第22話
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ハルム村という漁村に到着したのは予定通り次の日、夕方に差し掛かる頃だった。
村の入り口には簡単なアーチはあるものの、衛兵の詰め所もなくそのまま素通りどうぞってな感じだったのでそのまま村へと入っていった。
「おー!第一村人発見!さっそく情報収集行ってくる!」
サラと一緒に旅が出来るだけでも嬉しいのに、たわわなお姉さん(シェリー)さんまでも一緒に旅しているという事実が俺のテンションを上昇させたまま降ろしてくれないので、 村へ入ってすぐ農作業をしているおじさんがいたのでさっそく情報収集へと飛び出した。
この村の中心は港らしいので何かあればみんな港に集まるらしい。ちなみに酒場も宿屋も港近く。この村にはギルドがないらしい。ということで港へ行ってみることにした。
港近くで宿をとり、近くの食堂で夕食を取った。しかし、宿を出てから港、食堂、酒場。どこも人は少なく主だった情報は手に入らず宿へと戻った次第であります。
「思ったよりもずっと人が少なかったね」
人魚の情報も全然聞けなかったのである。
ちなみに人魚くんはあれから結構元気になっており今は人型形態で一緒に宿に居たりする。そしてこの結果に暗い顔をしている。
「多分なんだけど~、漁師町だからだと思うのよね~」
暗くなりかけた雰囲気に一石を投じたのはシェリーさんだった。
「どういうこと?」
応じたのはサラ。普通に考えて漁師町だから情報はひた隠しにする!なんて話も聞いたことが無いので、情報が集まらないイコール漁師町ということはないだろう。その反応は想定内だったのかシェリーは続けた。
「漁師町ってことは村人の大半が漁師もしくはその家族ってことになると思うんだけど~、それならば漁に合わせて起きてご飯を食べて仕事して寝ると思うのよね~」
なるほど。頭脳はである俺にはすぐに察しがついた。
「そういうことか。漁師町なんだから食堂じゃなく家で海鮮料理を食べているってことだ!だから人が少なかった。でもだったらどうしようか……」
「う~ん、ゲンスイちゃんのそういう発想も嫌いじゃないんだけどね~。お姉さんが言いたかったのは~、朝早くから活動していて生活時間帯が違うんじゃないかしら~ってことなのよ~」
俺のさっきまでのドヤ顔が崩れ推測が外れた恥ずかしさから顔面の温度が上がっていく気がした。いやでも結構惜しい推理だったよな。っていうかほぼ間違ってなかったと言えなくもない。はず。
「そういう可能性もあるか。じゃあ明日は早めに起きて情報収集にいくか!さっ、この話題は御終いにしてさっさと休もうぜ」
論理的な展開をしつつ頭脳派の俺はここで重大な事実に気付いてしまった。それは、俺達4人一つの部屋で一夜を過ごすということだ。そしてこの部屋にはセミダブルサイズのベッドが2つしかない。つまり、俺が誰と寝るのか問題。普通に考えれば俺とサラ、シェリーさんと人魚くんということになるだろう。だって俺とサラはそういう関係なわけだし。だがだからと言って俺がシェリーさんと寝たくないという結論には至らない。なればどうすれば一緒に寝ることができるのかを考えなければならない。
自然にさり気なく、それでいて俺の望む結論へと至らせるための誘導……
「人魚くんこっちにおいで~、お姉さんと一緒に寝ましょう~」
人魚くんはそれに頷いてシェリーさんのベッドへと入っていく。
「ゲンスイさん、お願いがあるのですが」
「うん、どうした?」
分かっているよ、一緒に寝たいんだろう?ただ、俺は右にサラ左にシェリーさんでも問題ないぜ?それはもうこれっぽっちも問題ないぜ。ただそれをどうやって実現するかという話で。
「このベッド、こっちのベッドと引っ付けてもらえませんか?」
流石俺のサラだ。俺の考えをしっかりわかっている。二つのベッドをくっつけて三人仲良く寝ようってことだな!
「分かった!」
ベッド一つ動かすくらいこの俺の力があればすぐだ。ずいーーと動かして二つのベッドを隣同士にし、一つの大きなベッドのように使える。
「シェリーさん、私も人魚くんと一緒に寝たいわ。独り占めはよくないです」
そう言ってサラは広くなったベッドへ入っていく。サラとシェリーさんに挟まれる形の人魚くん。さらに俺の方を見て満面の笑みという挑発をやってのける人魚くん。
ほほう、いい度胸だ。この俺を敵に回したことを後悔させてやろうじゃないか。
「おい人魚!その場所は俺のだ!貴様というやつは恩を仇で返すつもりか!?!」
「何言ってるのゲンスイさん。こんな小さな子供に変な事を言うのは止めて」
俺の声に反応して人魚くんは顔をシェリーさんの胸へ埋め、背後からはサラが包むように寄り添っている。
許さん、許さんぞーー!
「俺のサラと俺のシェリーを独り占めなどさせん!」
サラとシェリーさんが作り出す魅惑の桃源郷へ俺が怪盗三世ダイブを試みるが、サラの蹴りで俺が沈むという人類が涙する結果に終わった。
「サラちゃん遠慮無いのね~」
というシェリーさんの呟きが聞こえたような気がしたが俺はそのまま意識を失った。
ん?なんか違うくない?サラさん???
翌朝。それも早朝。
「そろそろ起きましょうね~」
シェリーさんの甘い囁きで目を覚ました俺は、いつの間にかソファーで眠っていたらしく硬くなった体を解しながらの起床となった。
結論から言うと、漁師町の生活時間帯は予想通りでその後情報収集に出掛けた俺達は人魚についての情報を得ることが出来た。俺達が頑張って情報収集をして旅をしてきたのは人魚くんの為なのに、人魚くんはなぜか俺を少し怯えるようになっていた。
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『プロットでは一言で終わっていたシーンがどんどん筆が進んで文字数が増えるただし話はなかなか進まない症候群』を患っている作者です。特効薬の『上達』が見当たらないので自然治癒に期待していますが、見捨てないでブクマ支援や評価感想お待ちしております。




