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どうかしたのかな?

 リオネルの企みにより私は、可愛らしく着飾らさせられてしまった。

 この私にこんなものが似合うはずないのに、そう私が思っていると、うちしがれている間に着替えたスールがやってきて、


「わ~、可愛いですね。似合う似合う」


 それにリオネルが、


「そうだろう、ルカは可愛いからこういった服が似合うよな。あ、そこにあるヘッドドレスもつけたいな」

「似合いそうですね、どうぞ」


 こうして頭に飾りまでつけられてしまったわけだが。

 あまりの悔しさに睨み付けるように、じ~とリオネルの顔を見た。


「……」

「私の心の叫びは聞こえるか、リオネル。……何でここでスカートをめくろうとするのでしょうか」

「……おちつこう、俺。うん」


 そこでリオネルがそう呟いて私から離れて行った。

 どうしたのだろうと思っているとそこで、


「ルカ~、どう? セレン!」


 そこでパステルカラーのピンク色を基調にしたフリルがふんだんに使われた服を着せられ、しかも頭には大きなリボンの髪飾りがつけられたセレンが立っていた。

 こうやってみている分には、可愛い少女にしか見えない。

 これはこれでありのような……。


「は! 駄目だ私、そっちの世界に行っては」

「? どうしたのルカ」


 不思議そうにスールに聞かれたので私は、


「いえ、私、可愛い系もいい様な気がしただけです」

「そのまま可愛いに目覚めればいいのに。それで、リオネルにもそういった格好をさせるって、ルカは騒いでいなかったっけ」

「……忘れていた」


 私は慌てて探すとリオネルがぼんやり窓の外を見ていた。

 どうしたんだろうと思うものの、服を嫌がっていたのに着せられたのが許せないので近づいていき、


「ほら、リオネル、早く着替えよう。リオネルの女装を見るんだ!」

「あ~、そういえばそんな約束したな。いいぞ」

「……何でそんな風に余裕があるのよ」


 私がそう聞くとリオネルが、


「ルカの可愛い姿が見れたわけだから。それに約束だし」

「う、うぐ。よし、リオネルに着れそうな服を探そう」


 そう思いながら私は、黒と白を基調にした服を探し出す。

 リオネルの鮮やかな金髪にはこの色が良く映える。

 こういった感じでリオネルが着れそうな肩幅で、と探していくと、


「スカートが長いのしかない」


 そう気づいて呟いた私に、様子を見ていたロア先輩が、


「背が高い人用の服だからね。短い方の服は一着あったんだけれど……その、この前破ってしまって」

「そうなのですか?」


 どうやら服が破れてしまうような事態があったらしい。

 でもロア先輩はどこか遠い目をしているような気がするけれどどうしたのだろう?

 そう私が思っているとそこでスールが、


「うむ、セレンも可愛くなったし早速、クロスに会いに行こう」

「え! 今から?」

「思いついたが吉日だからね。行こう!」


 そう言ってスールはセレンを連れてクロスの元に行ってしまったようだ。

 騒がしいなと思いながら、ふと私は呟いてしまった。


「“いばら姫の騎士”か」


 そういった人物に会いに行ったのだと連想して呟いてしまったのだけれど、たまたま近くにいたロア先輩が、


「“いばら姫の騎士”がどうかしたのかな?」


 そう、私に聞いてきたのだった。 



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