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五国記  作者: 咲 潤
1/5

されど油断は

「アッハハハ!バッカだなぁ、(たつみ)は!」


「いやいや、ちょっと待て!バカって、俺が!?」


「そりゃそーだろ!なぁ、(しおり)!?」


「そうね。ちょっと、女子への配慮が足らないかなぁ。ねぇ、(あずさ)?」


「わたしもそう思う。わたしだったら、皆の前で男の人がそんなこと力説してたら、すっごく恥ずかしいもん」


「……マジか!?」


「ってか、もう浜から出るから、(りょう)はシャツか何か着ろよ」


「あ?何だよ(はやて)。暑いんだから、別に良いだろ?男は上なんか着なくても……」


「とか言って、何気にシックスパックアピールしてるだけだろ?凌の場合!」


「あ?何だって?」


「別にー」


「巽、お前、仕返しのつもりだったんだろーけど、仕返しどころか墓穴掘っただけだぞ?」


「なに!?」


「だって、お前は海パンにちょい肉乗ってたからな!」


「だぁーっ!そーゆー颯だって似たよーなモンだろ!?」


「いや、俺は凌ほどバリバリには割れてないけど、巽ほど肉が余ったりもしてない」


「うわ!コイツ、細マッチョアピールかよ!そんなの流行ったのもう昔だろ!?なぁ、栞、梓?」


「えっ?……で、でも、三人ともスタイル良いと思うよ?」


「梓!巽は甘やかしちゃダメ!コイツはすぐ調子にのるんだから!」


「そうだぜ!コイツ、この前のストリートのスリーオンスリーで、すぐにバテやがってよー!お陰で俺ら惨敗だよ!」


「あ!?負けたのは俺のせいじゃねーだろ!?だいたい相手にリードされたら、無理やり入りもしねースリーポイントばっか狙って、相手にリバウンド取られまくってるヤツが居たのが敗因だろ!」


