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第48話

「ゲンスイさん、ネラーって何のことかしら?」


「ネラーじゃないンゴ……」

 ヤマト君は恥ずかしそうに俯き呟いているがスルーする。


「インターネットの某巨大匿名掲示板、そこの住人の事だよ」


「巨大掲示板もいろいろあって~、その種類によって呼ばれ方が違ったりするわね~」


「巨大掲示板の事は知っているわ。でもあれって真偽不明な情報ばかりなんでしょ?」


「サラのいう通り。でもある種言論の自由が確立された空間ではあるわけだ。そこでどんな発言をどのように受け取るか、ネットリテラシーが必要なんて言われている」


「そうね~。でもゲンスイ君、本当に確認したいことはそこじゃないでしょ?」


「さすがにシェリーさんはお見通しか。まぁここまで話せばもう確定したんだがな。ヤマト君、君は転生者もしくは転移者だな?」


「そうです、けど。ということは皆さんも??」


「インターネットを知っている時点で間違いないだろ?」


 ここは剣と魔法のファンタジー世界、インターネットも某巨大匿名掲示板もウィキペディアもグーグルも無い世界なんだ。この言葉を知っている時点で異世界からやって来たというのは確定だ。


「そうですね!ボク初めて会いました!」

 さっきまでネラーという事がバレていじけていたというのに、同じ異世界転移者だと分かると喜びを露わにしてくれた。


 こうして異世界転移した4人が出会ったのは偶然とは思えない。が、今はそんな事よりもこの出会いに感謝しようと思う。


「俺達も、こうやって転移者と出会えて嬉しいぜ」

「ほんとにそうね!」

「これからよろしくね~」


 転移者だと分かって俺達の心の壁は崩れ去った。そして遭難者がある程度回復するまでの休憩タイムだったはずが、かなり話し込んでしまう事になった。


「……という訳で、ボクは転生神を恨んでいます」

「あのクソ転生神、希望を聞くフリして曲解するのが趣味なのか!?」


「魔導繊維というのを開発してそれを使った装備をしているんです」

「それってもしかして私達が研究している魔力筋の事じゃない!?」


 なんだかんだで、ヤマト君も俺達と同じような思いを抱いていることが分かった。


「最初は現代知識チート計画だったんですが……こんな体になってしまって、その、いろいろ思うところがあって。でも、この国はいろいろ窮屈なので旅立とうなんてと計画してみたり。生意気ですよね」

「なんだ~、じゃあ私達と一緒にいろいろ回ってみる~?」

「……ごめんなさい、それはちょっとできないの」


 さっきまで同じ転生者ということ以外にもいろんな話題で共通点を見つけ明るく話していたヤマト君だが、急に暗い顔になった。


「どうして?」

「……どうしても、です。すみません」


「ま、まぁ人それぞれ事情があるってもんだ。そのことは置いといて今日はもう休もう」


 暗くなる雰囲気をごまかすため、一度しっかり休むことにした。




◇◇◇◇



「ここからはしっかり注意していこう!」


 俺達は階段フロアを下り、ギルドでのアダマンタイマイの目撃情報のあったフロアまで来た。


「悪魔族がいる可能性もあるし、気は抜けないわね」


「それにしても~、ダンジョンの中に密林が広がっているなんてすごいわね~」


 そうなのだ。このフロア、ダンジョンのはずなのに密林が広がっていた。当然空なんてないのだが、ヒカリゴケが天井にびっしりついており、空っぽい雰囲気になっているのがまた不思議だ。


 隊列としては先頭から、俺、サラ、ヤマト君、シェリーさんという布陣だ。



最後まで読んで頂きありがとうございます。

やっとダンジョン探索がすすみはじめました。



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