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入学式がやって来た-5

 スールの目が、ロボットの首がグルんと曲がる様にスールの首が回った。

 そしてその視線の先には、


「うう、ぐす。何でクロスは私から逃げるんだ」


 などと呟き、涙目になっている。

 セレンという少女はまた何かを断られたらしい。

 だが獲物を狙うようなスールのその様子から、確かに彼女も可愛い系の少女であると思い出した。


 多分、私の方がずっと格好いい感じ、と私が思っているとそこで、スールが走り出しセレンの手を握る。そして、


「初めまして。私はスールといいます。私と一緒に学園内の授業でパーティを組みまっせんか?」

「ふ、ふえ、なんで私?」

「可愛いのと性格の関係で、私が襲われ無さそうだからです」

「……なるほど、確かにそれはいいかも。よろしく」


 そこでスールの勧誘にあっさりとあのセレンという少女は陥落した。

 これはもしや、可愛い系なのでこの二人はよくいたのだろうか狙われたりいじめられたりしていたのだろうか? と私は思った。

 ちなみに私も、別な意味で襲われかかった事が何度もあり、リオネルと一緒に撃退した記憶がある。


 それもあって誰も知らないこの場所で目立たず静かに魔法学園生活を、と思ったのだ。

 そうしたら、本人自身が自己主張する電球のようなリオネルがついてきた。

 しかも今度は……と思っているとスールがまた私達の元にセレンという少女を連れてきて、


「ほら、こうすれば四人以上のパーティが組めるよ!」

「でも私、目立つのは嫌です」

「え~、四人でこの学園のアイドルを目指そうよ! 親衛隊がいればその危険も減るし、ちやほやされるし、あ、リオネルさんは綺麗なので特別枠で“姫”でも良いよね」

「……そろそろ私、スールが何を言っているのか分からなくなったので逃げます」

「ルカ……こうなったら徹底的に口説くからよろしく~」


 まったく諦めていないらしいスールが私に言って、セレンとはお近づきのしるしに一緒に行こうと言って、二人でどこかに行ってしまう。

 おそらくは皆と同じように、教科書や制服を手に入れるためだろう。

 後は、寮の部屋割りを聞くとか。


 だが私はあのスールとは絶対に関わらないようにしようと思う。

 だって、この人と居たら絶対に目立ってしまう。

 アイドルといっている時点で目立つ。


 というかリオネルが綺麗なので特別枠で“姫”って何だ。

 よく私よりもヒロイン力が高いとか言われるが……だが私はかっこいい女性を目指しているわけで、でもだからと言って女性であることには変わりなく……。

 私が意味不明の状況に頭を悩ませているとそこでリオネルが、


「……確かにあの二人と一緒に固まっていれば、ルカへの狙いが分散するか」

「……何が?」

「可愛い子達が一人でいるよりも三人で固まってた方が、目立たないのではないかと」

「可愛いという言葉を私は必死で否定したいけれど……木の葉を隠すなら森の中。二人よりも平凡な私はあの中に入れば逆に目立たない、と?」


 リオネルの言葉を私はそう解釈した。

 確かにそれも手といえば手なのではないか?

 などと考えた私だが、アイドルって男性にモテる仕事だよねと思う。


 でも今は恋よりも普通の学園生活を送りたい。

 それにもしその男性だとするならリオネル位の~って、


「違う違う、私はリオネルから……」

「? 俺がどうかしたのか?」

「いえ、何でもありません。それよりも私達も制服と教科書を貰おうよ」


 そう私は答えて、リオネルの手を握り歩き出す。

 私は特に意識していなかったけれど、それにリオネルは嬉しそうな顔をしていた。

 そして制服などを貰った私達は、学園の先生に学園長室に来るよう言われたのだった。


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