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稀な大学生の話

これは、最も稀なケースです。

愉快愉快。

コレは、

間抜けなお話ですよ!


視線を感じる。

何処かは知らない。

ふとした時に感じて

ふとした時に無くなる。

それだけと言えばそれだけだ。


誰かの視線を感じる。


太いめラインの眼鏡を

かけた制服姿の青年は

後ろを振り返るが

そこには何も居ない。


ふむ。


また、歩き出す。

向かう先には小さなアパートで

何処かボロく、家賃も安い。

更に駅から七分、デパート十分、

スーパーマーケット四分、

本屋十分圏内に二軒。

まさに好立地である。


玄関の鍵を開けようと

鍵を挿して回すが

どうも開いてるようで

そのまま、部屋へ向かう。


其処には

自分に向けて笑みを浮かべる

まったく同じ姿の誰かが居た。

手には包丁。


「僕は君になりたい」


どう考えてもヤバい状況である。

包丁を構える、

自分と同じ姿の誰かの声は

僅かに甲高いが

彼は冷静だった。


「では、冷静に考えましょう。

貴方は料理、掃除洗濯を

したいですか?

僕の姿形、記憶や性格を

模しているなら

就職活動に対して

何の問題はないでしょうが

問題として

貴方は声まで

完全に真似が出来てません。

俺として活動するに対して

支障を来す可能性があると

分かりますね?」


「確かにその通りです。

俺は、料理も掃除洗濯も

したくないので出来ません」


大きなゴミ袋が二つ、

部屋にあり

同じ姿の誰かの傍には

ポテトチップスの袋が散乱している。


「はい、分かります。

俺は将来的には働くのは良いですが

料理や掃除、洗濯はしたくありません。

そして、俺はゲーム仲間が欲しいです」


彼は引き出しから

通帳を取り出し

同じ姿の誰かに見せる。


「お金の余裕はありますし

現時点でも一人だけなら養えます。

さて、改めて確認しますが

貴方はドッペルゲンガーですね?」


「はい」


「では、まずはドッペルゲンガーは

人間以外にも化けれますか?

それが出来れば

我々の将来は安泰です。

出来ないなら、

国籍を作る等の処置をする必要が

あります」


市役所の書類、

友人未満の関係や

携帯の解約、銀行口座の開設。

国籍の有無。

彼が言う処置には殺害も含まれる。

が、彼等はとても冷静である。


「なるほど、試してましょう」


見事、同じ姿の誰かは

動物に化けれまして、

パッピーエンドで御座います。

コレは、稀なケースですので

参考にしない方がよろしいかと。

僕ですか?

僕は、その辺の語り部です。

僕も含めてここでは全て

フィクションですので御了承を!

彼の最後を簡潔に語るなら

老衰するまで

ドッペルゲンガーと

妻と子供達と

楽しく過ごしました。ですよ。

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