「お!?テメーそれぁ俺の事か!?」


「あー、颯はちゃんと大事にパス回したりしてたからなぁ!オメーくれーしか居ねーよなぁ!?」


「ほー、巽!言ったなぁ!?」


「おいおい!!ヤメヤメ!!お前らケンカとかしてんじゃねーよ!」


「「ああ!?良い子ちゃんぶってんじゃねーぞ!!颯!!」」


「あのねぇ!!ホントにやめてくれる!?アンタら騒がしくて周りに迷惑だから!」


「「「……は、はい……」」」




「……てか、クレープ食べても良い?」


「あ!梓!あたしも!半分こにしよ!?」


「うん、良いよ。ストロベリーで良い?」


「チーズも欲しい!」


「わかった!」


「おお!いつの間にか商店街に来てた!?」


「お前らがケンカしてる間に、海沿いの道路なんかとっくに渡ってるよ」


「あれは巽が……!」


「凌は、いーから早くシャツ着ろ!」


「……あ、ああ、解ったよ」


「俺、ブルーベリーカスタードクリーム!」


「巽、お前、更に太るぞ?」


「あ!颯、お前、それはハッキリ言っちゃいけねーヤツだろ!」


「あーもう!巽は誰彼(だれかれ)構わずケンカすんな!」


「ハハハ!栞も苦労してんなぁ?」


「ホントよ!あたしも好きでコイツと幼馴染みになったワケじゃないからねー」


「そりゃー俺のセリフだろ!?」


「「「巽は黙れ」」」


「……はい……」


「梓はストロベリー?」


「……うん。ストロベリーチーズケーキ」


「じゃあ、俺はチョコチーズケーキにしよう」


「「「おい!颯!梓とそこで二人の世界を作ってんじゃねーよ!」」」


「あ?いや、別に俺はそんなつもりは……」


「梓は颯なんかにはあげないから!」


「おいおい栞。俺と梓の間に入ってまで阻害しなくても良いだろ」


「いいや、颯は手が早いからなぁ。純粋な梓に近づくなよな」


「はい。巽は一人で帰るってさー」


「えっ!?いや、颯!?ちょっと待て!駅までも結構あるし、お前の車じゃなきゃ……」


「おー!じゃあ帰りはゆったり座れるなぁ!」


「四人だからねー」


「おいおい!……マジ!?」


「クックック!今日は俺の機嫌を損ねたら歩いて帰ってもらう事になるぜ!?お前ら、解ったか!?」


「解ったから、とりあえずクレープちゃっちゃと食って、夜飯食いに行こうぜ?」


「そうね。さすがにあれだけ泳いだら、クレープくらいじゃ足らないわ。何か美味しいもの食べたいなぁ」


「わたしも、お腹ペコペコだから、まだ食べれそう」


「なっ!?俺の話を流しやがったな!?……くそぅ!お前ら全員置いて帰ってやる!」


「お前、そんな事したら、俺達四人、お前と縁切るぜ!?」


「ああっ!それは無いだろ!それシャレにならんよ、凌君!」


「プッ!クスクス……」


「アハハハ!ホントに、アンタら面白いよね!」


「だろ?」


「俺達最高!」


「俺達五人は、切っても切れない仲間だ」


「もはや親友だ」


「だな」


「ああ」


「ええ」


「うん」


「……ちとくさいけど、そんな俺らに乾杯だぜ」


「良いねー」


「ホントくせぇな」


「クレープで?」


「何でも良いでしょ」


「……じゃあ、いくか!?」


「あ、待って、私、栞に半分食べて渡しちゃったから、私のクレープが……」


「二人で半分こしたんだから、梓も一緒にこれ持とう?」


「女子二人は仲良いな。俺達もやる?」


「巽、キモイ」


「じゃあ、皆持ったな?いくぞ?せーのっ!!」


「「「「「ウィーーッ!!」」」」」


――――――





「―――丁度、夕日が海に沈むぞ」


「お腹も減ったけど、もうちょっと眺めていても良いかも」


「キレイ……」


「本当に、この五人は最高だわ」


「たりめーだろ」






「……さて、飯食って帰るぞ?車に乗れ」


「「「「ウィー!」」」」


「乗ったか?」


「ああ、全員乗った!」


「じゃあ、シートベルトをちゃんと締めろ」


「「「「ウィー!」」」」


「……じゃ、出発するぞー」


「颯、運転代わろうか?」


「バカ言ってんな。栞は免許ねーだろ」


「免許無くても運転はできるぜ?」


「凌は今、正に自動車学校通ってるからねー」


「仮免もこの前取ったし」


「じゃあ、学科で習っただろ。熟練者の同乗がなきゃ公道で運転しちゃダメだって」


「ホントに仮免持ってんのか?」


「解ってるよ。冗談に決まってんだろ」


「巽は取りに行かないの?」


「俺、バイク派。誕生日は12月だから、冬休みに試験受けに行くって手もあるけど」


「めっちゃ混んでる時期じゃん」


「バイクの時、冬休み初日の26日に試験場に行ったけど、めっちゃ混んでて、スゲー並んだ覚えがある」


「まーそーなるわな」


「……てかお前ら、何食うか決まったのか?」


「……おー、忘れてた!」


「あ!アメリカンバーガーは!?」


「海来てバーガーはねーわ」


「てかもう過ぎた」


「遅かったか……」


「つーか、バーガーはねーって」


「アメバはビッグサイズで美味しいよね!」


「だから、バーガーはねーって言って……」


「あっ!ソコの浜焼きは!?」


「えっ!?あ!あれ!?」


「遅ぇーよ!」


「でも、美味しそう!」


「マジだ!」


「なにっ!?どこ!?」


「いや、今過ぎた!!」


「えっ!?マジ!?」


「あっ!!颯!前、前っ!!」


「「「「えっ!!?」」」」


「キャーーッ!!」「ウオーーッ!!」

「やべぇーーッ!!」「ぶつかるーーッ!!」



「「「「――――――――――――ッッッ!!!!!??」」」」



「「「「「………………」」」」」



「「「「「…………」」」」」



「「「「「……」」」」」

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