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ステータス・オープン

 花火がはじけるのを見て私達は、急いでそちらに向かう。

 時間はまだあるのにこの花火というのは、危険があったから集合の合図なのだ。

 やがて私達が集まると、そのあと一組が遅れてやってきてそれで全員がそろったらしい。

 

 そこで先生が、


「これで全員か。怪我をしている者もいないな。……異常な魔物の発生があったと聞いていたが」

「先生、リオネル様ともう一人に俺達はまもん魔物から助けられました」

「ん? そうなのか? それは、リオネル、流石は期待の新入生だ。それでもう一人は誰なんだ?」


 そこで先生がリオネルに聞く。

 私の名前は出されませんように、と私が思っているとリオネルは、


「力を貸した知人なので、秘密です」

「……でもせっかく、魔物を倒して生徒たちの手助けをしたわけだから表彰しないと」

「本人が素性が知られるのを困っているので……それに彼は結局一匹も倒していませんよ? もしもの時のためについてきてくれただけですし」

「そうなのか? ふむ、それだったら」


 そうリオネルが上手く誤魔化してくれる。

 助かったと私は思いつつ、しばらくは外での演習話になるといった旨を先生から聞かされる。

 現れた魔物が普段駆除しているにもかかわらず量が多く、強力な魔物が多かったため、危険なので、しばらくはどうしてそうなったのかを調べるそうだ。

 

 こうして早めに授業が終わった私達は人けのない場所に移動した。

 理由は、


「セレン、どうして君が狙われたのか教えてもらえないかな」

「……ごめんなさい、それは言えないです」


 セレンがそう言うのを聞きながら私はリオネルと顔を見合わせてから、


「そうなんだ……特殊な能力があるって事だよね?」

「……」

「リオネル、いい?」


 私の言葉にリオネルは頷く。

 と言ってもこちらもそこまで話すわけではないけれど。


「リオネルもね、ああいったやつらに狙われているんだ」

「……え?」

「だから今回もリオネル関係も絡んでいるのかと思ったけれど、君をターゲットにしたみたいだね」

「……そう、だったのですか。……もしかして、だから、ルカは能力を隠していると?」


 そこではっとしたようにセレンが私達に言う。

 だが、リオネルのために能力を隠している、その言葉に私は閃いた。

 つまり、他と同化し迷彩するように最弱を名乗るのは、しているのは全部リオネルのためなのだと!


 これは良い理由が出来た、そう私が確信しているとそこで、


「そこのリオネルとルカだったか。少し話をいいか?」


 突然すぐそばの木の影がから、セレンが懐いている? クロスが現れたのだった。








 クロスに呼ばれた私は、その場から移動をする事にした。

 セレンが何か言いたそうで、スールも興味津々のようだったがそこで待ってもらう。

 そして人けのない場所にやって来た私達だがそこでクロスが睨むように私達を見て、


「お前達は何者だ? セレンに何かするようであれば、容赦しない」

「……危害を加えるつもりはないよ。それよりも君こそ何者なのでしょうか?」


 私はそう問いかけるとクロスは嗤った。


「答える義理はないな」

「少しもお話ししてもらえないのですか?」

「当たり前だ」


 まったく私達に話す気のないらしい彼、クロス。

 どうしようかなと思っているとリオネルが私に、


「ルカ、彼が何者なのかが気になるな。あれを使ったらどうだ」

「話しても教えてくれそうにないし……じゃあ、そうしようか」

「何をする気だ」


 警戒するようにクロスが私達を見たが、この異常な能力を持つクロス自身もリオネルと何らかの敵対をしかねない、そう思って私は容赦しないと決め、にっと笑う。


「こうする。“ステータス・オープン”」


 そう告げると、クロスのステータスが宙に光り輝く文字盤の中に表示されたのだった。


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