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ギルドカードを手に入れよう-4

 こうして受付に向かった私。

 名前などの必要事項を事前に紙に書いておいて提出する。

 リオネルも一緒に登録するので、説明は一緒にして欲しいというと受付の人はかまいませんといっていた。


 それからギルドカードの発行手数料などのもろもろの説明を受けて、測定に。

 そしてそこでまたしても


「魔力が“ゼロ”機械が故障しているのかな」

「あ、私は実は魔力が測定できない特殊体質で……」

「そんなものがあるのか? 一応魔道具の影響でそうなっているか確認させてもらうよ」


 との事で別の測定装置に向かう。

 下に魔法陣が敷いてあるもので、これは旧式の魔道具感知装置だなと私は思った。

 リオネルが王宮で住んでいる関係で私は、そういった危険な魔道具が持ち込まれないよう検査する装置を見ていた。


 そしてこれは古いタイプのものだと知っている。

 ただ最新の測定器でも私の魔力は“ゼロ”だったが。

 巨大な魔力などで、受付の人に『え!』みたいな展開をさせてみたかったが、現状では無理そうだ。


 そしてやはり分からなかったらしく、理由記載の上で次に進むことに。

 と、次の測定、魔力耐性などを見る場所に回った私は、機械が轟音を唸り上げるのを聞いた。

 振り返るとリオネルが笑顔でいて、測定の人が涙目になり、


「わ、分かりました。これ以上は止めてください、機械が壊れます!」


 などと叫んでいた。

 そう言えばリオネルの魔力も莫大だったなと思いつつ、やはり目立つからリオネルの傍にはいないようにしようと思っているとそこで、現在測定した人が、


「え? 魔法耐性、え? 物理耐性も、他にも、何ですか? ほとんどの精神操作系も含めて毒物やらなにやら、耐性が全部無効って……」

「あ、え、えっと、特殊な体質でして」

「特殊な体質でも、ある程度レベルが上がらないとここまではいかないはずで、それもどれか一つといった……何ですかこれ……」

「あ、あの……」

「ですが私では手に負えませんね。後で都市の方で再度測定してもらってください」

「は、はい」


 どうやらここは一応クリアにしてもらえるようだった。

 そしてそれは、リオネルも同じような感じではあったらしい。

 悲鳴があがり、同じような事を言われる。


 よかった、私だけじゃなかったから、私はまだまだ“平凡”のラインに居られているはず。

 心の中で安堵した私がそれからさらに測定を受けて、最後にレベルを見る段階でそれはおきた。


「レベル325ですね」

「……何かの間違いでは」

「そうですよね。普通、レベルは皆さん50くらいですから。都市にはそういった化け物レベルの方もいらっしゃると聞いた事がありますが、そもそもこの測定値は多くても150程度しか読めないので……」


 といった話になり、レベルに関しても都市でまた測定してねという事に。

 そしてリオネルもそうだった。

 だが私はそれを聞きながら絶望的な気持ちになる。


 少なくとも、レベルが高すぎればそれは、“平凡”ではない。


「レベルを、レベルを下げる呪いの特殊アイテムが欲しい!」

「もうそろそろ、平凡詐欺をやる夢は諦めたらどうなんだ?」


 呆れたようにリオネルが言うも、私は、それを我慢できない。

 だから何としても、レベルを下げる方法を探そう、そう決意をして……測定数値の記入がされたギルドカード(銀色の薄いプレートで、うすい魔石が三つほどついている)をようやく手に入れる。

 そんな私達をじっと見つめる視線に私も、そしてリオネルも気づいたようだけれど害はなさそうなので、放置することにしたのだった。






 ギルドの一角で、彼女は、ルカとリオネルを見ていた。


「うーん、面白い子達、みつけちゃったな~」


 彼女はそう小さく楽しそうに呟いたのだった。


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