限界(エネルギーオーバー)になるぞ。こればっかりはどうしようも無いかもな。せめてあの青年だけは助けろ。》

(わかってる!だけどこの状況どうすればいいんだよ。)

《それを決めるのはお前だ。でもわかっているな?魔神の核(ドナー)であるあいつだけは奴らに渡すわけにはいかねぇんだよ。》

(……だが…こればっかりは…)

そんな会話を頭の中で繰り広げている最中も激闘が繰り広げられていた。

敵の攻撃を避けては殴ったり蹴ったり切り裂いたりするものの相手は警戒しているのかなかなか致命傷を作ることができない。

(あいつの援護射撃がとても厄介だな。かと言ってあっちをやろうとしたらこっちが止めに入る。はぁ無理だこれ…もう寝たい…なんで俺が毎回こんな目に遭わないといけないんだ…)

ハルキはもう疲れていた。

(まだ親父から亥亜を受け継いだばっかでこんな任務…はぁ…)

どんどん劣勢になっていく亥亜。

そしてついに亥亜が地面に膝をつく。

「終わりだな。それではお前はし_なんだ!?」

突然後ろから嫌な雰囲気を感じ取ったマジックは振り返る。他の隊員もそしてハルキでさえも見てしまった。

そこにいたのはゼルだった。

「ば、馬鹿野郎!早く逃げろゼル•タチバナ!!」

しかし彼は逃げない。どんどんこっちに向かってきている。

『中佐、どうしますか?これは…』

『何か、やばい、。』

マジックがやばい、と言った。それだけで他の隊員達は警戒態勢に入る。

しかし彼らは騒然とした。こっちに向かってきているゼルに一切の邪念がないことに。

迷うことなき意志、それを感じさせるほどのサファイアのような色をした眼。

『総員!これより最重要警戒態勢に入れ!死ぬぞ!!』

マジックはすぐに判断した。これは舐めたら死ぬ、と。

ゼルは歩き続ける。そして砲牙達との距離が40メートル程度になったところで止まりただ、ただ一言言った。

「俺に手を貸せ、離界(リカイ)。」

そしてこの瞬間に初顕現となる離界が現れる。




こういう苦労人系キャラ大好きなんですよね。まぁ一番好きなのはもちろんタナカ中尉なんですけどね⭐︎

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