第4話
初めて評価もらいました!ブクマも増えました!
ε= \_○ノ ヒャッホーウ!!
ありがとうございます!
説明回も終わりやっと前に向いて進むよ!やったねゲンスイ君!
前回のあらすじ:ゲンスイ君の愛竜はパイオツカイデーっていうんだって。
俺達は予定通り5日で目的のダンジョンに辿り着いた。
ここは高い山と深い谷のあるエリアであまり人の手が入ることは無い場所だ。そんな場所にぽっかりと洞窟が口を開けている。
しかし最近ここに人がいたことが分かる痕跡もある。ダンジョンのすぐ近くに焚火の痕なんかもあるからすぐに分かった。
移動手段である地竜のパイオツカイデーを降り、装備を再確認。気を引き締めてダンジョンに挑む。
パイオツカイデーは俺が戻るまでこの付近で待機だ。
狩をしたり結構自由気ままに過ごしている。地竜は賢いので危険な場所には近づかないし、よっぽど強い魔獣じゃないと地竜を襲うようなこともない。ドラゴンって名前は伊達じゃない!って事。
で、問題のダンジョンなんだけど。
はっきり言って地下3階までは特に障害となる敵もトラップもなかった。魔獣はたくさんいたのは確かなんだが、自軍最強の駒、元帥の俺自ら最前線にいるので余裕だった。
また、ダンジョンには珍しく階段のあるフロアでは敵が出ないし入ってこない、いわゆる安全地帯であることも分かった。
これのおかげでかなり広いこのダンジョンでもしっかりマッピングしながら捜索する事が出来たのだ。
地下4階に降りて見た光景はちょっとビビった。ダンジョン自体の空間は今までと比べて異常なほど広い空間だった。地下3階から地下4階に降りる階段がやたらと長いのでおかしいとは思ったんだ。
そして驚いたのは広さだけではない。ストーンゴーレムがたくさんいたのだ。
正直ストーンゴーレムは今年の研究素材としてたくさん欲しい素材部門栄えあるナンバーワンを断トツぶっちぎりで獲得した喉から手が出るほど欲しい素材なのだ。
研究者の俺からしたらたくさんいたのならここは天国に見えても可笑しくないはずなんだ。
……なんだけど。
「いくらなんでも多すぎ」
あまりにもな光景につい独り言を呟いた俺は打開策を考え始めた。しかしこういう頭を使って難関をクリアしていく冒険こそ、俺が求めたものでもある。やり甲斐のある仕事だ。
この異常に広い空間は迷路になっていた。あ、うん。ダンジョンは大体そうなんだけどね?
それが、迷路の壁が全部ストーンゴーレムだったのだ。チラッと見ただけで数百体のストーンゴーレムさんが列をなして迷宮を作り上げている。上空の空間がかなり空いていたのでそれが分かったわけだが。
仮説1
もしかしてストーンゴーレムは消極的魔獣では?
仮説1検証結果
近づいただけで襲われたので仮説1を否定。
仮説1検証結果を受けての所見
迷路の壁のような配置に意味はないんだね。
仮説2
ダンジョンモンスターでも復活しない可能性があるのでは?
仮説2検証結果
階段フロアから一番近くのストーンゴーレムを倒した結果、どこからともなく現れた別のストーンゴーレムが倒した場所に配置された。このことからダンジョンでの魔獣復活は起こり得る可能性が高い。ただ、他のダンジョンでは魔獣を倒してもいつの間に復活していることが多いのだからこのダンジョンだけ特別復活しないって可能性は低い。
仮説2は可能性でしかないけど仮説1と合わせて考えるとこれは四方八方からストーンゴーレムに囲まれても問題ない戦力がないとこのフロアは攻略できない?もしくは、相手の数が多いならばこちらもかなりの数を用意しなければ突破できないか。
……いや、おかしい。
確か情報では地下4階には隠し扉があってそこから地下5階に行けるという話だった。という事はその情報の基になったヤツはここをどうにかして突破したはずだ。
そもそもこのダンジョンは最近見つかったばかり。組織的に大規模な調査も行っていない。
となるとそいつは少数で突破したはずだ。
何かあるはず。俺一人でもストーンゴーレム数体位ならば戦っても勝てる。人族冒険者だと個人でそこまで戦力があるのはかなり高ランク冒険者くらいに限られる。
俺はじっくり考える為、階段フロアに腰を下ろし思考を凝らすことにした。
考えろ。俺は研究者なんだ、考えるのは得意なはずだろ!?
