モノヲト
カタっとした
物音に耳をそばだてる
誰もいない
何もない
音を立てた何かはそこに
確かにいた
はずなのに
風かな
それとも
猫かな
君かな
それとも
僕かな
揺れるカーテンの向こう側
空気を揺らして
物音がする
誰もいない
何もない
ガラスのように
透明な板
誰もいない
何もない
そこにあるのは
モノとオト
目には見えないはずなのに
手を伸ばしたら触れた気がした
ザラザラとして
ツルツルとして
生温いけれど
温かい
カタっとした
物音に耳をそばだてる
ねぇ
君のココロの
音かもね
ありがとうございました。




