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だまされないでと いっても いっても

明け染めた午前7時

2日前スーパームーンだった貴女は少し

疲れた様子で、

薄水色の西の低い空に

灰色の雲を煙たがりながら

もう消えようとしているのか?


貴女とは

実は月のことだったのですか、と

最後に謎解きをして

驚きという感動を生み出すとか、

そんな作詩の高等技術は持ってないんだ。


貴女を、

2日前に観た

あの、

白く照り渡り、

観る私の心に入り込んで

いろいろと意地悪く

それだけは清潔な、涙みたいな感情を

いじくり回してくれた

貴女の美貌が

今も胸を離れない。


ただ、

その貴女を

今朝白んだあとの低い空で観たとき、

そのときとは、

まるで正反対の

まるでさびれた映画館の取り壊しを

目の当たりにしているような

少し重めの涙をこらえて、

でも、鼻の奥はツーンとして

思わず顔を背けてしまったんだ。


そんなこと、

いい加減わかっているのに。

わかり切っているのに、

なぜか、

怖いほど美しいものを観たときは、今も、

その美しさは永遠なのかもしれないと、

思ってしまうんだ。

バカみたいに、

そして、なんどもなんども、

自分だけで

かってにだまされてしまい、

バカみたいに、哀しい目にあってしまうんだ、

バカみたいに、……


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