第58話
お昼休みに頭脳派脳筋はいかがですか!?
というわけで、昼食時に更新です。
「みんな無事でよかった」
俺は心からそう思い、みんなに声を掛けたのだった。
「とりあえずは何とかなったわね」
「僕を突き落としたのも、この悪魔だったよ」
「また何かあってもいけないから~、みんなこれを飲んで~」
シェリーさんが差し出したポーションでみんな回復しつつ一息入れる。
「そういえば、ヤマト君が無事でよかった。あの悪魔相手によく擦り傷で済んだな」
「悪魔族の時もそうだけど、その前にゲンスイさん思いっきり殴ってたわよね?」
「そうね~、強化腕で一撃入れるなんて考えられないわ~」
ヤマト君を心配したが、何やら形勢は不利な匂いがする。
「よく分からないが、あの悪魔に操られていたんだと思う。まぁだとしても仲間を攻撃しちまった事に変わりはない。すまなかった」
「ゲンスイさん。攻撃されたのは何もヤマト君だけじゃないんですけど。ほら、ここなんてポーション飲んだのにまだ青あざになってるわ。ねぇ、シェリーさん」
「そうよ~、私もゲンスイくんに殴られた所がズキズキしているもの~。それにきっと悪魔族の女に見とれていたから誘惑をかけられたのよね~」
「申し訳ない!でもこれは言い訳にしかならんが、あんな恰好した女がいたらそりゃ~男だったらつい見ちゃうじゃないか。なぁヤマト君」
「え? 僕は、別に、その……」
急に話を振られたヤマト君が顔を赤くしてしどろもどろになった。その様子は見た目もそうだけど仕草まで完全に照れている少女だった。
「ヤマト君は誘惑に掛かってないわ~」
「ヤマト君は純粋だったのよ。あの悪魔の胸を見るゲンスイさんイヤらしい目してたわ!」
くそぉ、なんでヤマト君は同じ男なのに俺だけ……
「サラ違うぞ。俺は別にイヤらしい目なんてしていない。ただちょっと距離が近かったからだと思うんだ」
「あら~? ゲンスイさん言い訳かしら?」
サラさん、とりあえず強化靴に魔力を使うのは止めません?
身の危険を感じ一歩後ろに下がる。
その時、サラ達の後ろで物音がした。
「おい、後ろ!」
俺は慌ててサラ達の後ろを指さした。
気絶して倒れていたはずの悪魔が立ち上がっていたのだ。
「おまえらぁ、絶対に、ハァハァ、許さんからな。ハァ、ゲンスイ、ハァハァ、シェリー、ヤマト、ハァハァ、サラ。その名前殺すまで絶対に忘れない!!」
満身創痍という言葉しか思い当たらない状態なのに表情だけは激情を露わにし、そして手に持っていな何かを地面に投げつけると辺り一面に濃い霧が立ち込めた。
状況把握からシェリーさんは即ツインアルテミスボウで悪魔族のいた場所へ攻撃していた。
「逃げられたわ~」
うん、もう慣れたんだけど相変わらず間延びした緊張感のない声だ。
「探すか?」
「いえ~、こちらも無理に相手する必要がないと思うの~」
「そうね。深追いするのは危険だと思うわ。それに……」
「それに?」
「ゲンスイさんの処分をどうするか決めなきゃね」
サラさん、そういうことを笑顔で本人に言うの??
「いや悪かったって! 本気で反省してますっ!」
「どうかしらねぇ~。じゃあ私達は相談するからゲンスイさんはアダマンタイマイの処理とアダマンタイトの回収をお願いね」
「あんまりゆっくりしてると~、処分が重くなるわよ~」
「え?お二人ともゲンスイさんに対して厳しいんじゃ……」
ヤマト君はこの理不尽な仕打ちに抵抗してくれる唯一の味方となってくれた!
敵の術中にハマったのは確かに俺のミスかもしれん。があれは相手が巧妙すぎだろ!
「ヤマト君より私達の方がゲンスイさんの扱いは慣れているのよ。ってまだ動いてないの? 回し蹴りが何回ふえるかしらねぇ~」
ヤマト君に話していたはずのサラが途中で俺を見ながら言っている。バカ言うなよ、サラの回し蹴りなんてそうそう受けてられないっての!
慌てて俺はデカマイの所へ素材回収と処理に走ったのだった。
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