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ギルドカードを手に入れよう!-1

 ふと目を覚ますと、温かいものに包まれながら私は眠っていた。

 それが心地がいいので、覚醒するまで行かなかった意識はそのまま地面に落ち始めた紙飛行機のように眠りの方に向かう。

 でもこうも温かくて落ち着くものは一体なんだろう?


 まあいいや、深く考えずにいても。

 すりすりすり。

 私はその温かい何かに顔をうずめてスリスリした。


 その温かい何かがもぞりと動いて、『これはもう、俺、我慢しなくていいのか? いや、駄目だ』などと呟いていたが、言葉を意味のある物として認識出来なかった私は、逃げ出そうとする温かい物にそのままギュッと抱きついた。

 うん、やっぱり気持ちがいいな、すう~すやすや。

 こうして二度寝という至高の時間を味わおうとした私はそこで、体を揺さぶられた。


「ルカ、そろそろ起きて朝食を食べよう。そうしたらギルドに行って、ちょっと周りを見てこよう」

「うにゃ~」

「……一緒に寝るのを嫌がっていたくせに、こうやって抱きつくのか。しかも無意識の内にとか。ルカ~、あまりこんな事をすると襲うぞ~」

「返り討ちだにゃ~、誰に向かって言っていると思っているのですか~、むにゃむにゃ」

「……よし、仕返ししたろ」


 小さく誰かが呟くのが聞こえてそれから、誰かが私の体に服の上から触るのを感じた。

 もぞもぞもぞ。


「ふ、ふぎゃっ、や、やだぁっ……うにゃ? リオネル?」


 あまりにも変な感覚を覚えて私は悲鳴を上げながら目を覚ました。

 そしてそのもぞもぞが何かと思ってみると、リオネルが私のわき辺りに悪戯していた。

 そう言えば昔私が一緒に寝ていた時もよくされたなと思う。


 だが、私だって一方的にやられているわけではなく、やり返してやったが。

 その時の頬を赤らめた美少女にしか見えない頃のリオネルを見ていたら、なんだか変な気分になった記憶がある。

 とはいえ、今も私はされたままでいるのはプライドが許さなかったので、


「リオネル、仕返しをしてやる~」

「その前に俺と一緒に寝るのを嫌がっていたくせに、抱きついて、顔をこすりつけて甘えてきたぞ」

「なん、です、と……」

「まあいい、朝食を食べてギルドに行こう。朝が早い方が空いているだろうし」

「こんな辺境の村のギルドが混むのかな?」

「昨日学園の試験もあったし、人出も辺境だからあまりなさそうだし、混むんじゃないのか?」

「うぐ、混んでいたら都市に転移してそこのギルドで取ろうかな。そしてリオネルを王宮に返品してくるのだ」

「さて、ルカも起きたようだし早く朝食を食べてギルドに行こうな」

「うぎゃ! 私の服を脱がそうとするなぁあああ」

「着替えのお手伝いをしてあげているのです。俺って優しいな~」

「やめっ……もう絶対金輪際、二度とリオネルとは一緒に寝てやらない」

「ははは、その時はルカをベッドに引きずり込めばいいのだ」

「私がそう簡単にされると思うなよ、というかせめて着替えの時くらいは外に出ていてよ」

「はいは~い」


 部屋からいったんリオネルを追い出して私は着替え、終わってから私が部屋を出て外で待つ。

 すぐにリオネルは着替え終わり、私はリオネルの持つガイドブックに書かれた食事処に向かったのだった。


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