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草を見つけました

 指さされた細い道、そこの先に目的の“オレンジ草”があるようだった。

 意外に簡単に手に入りそうだと私は思った。

 リオネルのお兄さんの言い分では何かありそうだったが、ここではそこまでの警戒をする必要はなさそうだ。


「うん、気にしすぎだね」

「そうなのかな?」


 リオネルがそう言って、何かのフラグを建てようとしたが気づかなかったふりをした。

 そして私達は細い道を歩いて行く。

 順番は、リオネル、私、スール、セレンの順番だ。


 どうしてこうなったかというと、リオネルがスライムに襲われないからだ。

 何てことだ。

 今まで一緒にいたのに、今更ながら気づいた衝撃事実!


 だが、知ってしまえばそれを利用しない手はない。

 そう、つまりリオネルに一番前を歩いてもらい、それに背後にピトッと私はくっつきながら移動すれば、リオネルのスライムバリヤーな体質を利用できるのだ!

 これで私はスライムに襲われない!


 そんな画期的なアイデアを思いついて告げた時、リオネルは変な顔をした。


「……俺の背中に、ルカが抱きつきながら移動するのか?」

「うん、そうだよ。問題ないよね」

「……そうだな」


 微妙な反応は何だったのだろうか?

 とはいえ、一番前を歩いてスライム攻めにしてくれようぞ、とか、一番前を歩いて本気を出せるようにしてやろう、と言われなくてよかったと思う。

 随分すんなり、リオネルは受け入れてくれた。

 

 でもその時スールとセレンが、じ~っと何かをいいたげに私の方を見ていた気がするが、聞いても何も答えなかった。

 だから大したことではないのだろう、そう私は思う。

 

 そう思いながら私は更に進んでいくとそこでスールが、


「それで結局話しそこねていたけれど、リオネルは、ルカにどんな服を着せたい?」


 私はそれを聞いて体がこわばるのを感じた。

 一体どんな服を着せられてしまうのか、と言うかその話はなかったことに出来ないのか。

 そう私が思っているとリオネルが、


「そうだな、ルカにはドレスから何から幾つか試したが……折角だから、エッチな格好が良いな」

「なん、だと」

「可愛い子がエロい格好をしていたらエロ可愛くなりそうだし」


 リオネルがいい切った。

 なんというひどい発言、と言うか私を可愛いと言うなと言い返そうと思っていたがその前にスールが、


「エッチな衣装ですか。ふむ、ヒモとか細い鎖やガラス玉で彩って、一部透けるような布にして、露出度の高い格好ですか。ですが、見えそうで見えないエロスというのはいかがですか?」

「見えそうで見えない……短いスカートか」

「そうですね、更に体のラインを一部強調するような服装というのもいいですね」

「なるほど……」


 リオネルとスールが私の直ぐ側で恐ろしい会話を始めた。

 これは早く止めねばと思って、私はそこで先ほど浮かび上がらせた地図を見て、

 

「そ、そういえば“オレンジ草”が近いね」

「もう目の前に見えるぞ」

「そ、そっか」

「そしてその程度で話は変わらない。ぜひルカにはニーソははいてもらおうな」

「いやぁああああ」


 悲鳴を上げる私をよそに、更にスールと話を進めていき、“オレンジ草”を回収している間もその話でもちきりになる。

 私も涙目で、セレンも同じような目に合うのだろうかとそこはかとなく顔色が悪い。


 そこで、少し離れた所から生徒の悲鳴らしきものが聞こえたのだった。


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