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異世界戦争  作者: Riviy
第漆部隊:過去編、彼ラノ悲シミノ夢
99/126

日記拾捌頁目: さあ、遊びましょう〜珀〜

「ねぇ、待ってください」


霧雨の言う通りに、千夜丸と久遠の言い争いを気にせずに戦争を終えた珀。霧雨と久遠が「謝る」的な話をしていたのを聞いて安心していた。


「珀、行くよ」

「は、はい!」


珀は自身よりも大きい武器を抱えて前を歩く莢を追いかける。言い争いを聞いて一週間後。珀は同い年の莢と友人の七音と共に戦争に駆り出されていた。本日の隊長は莢である。

珀が小石につまづいて前にこけそうになる。とそれを止める腕あり。混乱したように腕の主を見ると可笑しそうに笑った七音が彼を支えていた。


「七音!」

「あっぶないよー珀。大丈夫?」

「はい!ありがとうございます」

「ハハ、いいえ〜」


七音は笑って珀を立たせると優しく頭を撫でた。本日の副隊長は莢のご指名で七音だ。


「ちょっと2人共。早く行かないと行けねぇんだけど?」


莢が一向に来ない2人に痺れを切らし、そう忠告した。他の戦争に行く友人達は「仲良いなー」と笑って見ている。莢が自身の武器でトントンと肩を叩く。それを見た七音の表情から笑顔がスッと消え、真剣な表情になった。


「わかってるよ莢。んで、僕は後方だろ?」


シュッと耳に入れた収納式マイクを出して七音は武器であるマシンガンを肩に担いだ。背中にはライフルを背負っている。


「そっ。頼むよ、七音」

「お任せあれ。じゃ、おっ先〜」


ニッコリと笑って七音が後方支援のために別方向へと歩いて行く。それを見届けた頃、目と鼻の先に化け物が現れた。途端に武器を構え出す。


【莢、聞こえる?】

「嗚呼」


莢が片耳に手を当てイヤホンから流れる七音からの情報を逃すまいと聞く。


【多分、莢達から見えてない敵は3。僕が殺っとく】

「嗚呼、頼んだ…じゃあ、珀」

「う、は、はい!!」


突然呼ばれた珀は裏返った声を上げてしまった。それにピリピリとしていた空気が少しだけ緩和する。莢は珀を振り返って言う。


「俺の援護、七音と共に頼んだよ」

「はい、任せてください、莢!」

【アッハハッ!たっのもし〜嬉しいんじゃないの莢?兄弟が頼もし過ぎて?】

「からかうな七音」

【うはーい】


そんな隊長&副隊長のやり取りに周囲が堪え切れずに数人吹き出す。そんなこんな場を戦争だと切り替えて、彼らは


「おっしゃー…行くぜ野郎共?」


莢の言葉に雄叫びで返事を返し、こちらに向かって来た化け物に大きく跳躍した。


***


「は、はいっ!」


そんなかけ声と共に化け物に向かって自身の武器、大太刀を振り下ろす珀。化け物は眉間を割かれて倒れたが化け物はまだわんさかいる。と目の前で戦っていた莢の背後を取ろうとする化け物が目に入った。珀は叫ぶよりも早くあまり使いたくない妖狐の能力を使おうとした。


ーバシュンー


「!!」


莢の背後を取ろうとしていた化け物は何処からともなくやって来た銃弾に撃たれ、倒れた。それに珀は能力を中断し、ハッと振り返る。キランと岩場に光るものがあった。七音だ。凄いなぁ…そう感心せずにはいられない。


「珀!」

「はい!」


珀は莢に呼ばれてハッとし、大太刀の柄を握り締める。


後方うしろは気にせずやりな。僕がぜーんぶ……撃ち抜いてやるから】


嗚呼、耳元から力強い声が響く。珀はニヤリと笑ってその言葉に小さく頷いた。そして珀は莢と共に大きく跳躍した。背後では七音の銃声が響き渡り、化け物に背後を取らせまいとしている。

こんなに頼もしい兄弟と友人がいて、ボクは幸せ者ですね。

珀は化け物の返り血を袖で拭きながらそう感じた。そしてギュっと柄を握り締める。自分は今まで能力を否定され続けて来た。何故?何故否定されなくてはいけない?可笑しいじゃないですか。仮にも「神様」の別体なのに………


珀の思考は友人の戦争終了の声で引き戻された。今、自分は何を考えていたのだろう?自分が一瞬、恐ろしく感じた。


【ご苦労様!】

「お疲れ七音。的確な攻撃、感謝感激」

【ふっふーん!そうでしょそうでしょ?褒めてくれても良いんだよ?】

「あ、んじゃけなすわ」

【なんで?!褒めてよ?!ほーめーてー!!】

「はいはい、よく出来た支援だったよ」

【ふふん♪珀ーお疲れ様!】

「お、お疲れ様です!後方支援、ありがとうございました!」

【珀は素直で嬉しいなぁー】

「俺は素直じゃないって?」

【誰もそうとは言ってないでしょ?!】


終了後のそんな会話に友人が吹き出したのはまた別の話である。


***


珀は大将の部屋の前にいた。隣には莢がいる。珀は真剣な表情の莢を見上げた後、深呼吸をする。


「さっ、行こ」

「はい!」


今日の隊長は莢でも七音でもなく珀だった。そして珀は嫌いな大将に報告をしなければならない。例え、報告と称して自分の心中を埋める疑問を投げかけることになっても。

珀は莢を残して大将の部屋へと入って行った。まさか、その行為によって誰かを悲しませることになろうとは夢にも思わず。


そしてーーーーーー




投稿が遅くなり申し訳ありませんでした!

と、いうかもう少しで100行く…

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