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入学式がやって来た-4

 入学式という名の、校長先生たちのありがたいお話が早く終わらないかなという時間は、別な意味で早く終わってという様相で終了した。

 とりあえずは、クラウドストッパーであるイリスの能力が発揮されたようだ。


「どうにか普通の制服で済みそうだ。あんな露出が多いのはお断りだよ」


 私が、よかったと思いながらつぶやくとそこでリオネルがぼそりと、


「猫耳……」

「……リオネル、まず人にお願いする時は、自分から。だからリオネルが猫耳をつけるべき!」


 と、冗談半部、本気半分で私がリオネルに言うとリオネルは、


「分かった。それはつまり俺が猫耳をつければ、ルカも猫耳をつけてくれると」

「え?」

「分かった。早速二人分の猫耳を……」

「! リオネル、落ち着こう、どう考えてもそれはおかしいよ!」


 私は焦って真剣な表情で考え始めたリオネルの肩を揺さぶった。

 だがリオネルはその表情を変えないまま通信販売だのなんだのと呟きながら検討を始めている。

 このままでは私とリオネルの頭に猫耳がつけられてしまう!


 リオネルの猫耳は見たいが、私がつけるのは絶対嫌だ。

 だってきっとまだ、“可愛い”といわれてしまう気がする。

 私、可愛いよりもイリスさんみたいな美人て言われたいのに!

 それだけは絶対に避けねばと思っているとそこで、


「お二人とも仲がいいですね」


 声をかけてきた人物が一人。

 紫がかった赤い色の髪に緑色の瞳の少女。

 彼女を見て私は、


「ギルドの時から見ていた子だよね?」

「気づかれていましたか。とてもFランクとは思えませんね」

「……」

「その辺りは突っ込まないですが、私の名前はスールといいます。よろしく」

「それで私に何の用かな」


 警戒もあって私はそう聞き返すと、


「実は私、冒険者仲間を探していまして。ほら、ダンジョンにもぐる実習とかあるじゃないですか、この学校」

「あ~、確かにあったかも」

「それで4人以上のグループを作らないといけなくなるでしょう? だからギルドに居てよさそうな相手を見ていたのです」

「でも私はFランクです」


 そう言って穏便にお断りしようと思っていると、スールが嗤う。


「だって貴方を誘えばそこにいるSランクがついてくるでしょう?」

「……リオネルを巻き込むつもりは私にはないよ」

「うーん、分かりました。それも貴方方を選んだ理由なのですが、一番の理由は……私って可愛いじゃないですか」


 そこで目の前のスールという少女は自分で、可愛いアピールを始めた。

 この人は何を言っているんだと思っていると、


「そのおかげで冒険なんかを一緒に行くと性的な意味で襲われたり、同性にはいろいろと嫌がらせをされる場合があるので、私のように可愛い子じゃないと組めないんですよ」

「……一つ、聞いていいかな」

「何でしょう」

「その意味でどうして私を選んだのでしょう?」

「もちろん、ルカさん、貴方が私と同じように可愛いからです。私と一緒に学園のアイドルを目指しましょう!」


そこで目を輝かせて手を握るスールに私は、やはり私の全力を持って筋肉ムキムキマッチョになろうと決意した。

 と、そこでスールの首がぐるりと横を向き、ある人物を狙いを定めるように見たのだった。


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