表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

10/85

ギルドカードを手に入れよう-3

 子供と筋肉ムキムキマッチョのおじさんに言われてしまった。

 だがこれはギルドの、それも初心者や子供によく行われてしまう“洗礼”なのだろう。

 まだあまり世の中を知らずに冒険者になりた~い、といってやってきてしまう子供も実は結構多い。


 しかし冒険者業は、直接魔物と戦闘したりといった危険も多いのだ。

 ちょっとした油断が命とり、といった職業なのだ。

 おかげで遊びのつもりでリオネルに引きずり出された私がどんな目に遭ったかというと、まあ、あれである。


 しかも冒険者仲間の間で、謎の黒と金の妖精がいる、彼らに出会えば何かがあった時でも生きて帰られるだろう……などという伝説が生み出されてしまっていたりする。

 だが、もうすでに妖精などとは言えないような年齢と、しっかりした容姿に幾らかはなっていると私は思うのだ。

 なにしろ、リオネルがこんなに男らしくなっているのだから、私も強そうな頼りがいのある女性なっているはず!


 とおもっているとそこで、


「しかも男女で、しかもこんな可愛い頼りなさそうな女の子がギルドに来るとは、そんなお遊び気分で来れる場所じゃないんだ」

「……あの頼りなさそうな女の子、とは?」

「うん? もちろんお前だ」

「あ、あの、子供と言っても私、十六歳なのですが……」


 不安を思って聞き返すと、不安な答えが返ってきたと私は思った。

 そしてそれを聞いた筋肉ムキムキさんが、


「あ~、うん、まあ、人は見かけによらないというか、大事なのは中身だ」

「……取り繕わなくてもいいです。くう、まさか、最近少し大人っぽくなったと思ったのに。筋肉がついてきたし……はっ!」


 そこで私はある事に気付いた。

 つまり目の前にいるこの失礼なことを言ったこの人物は、それはそれは見せるためのボディービルダーのような素晴らしい筋肉……とまではいわないが、ムキムキである。

 そう、ムキムキなのだ!


 これは非常に大事な事なので私は二回言ったのですが、


「今、その失礼なことを言った詫びも兼ねて、その筋肉ムキムキになる方法を教えてください」

「え?」

「私、もっとあなたのように体を鍛えて、筋肉ムキムキマッチョになりたいんです!」


 そうすればもっと服を着ても滑降用切れたり大人っぽくなれるはず!

 私は切実な思いを込めてそう、今、絡んできたおじさんに言った。

 おじさんは真顔になった。


「これは普通に魔物退治や、農業、材木運びといった力仕事のたまものだからな。同じにようにやろうとしても無理だと思うぞ。それに体質があるからな。俺の知っている奴も、同じように動いてみたがずっとこんな風にはならなかったしな。特に女性はな……見たところ体つきはあいつと似ているし、性別もそうだし、無理なんじゃないのか?」

「そ、そんな~」


 絶望的な情報を押し付けられた私は、涙目になった。

 それでは私はずっと、このおじさんのように筋肉ムキムキマッチョにどうしてもなれないようだ。

 私がそう凍り付いているとリオネルが、


「いや~、非常に残念だよ。ほら、ギルドカードの受付に行くぞ~」

「な、何でリオネルはそんなに嬉しそうなんだ。私にそんなにムキムキになってほしくないのか!」

「うん!」

「即答しやがった、この、やっぱりリオネルは、都市に送り返してやるぅううう」

「ははは、この俺が黙って送り返されると思うなよ~、さて、じゃあ受付に行こうな~」


 といって、やけに嬉しそうにリオネルに私は、受付に連れていかれてしまい、そんな私達をおじさんはなんだか納得したように頷いていたのだった。


評価、ブックマークありがとうございます。評価、ブックマークは作者のやる気につながっております。気に入りましたら、よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