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貢物です!

 組み分けはこの前の演習と同じ。

 まさかそんなことを言われてしまうとは、と私は思う。

 つまり私はリオネルと一緒なのだ。


 なんてことだと私が思っているとそこでリオネルが、


「やっぱりこういう事は事前準備が大事だよな~」

「! まさか!」

「全て俺の計算通り……ルカ、俺から逃げられると思うなよ」

「く……」


 私は呻いた。

 まさかリオネルから離れようとしたら、このような先手が打たれてしまったとは。

 だが、いつの間にと私が思っているとリオネルが、


「ルカの様子がおかしいから、セレンに会った時に誰にあったのか聞いて、イリスさんに話を聞いてきたんだ。そうしたらあの話をしたっていうから、だから避けているんだなと。なので……事前に手を打っておいたんだ」

「う、うぐ」

「まったくルカは詰めが甘いよな~、だから俺がそばにいないとダメだと思うんだ~」

「で、でもいつまでも一緒にいるわけには……」


 リオネルは王子様なわけでと私が思っているとリオネルが、


「いいじゃん、ずっと二人で一緒にいようよ。俺、ルカと一緒にいるの楽しいからそのほうが嬉しい」

「……もういい、リオネルには何も聞かない」


 私はそう言い返した。

 何を言おうと私はリオネルから必ず離れていせる、そう心に決めた。

 何故かスールとセレンが私達の方を見て、これはたぶん無理だね、うん、などと話しているのが聞こえたけれど今の所は、うまく避けられているはずだと思った。


 それから、学園のそばにある浅めのダンジョンに入り込んでいく。

 先頭は私……が行こうとしたらリオネルが先に行くと言い出した。

 なんでも、


「今日はこれからルカに良い所を見せて、ライバル心を煽らないといけないから頑張る」


 とのことだった。

 私の事をとてもよくわかっていると私は思って、ぐぬぬと小さく呻く。

 そう思っているとそこでセレンが、


「あの、今日は通りたい場所があるのですが」

「ん? 何か採りたいものでもあるのか?」

「え? 聞いてな……いえ、えっとそんな感じです」


 どうやら昨日のキズヤとの約束の場所に行きたいらしい。

 リオネルに話しそびれたが、私達がいるから問題ないと思う。

 それでも妙な胸騒ぎのようなものはあるけれど、気を付けていればいい。


 そう私が思っているとそこで、


「ルカも何か思う所があるのか?」

「べ、別に」

「……まあいいや。今日は俺が頑張るって決めたし」


 そうリオネルが私に振り返って言ってほほ笑む。

 それを見ると私自身大きな罪悪感がわいてくる。

 でもここは私の我慢のしどころなのだ。


 そう私は思って、それ以上は考えないようにして洞窟に入っていく。

 天然物のダンジョンであるけれど、この世界のダンジョンがよくそうであるように天井やら壁がうっすらと光っている。

 魔力が蓄えられている証拠であるらしい。


 その魔力の影響でまものやら変わった鉱石、草が育つという。

 そのうち以来のものをいくつか手に入れて私達はさらに進む。

 学園近くのダンジョンなので地図は用意されていて、それでセレンの生きたい場所は事前に聞いて向かっている最中だった。


 次々と現れるまものはリオネルが片手間に倒して、取れた魔石やらなにやらは私に渡してくる。

 なんで渡すんだと聞くと、


「貢物です!」


 と元気よく答えられてしまった。

 それは彼女にするものではと思ったが、戦闘の邪魔になりそうなので私はそれを持っていることにした。

 でも本当に私の出番がないなと思いつつさらに進み、そろそろ私もリオネルと一緒に戦いたい……等とうずうずしてきた所で、目的の場所にたどり着いたのだった。


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