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第85話

twitterや感想欄で誤字脱字の指摘を頂きました。

それだけで、ちゃんと読んでくれていると分かるのでとっても嬉しいし感謝の気持ちしかないのです。


でも、できればちゃんと誤字脱字の無い文章を書けるようになりたいな(´▽`*)

「え? 今なんて?」






 俺達が(おさ)に再度問いかける。






「じゃから、これが精製できたアダマンタイトじゃと言っとるんじゃ」






「盗まれたんでしょ?」




 俺達全員の疑問を代表してサラが聞いた形だ。






「うむ、真に申し訳ない事をした。炉に入れていた分以外は盗まれてしもうた」






 つまり、部分的に盗まれなかったものがあったと、そう言う事か!




 頭脳派の俺は盗賊とドワーフの里とのつながりさえ疑い始めていたぜ。だが、どうやらそういう訳ではなさそうだ。


 つーか、繋がっていたのならドワーフ側に怪我人が出たり盗賊側に死人が出たりいくらレア素材のアダマンタイトの為とはいえやりすぎだもんな。






「して、これからはどうするのじゃ? もしお主達がよければその素材で武器を作るのをワシらで……」






「いや、それには及ばない。俺達は見ての通り研究者なんだ。ここから先は俺達の楽しみだから譲れないぜ」




 断りを入れると非常に残念そうになるのが分かった。年寄りだからと言って必ずしも腹芸が出来るわけではないという事だな。


 もしくは、普段できていたとしてもそれだけアダマンタイトで鍛冶がしたかったのか。




 でも、こいつは研究に使うので譲れないぜ☆




「ゲンスイ君が言うと~冗談にしか聞こえないかもしれないけど~、それが私達の正直な気持ちよね~」






 む?


 どういう意味だ?




 俺ほど研究者っぽい研究者もいないだろ。この筋肉なんて研究者っぽくて自分でもなかなかだと思っているんだが?


 そもそも俺が毎日筋トレしているのは研究のためなんだぜ?






「ゲンスイさんは筋肉にしか興味なさそうな見た目だものね」






 などと、サラが珍しく冗談を言っていたがそろそろ話が進まなさそうなのでスルーしておく。






「俺達は一度王都に寄ってから拠点に戻るつもりだったんだが、アダマンタイトがあるのなら直接戻る……かな?」




 アダマンタイトが無い前提で予定を立てていたから語尾が疑問形になってしまった。






「当初の予定通り~、王都に寄ってからにしましょうよ~。買い物もしておきたいし~。もしかしたら盗賊の手掛かりとか掴めるかもしれないしね~。それにヤマト君の事もあるでしょ~」






 確かに、それなら仕方がない……か?






「じゃあそうするか。というわけで俺達は一度王都に行くよ。精製してくれてありがとな。あと盗賊の処理とかもよろしく頼むぜ!」






 少し(おさ)の目元がピクッとしたようだが意味不明だ。老人だから顔面麻痺気味なんだろうとあたりをつけ、感謝の意を伝えたところで席を立った。






「もし、盗賊の情報が出てきたら伝えよう」






「分かった。ギルドを通してくれたら連絡がつくからよろしくな!」








 (おさ)自らが見送りまでしてくれたのは盗まれたしまった罪悪感からだろう。確かに管理できなかった部分はあるのだが、俺はそんなことより精製できたアダマンタイトをどう使っていくかを今から色々考えるだけでワクワクしていた。






 王都に着くまで、ヤマトはなんかソワソワしていた。やっぱりいろいろ複雑な状況ではあるが王都に戻れるのは嬉しい気持ちの方が強そうだった。




 それに影響されたのかどうかは分からないが、ヴァングルのやつはいちいち俺達につっかかってくる事も少なかった。


 まぁ回数が減ったというだけで、結局鬱陶しいのは変わらなかったが。

最後まで読んで頂きありあがとうございます。


最近はこの先の展開が決まっているのになかなか筆が進みません。

昔は何も考えずに書けていたのに今は少しでも読む人の事を考えるとどう書けばいいのかすごく時間がかかっているんですよね。

読者を意識するって、レベルアップの必須条件なんだろうなと思う今日この頃です。

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