第26話
作者「前回の次回予告で水着キャッキャウフフ回だと言ったが、あれは嘘だ」
ゲンスイ「なん…だと…」
作者「この作品をそんな低俗なものだと思ってもらっては困るな」
ゲンスイ「じゃあブクマ解除だな」
作者「あっ……すみません嘘ですすぐ書きます、ゲンスイさんにここでは言えないようなそんな内容にしますのでどうか、どうかそれだけは~~~~」
「なぜだ!?」
つい、声を大にして叫んでしまった。
しかし、それには海よりも深く!山よりも高い理由があるんだ。
「だから何度も言っているじゃない」
サラは呆れたような言い回しだ。
「じゃあゲンスイ君は~、用事もないのに女の子の水着姿が見たい変態さんなの~?」
サラもシェリーさんも、もう陽も暮れたから今日は泳がないって言い出した。
せーーーっかく水着が完成したというのにだ。つまり水着姿が見れないという結論に至るわけだ。
そんなの認めぬ!
「そんな事を言っているのではない!そもそも俺は理性の塊と自他ともに認める紳士だぞ!」
「だったら何も問題ないでしょ」
聞く耳持たず、といった具合に言い切られた。
「そうだけど……」
ここで引いてはいけないっ!ズルズルとサラに持って行かれる。何か正当な理由で以ってこの逆風を押し返さねば!なんの、これしきのピンチ今までいくらでも乗り越えて来たじゃないか。だからっ!
「けど、何?」
サラさんや、そんな冷たい目で見ないでおくれ。
「何でもないです」
血の涙を流すしかなったのだ。
二人の水着姿が早く見たかったんだーー!!
そんな事は俺のキャラ的にとても声に出せないけどもーー!!
大将というポジションはツライ。強権を発動して大将が恨まれる軍は崩壊しか招かない事は歴史が証明している。それだけは避けねばならんのだ!
だからこうして、余りのストレスにより一人暗がりで体操座りして星を眺める事くらい大目に見て欲しい。
「ゲンスイ君いじけちゃったわねぇ~」
「ほっといたらいいのよ」
「そうもいかないわ~。サラちゃんだってあの姿を見たら可哀想だって思うでしょ~?」
「ダンジョンでは恰好良かったのにな」
そんな会話が遠くで聞こえたが俺の脳は理解しなかった。
「お兄ちゃん泣いてるの~?」
いつの間にか、人魚くんが俺の傍に来ていた。
「雨が、降って来たな」
「あめ~?降ってないよ~?変なお兄ちゃん」
おまっ!そこは何もかも分かっていながら「そうですね大佐」って言うシーンだろ!俺大佐じゃないけど!くそぉ、子供には分からんか。
「よく分からないけど、元気だしてね」
子供にまで気を遣われた。何してんだろ、俺。
「ゲンスイくん~、ちょっといいかしら~?」
しばらく一人にしてくれたらいいのに、今度はシェリーさんですか。
「なに?」
「仕方ないから一つだけ水着見せてあげるわ~」
おお!救世主は実在した!!
「お姉さまーーーー!!痛いっ!」
つい勢いで抱き着いてしおうとしたらサラの蹴りが飛んできた。
「何をしようとしたのかなー?」
「い、いや、ちょっとよく見せてもらおうと思っただけでー!」
「はいはい、暴れないの~。はい、これ。どうぞ~」
といって水着を手渡してくれた。
つ、つ、遂にこの手に水着がっ!
「って、これ……水着?」
両手で広げてみると、ハーフパンツのようなものがあった。
「ゲンスイ君の分よ~」
「そうじゃないだろ!?こういう場合ってサラかシェリーさんの水着を見せてくれるってのがパターンじゃね?それに俺は水着が欲しいんじゃない、二人が着ているのが見たいんじゃ!二人して俺で遊んでんじゃねーよ!それと俺のも作ってくれてありがとう!まさか3人分作っていたとは思ってもみなかったよ!」
なんだよなんだよ。
「もうしょうがないわねぇ~。じゃあお姉さんにゲンスイ君のいいトコロを見せてくれたら~、私達の水着姿見せてあげるかも~」
「ちょ、ちょっとシェリーさん?何言ってるのよ」
「俺の水着姿見せればいい?たったそれだけでいいのだな!?」
ふふふ、俺の筋肉をご所望とあらばお見せしよう!だてに獣人族で少々毛深いとはいえ前世にはなかったこのシックスパック!ライトウェポンが無くても逞しい腕!魅せてやろう!
「はやっ!脱ぐのはやっ!」
たったそれだけの事で水着姿が見れるのならば!
「違うわよ~。だからズボンは脱がなくていいわよ~」
もうズボンを脱ごうと手にかけていたが、違うらしいので脱ぐのをやめた。
サラの顔色が心なしか赤く見えるのはきっと焚火のせいだろう。だって見たことあるのだから今更だ。
「じゃあ何を見せればいい?」
「どんな魔法が使えるか、見せて欲しいのよ~。だって【贈物】持ちなんでしょ~?」
交渉の末、報酬を獲得してしまう我が頭脳が恐ろしい。
ならば、さっさと依頼を遂行しよう。
今手の上にだいたいハンドボール位のサイズの炎を持っている。近くに焚火はあるがそれとは別の光源が生まれたことでいっそう視線が集まるのを感じる。
それを手近な岩に向かい、大きく振りかぶって投げつけると、岩に接触した瞬間ブワッと燃え広がりそして消えた。命中した部分は微妙にへこんでいる。
「まぁこれが火属性魔法な」
「私の知っているどの火属性魔法とも違うわね」
「普通は投げるのじゃなくて~、射出すると思うのだけれど~」
上手い事射出出来ないから投げつけるようにしてたんだ。そしたら投げる力が強ければ強いほど威力あがる俺独自だ!皆と一緒が良いとは限らない、
続いて先ほどの岩に手を向け魔力を込める。
すると手のひらから水が勢いよく噴出、温度の上がった岩は一瞬ジュッと音がした。
「魔力次第で水量を増やせるぜ」
「庭先の水やり用ホースよりは勢いがあるのね」
「消火栓ほどじゃなけど~、生活魔法としては十分よね~」
むむむ。
わざわざ前世知識でショボさを説明せんでもよろしい。いや!ショボくないからなっ!?
気を取り直して、今度は胸の前で両手でハンドボールを掴むような姿勢になり魔力を込める。
透明なそれは目には映らないが両手の間に圧縮空気が出来上がる。ある程度圧縮出来たところで、それを先ほどの岩に投げつける。
命中したそれは先ほどの水魔法で濡れていたので水滴が吹き飛んだことで分かるだろう。
「これも魔力次第で圧縮率を高めることができる」
「これも投げつけるのね」
「お姉さんはお手洗いのジェットタオルを思い出したわ~」
続いて地面に手を当てて魔力を込める。
目の前に土の壁が出来上がる。
「魔力次第でってもういいか」
「目玉だけの父親が出てくるアニメのヌリカベみたいね」
「ほんとにそうね~。でも今までの魔法の中では一番まともだったと思うわよ~」
なかなか酷い言われようだ。
ちなみに他にも光属性魔法は任意の場所を照明のように光輝かせる魔法と闇属性魔法で収納庫が使えるが、もう説明する気も失せた。
だが、これでミッションコンプリートだろう
「これで全部だ」
「思ったよりも~、いえ、想定の範囲内かしら~。でもゲンスイ君がイイ所を見せてくれたから今度は私達の番ね~」
「シェリーさん、本気なの?」
いつも読んで頂きありがとうございます。
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おかげさまで本日5000PV超えたよ!ありがとう!!




