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私は衝撃を受けた

 戻ってきたセレンは涙目だった。


「うう……クロスぅ」

「もうあんな男なんて捨てちゃいなよ。忘れなよ」

「うう……」


 といったような会話をしている。

 この辺りで、大体何があったのかを把握した。

 おそらくは以前のようにクロスに懐こうとして、冷たくあしらわれたのだろう。


 彼にも彼なりの思いがあってセレンを大事にしてはいそうなので、それに関してはとやかく言うべきではないのかもしれない。

 思いのすれ違いが彼らの関係に集約されるのかもしれない。

 何だか切ないなと思ってそこでセレンが口を開いた。


「でも、クロスは私の事を心配していってくれたわけで……あ、でもスールにはこういった服があるって教えてもらえて感謝はしてるよ」

「可愛い子がさらに可愛くなるのは眼福なので私の趣味でもあるからいいけれど、あのクロスという人間、趣味が悪すぎるよ」

「え、で、でも」

「これだけいい素材なのにそれを前面に押し出さないようにするなんて、絶対に間違っている。はっきり言ってセンスが悪いどころじゃない。それに散々罵倒されて、セレンだって落ち込んでたじゃない! 何であいつの味方をするの?」

「だって私はそんなに可愛くないし……」

「いや、セレンは私の目から見ても可愛いよ。……あんな男なんて捨てなよ。男なんて幾らでもいるし」


 そこで何か変な雰囲気になったスールとセレンだがそこでロア先輩が、


「こら、スール、からかうのはほどほどにしないと。彼氏がまたひきこもるよ」

「え~、でも男ならいくらでもいるしって言うと、いじけるんだよね、あいつ……」

「そうそう、そしてそっちのセレンという子も本気にしないように」

「はい、私はクロス一筋ですから」


 その答えにそれは良かったとロア先輩は笑う。

 この辺りでいいかなと思って私はリオネルとセレンたちに近づき、


「それでクロスにセレンは何を言われたの? 落ち込んでいるようだったけれど」

「……足の出し過ぎで行けないって」

「……え?」

「スカートが短いのも誘っているように見えるし、足は出し過ぎだし、この服は結構体のラインが出ているし、服は肩が出ているから露出が多すぎるって。特にニーソとスカートの絶対領域はいかにも犯してくれと言わんばかりの恰好なんだって。……心配してくれるのは嬉しいけれど、ちょっと言いすぎだよね」


 そうセレンが笑うが、私は衝撃を受けた。

 そして私はそこで無言でリオネルを見た。

 私の大切で綺麗な幼馴染は、そこは止めに入らず喜々として私が嫌がるのを無理やりこの服を着せ、このような状態にして喜んでいる。


 けれどそんな私を見てそこでリオネルが、


「うん、ルカはその服がとてもよく似合っているよ」

「にあってたまるか! くぅ、私のリオネルへの一方的な愛しかないきがする」

「え~、ルカ~、俺、こんなにもルカの事愛しているのに酷いよ~」

「うう……私ももうちょっと……」


 などと、別な意味で精神的な衝撃を受けてしまった私はへこんでいるとそこで、授業終了の鐘がなったのだった。


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