第67話
「という訳だからロックイーター討伐行こうぜ!」
それぞれ個別に用事を済ませて宿に集合したわけだ。そこでリーダーである俺から本題を切り出した。
「ロックイーターって何匹くらいいるのかしら~?」
「え?」
一匹じゃないの?
「だって~、ロックイーター位ならドワーフ族だって倒せる魔物でしょ~。それが手をこまねいているのなら~、数が多いとか~、何か理由があるんじゃないかしら~?」
確かにそう言われればそうだ。
なんでだろ。
「大丈夫!」
殴り続ければいつかは殲滅できるだろ!
「何がどう大丈夫かは分からないけど~。でも~、行くんでしょ~?」
さっすがシェリーさん!
「一度目は様子見を前提に行く方がいいと思うわ~」
「ゲンスイさん抜けてるわね。仕方ないから私も手伝うわよ」
知ってるんだ。
サラは旅の間退屈してたって事を。
そして、そろそろ暴れたいんだって事を。
ロックイーターがかわいそうになるくらい蹴りまくるんだろうな……
すこし遠い目をしてしまった。
おっと、気を取り直してと。
「助かるよサラ! んで、ヤマトは無理するなよ」
執事に甲斐甲斐しくお茶を出され優雅に座っているヤマトにも声を掛ける
「僕も早くアダマンタイトを加工してみたいし、頑張る!」
両こぶしを胸の前で握りやる気を見せるヤマトだが、うん、ガンバレ!危なそうなら守ってやるから。
「ヤマト殿いけません! そんな危険な場所に行くなんて」
「もう、相変わらず心配性だなぁヴァングルは。僕は大丈夫だよ!」
ぷぷ!甲斐甲斐しく世話していたのにもかかわらずヤマトに反対されてやんのー!
そのやり取りを見ていたらヴァングルに睨まれた。
「お茶を入れる事しかできない君はお留守番だな!ぷぷー」
「なんだと犬ころ! 当然私も行くに決まっているだろう!」
「はいはい落ち着いて~、ゲンスイさんも無駄に茶化さないの~。ヴァングルさんは非戦闘員なんだから行かなくてもいいの~。それよりも、私達が討伐に出ている間に、その後の旅の準備をしておいてくれると助かるわ~」
「ふんっ! トカゲが偉そうに……」
「ヴァングルはお留守番よろしくね」
「……っ! はい、分かりました」
田舎に行くほど人族至上主義が薄れるらしいが、王都育ちのヴァングルは生粋の主義者だ。俺達が何を言っても聞かないのに、ヤマトが言うとこれだもんなぁ。
しかし、俺の主張通りの事が運んで気持ちい!
ついニヤニヤ顔でヴァングルを見てしまったのは不可抗力だ。
そんな俺に気付いて
おー、睨んでる睨んでる(笑)
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