1時間後。
「めんどくせー!かかってこいや!!!」
そこにはダンジョン無双する自称研究者の姿があった。
うん、言い訳をさせてくれ。
俺のライトウェポン1号は両腕に装備された手甲というか籠手というか。だが魔力筋を使ったこれのおかげで俺の打撃力は普段の3倍はあるんだ。
ただでさえ腕力の強い獣人族の打撃力がさらに3倍なんだぜ。
これは防御力の高いストーンゴーレムといえど結構楽に倒せるんだよ。それだけの戦力が俺にはあるんだ。
そしてもう一つ。実はこっちのほうが説得力のある言い訳になるのだが、獣人族は深く難しい事を考えるのが苦手なんだよ!!悪かったなっ!!
順調に前進することが出来たのはこのフロアの半分を超えた辺りまでだった。
無双しながら頭の片隅にいる冷静な部分の俺が、誰に対してでもなく言い訳していることを意識したが、無双していると楽しくなってきてだんだんそれすらも意識しなくなった。
3メートルはある巨躯から振り下ろされる砂の塊のような腕は、並みの人間が食らえば一発で致命傷だろう。だが、速度は俺の方が上だ!左頬に轟音と共に通り過ぎる風を感じながら伸びきった肘部分にライトウェポン1号を振り抜くと、砂の塊でできた肘から先が身体から切り離され地面に落ちた。
「まだまだぁぁぁ!!!」
勢いを殺さず突進し超至近距離までくればそこはもう俺の間合いだ。左右のライトウェポン1号からマシンガンのように繰り出される連撃に目の前のストーンゴーレムは崩れ落ちただの土塊となる。
「お前なんてただのサンドバックなんだよ! 文字通りなっ!」
挑発じみた声に反応したわけではないのだろうが、左右にいた別の個体が同時に塊腕を振るう。
「その程度かよ!」
その動きは想定の範囲内で完全に見切っている。瞬時に四つ足の姿勢で回避すると頭上で腕同士がぶつかり合いドゴォンという物騒な音がする、がすでに俺はさらに前方の個体へをターゲットに据える。
いくら倒しても前後左右全方向からどんどん押し寄せてくる。流石にちょっと厳しいかと思い始めたが、ここまで来たら行くのも戻るのも同じ位大変だ。むしろ半分を少し過ぎたはずだから戻る方が大変になるのは目に見えている。
それに、俺が進むのはいつだって前だ!
お?
ちょっと今のかっこよくね?
俺、かっこよくね??
途中いくらか攻撃をくらうこともあったが戦いながら回復薬を飲み今のところは何とかなっているほとんど前進することが出来なくなってきた。これは俺のスタミナがどこまで持つかの勝負になりそうだ。
「負けねぇぇぇええ!!! お前らなんか俺の戦略で余裕攻略してやるんじゃーーー!!!」
気合を入れて前後左右から同時に繰り出された剛腕を垂直ジャンプすることで躱し、同士討ちで先端が崩れた4つの腕を足場に前方の個体に接近、全力で頭を殴り抜く!
その時、斜め前方の個体が死角から剛腕が飛んでくる。攻撃直後の硬直で一瞬動けず回避できなくなっていた為、精一杯ライトウェポンでガード。数瞬のずれで後方のストーンゴーレムからその剛腕を振り抜いてくるがこちらは防御直後のためまたも回避できず。半身ずらして左のライトウェポンでガードするに留まる。
だが殴られた勢いで数メートルは前進できた。
「結果オーライってね」
致命傷を避けることは出来たが左腕が痺れている。そして重い衝撃は俺の体力を消費させた。慌てて回避行動に専念しつつ収納庫から回復薬を一つ取り出すと一気に飲み干す。
そしてまた一歩前進し目の前のストーンゴーレムを殴り付けるのだ。
くっ……流石にキツイ。いくらなんでも突破することは無茶だったか?いや弱気になるな!ここまでなんとかもうちょっとってところまで来たんじゃねーか。
もう次の階段フロアが見えているんだ!ここで踏ん張らないでどうすんだ!!!
自称頭脳派が根性見せてます。
ちょっとでも面白いと思ってくれたらブクマ支援お願いします!
2018年5月14日、ストーリー内容は変えず少し表現だけ変更しました。