第64話
「なんだ犬ころ。キャンキャンやかましいな。躾がなってない獣は有害でしかないんだ」
頭脳派の俺が導き出した答えはひとつ。
殴るしかねぇだろっ!!
真正面から殴り倒してやんぜ!!
その瞬間だった。
「待ってー!!」
俺とヴァングルの間にヤマトが割り込んできた!
割り込んできたヤマトに拳が当たらないよう緊急回避したが勢い余ってそのまま地面を殴ってしまった。
結果出来上がったのはちっちゃいクレーター。
だが、人族では到底出せない威力の打撃だからこそ出来上がったクレーター。
俺の攻撃力が凄すぎて一瞬ヴァングルがビビった顔していたのは見逃さなかったぜ。
それよりも、だ。
「バカヤロウ! 危ねぇーだろーが!」
「ゲンスイさん、落ち着いて。ヴァングルも!」
俺とヴァングルの間に立って声を掛けて来たが、俺は何時だって冷静だ。
「ヴァングル、この人達は僕がこれからお世話になる人達なんだよ。だから無礼は許さないよ」
「お嬢様……。分かりました、お嬢様がそういうのであれば」
「ゲンスイさんもごめんなさい。ヴァングルってばちょっと過保護だからついやりすぎちゃうのが悪い癖なの。でも本気じゃないから怒らないで」
は?
過保護とかいうレベルか?
完全に喧嘩売ってたレベルだろ。
「ゲンスイ君~、これじゃ~いつまで経っても出発できないわ~。話は道中するとして~、とりあえず出発しましょ~」
とりあえず殴らないと気が済まないと思っていたが、サラもシェリーさんも出発を優先していたいらしい。
「ぐぬぬ、分かった。じゃあみんな乗ってくれ」
という一幕があって俺達はやっと旅立つことが出来たのだった。
最後まで読んで頂きありがとうございます!
実はアルファポリスにて(ちょっと内容違うけど)次話を先行配信しておりますのでよかったらどうぞ!
https://www.alphapolis.co.jp/novel/286453861/744200632




