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異世界戦争  作者: Riviy
第漆部隊:過去編、彼ラノ悲シミノ夢
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日記拾参頁目:欠ける言葉〜序章〜

「誰が悪い事をしたんでしょう?」




緑が生い茂る、見事な中庭。それを眺める2人の青年。この庭は偽物、本物ではない。


「やっぱり、千夜丸ちよまるとちゃんと外に出て自然を満喫したいなぁ」

「まぁーたそんな事言ってぇー」

「だってー」


一人の青年が言うともう一人が笑いながら言う。そして2人は笑い合う。笑い合った後、もう一人の顔からスッと笑みが消えた。


「………オレ達には無理だけどね」

「………うん…ねぇ千夜」

「何?久遠くおん


久遠と呼ばれた青年が千夜丸と呼んだ青年の両手を握り締め、笑って言う。


「いつか、外に一緒に出て遊ぼうね」

「うん!約束!」


そう言って握り返した。


千夜丸ちよまると呼ばれた青年は淡い青色の長髪を無造作に下ろしており、瞳は深緑色。黒のワイシャツに黒のピッタリと足にフィットした長ズボン。ワイシャツの上に裾が長いこちらも黒のコートを着ている。首にはチェーンで繋がれた葉がモチーフのネックレスをしている。靴は灰色のハイヒールだ。


久遠くおんと呼ばれた青年は深緑色のセミロングで両方のこめかみが長く、瞳は淡い青色。千夜丸と同じ服装で黒のコートの袖が異様に長く、裾が少し短い。首には千夜丸と同じ、チェーンで繋がれた葉がモチーフのネックレスをしている。靴は灰色のヒールだ。


2人がキャッキャと何処ぞの女子会の女子のように楽しそうに話していると背後を誰かが通る気配が。それに2人は見知った気配だったので笑顔で振り返った。


「あーさやだー」

みどりだー」


そこには2人の青年がいた。千夜丸と久遠がそれぞれ名を呼ぶと2人もにっこりと笑い返した。


「あっそうだ。あお知りません?今朝から姿が見えなくて…」


翠と呼ばれた青年が困った顔をしながら問う。それに千夜丸と久遠は首を傾げる。すると青年が苦笑しつつも答えてくれた。


「今日の要請せんそうでミスっちゃって…それで落ち込んでて」

「理解!でも碧は見てないなぁ。ねぇ千夜」

「うん。オレ達、翠達が帰って来る前からいるけど翠達の部屋に行くためには此処通るでしょ?通ってないよ」


2人の説明に青年はうーんと悩んだ。


「この様子じゃあ七音ななねも見て…」

「「あ、七音は見た」」

「見たの?!」


もう一人の莢と呼ばれた青年が2人の方へ身を乗り出す。千夜丸と久遠は一緒に首を縦に振り、肯定した。


はくと一緒に広間に行ったの見たよ」

「了解。ありがとう千夜丸、久遠!」

「こっちもありがとうございます!」


そう叫んで2人がそれぞれの方向へと駆けて行く。その背中を見て2人は顔を見合わせ、微笑ましそうに笑った。


さやと呼ばれた青年は銀髪の長髪でポニーテールにしている。瞳は紫色。左目の下辺りに波のような刺青をしている。服は白めのロングコートに紫の線が入っているもので中にも白のワイシャツ。ズボンは灰色の長ズボンで腰には編み込むタイプのベルト。指先に紫色のネイルを塗っており、靴は室内なので脱いでいるが灰色のハイヒールだ。


みどりと呼ばれた青年は薄い水色のショートで右耳に銀色の小さいプレートがついたイヤリングをしている。瞳は黒めの緑色。服は白のワイシャツ(ボタンは第一まで開けている)に黒のネクタイを緩めて締め、黒の軍服の上着(前は開いている)、下は紺色の長ズボン。靴は室内なので脱いでいるが黒のブーツ。ブーツの中にズボンが入っている。


「仲良いねー」

「オレ達もでしょ?久遠」

「だね!」


そう言って2人は手を握って笑い合った。


***


此処は案外、他より平和だと思った?いいえ、同じです。大将にも様々なタイプがいる。此処の場合は裏社会の人間であり、それを完璧に隠している。そして、“荒神こま”が自分に逆らわないように手を打つ、策士でもある。

此処の大将は古参メンバーで、初期に使役した“荒神”を人質にとり、皆の関係を利用している。『依り代も命も効かないのなら“荒神こま”自身を使えばいい』とこれが言い分である。“荒神”達は表面上、大将に従うフリをしつつもこちらがとってある最後の切り札を使う機会を狙っていた。と云うか大将の命令は全て嫌である。うん。



「うーん…貴方は猫かなにかか」

「…………」

「ほらー出ておいでぇー」


ある押し入れの前で一人の女性がしゃがみ込んでいた。いや、女性…と云うよりは少女のようだ。押し入れの中には奥まで入ってしまった人見知り猫ならぬ人見知り“荒神”がいた。人見知りと云うよりは


「…………俺のせい……」


ネガティブ“荒神”だが。少女はうーんと膝の上に頬杖を尽きながらどうやって彼を引っ張り出そうか考える。彼は自分の相棒である青年の兄弟兼友人である。相棒は酷く、それはもう酷く彼のこのネガティブ思考を心配している。


「うーん…あたしも戦争行ったけどさぁ、今日の‘あれ’、貴方のせいじゃないよ」

「………」

「…ダメだこりゃ」


少女は「イタタ…」と腰を抑えながら立ち上がる。やっぱりあの子じゃないと駄目かーと痛む腰をさすっていると背後から足音が聞こえ、そのすぐ後に声がかけられた。


「姐さん!」

「翠ーあたしにあおを引き出す能力はなかったみたいだ」

「うんん!大丈夫です!……大丈夫ですか姐さん…」


声の主は翠だった。翠は少女に近づくと心配そうに問う。少女はそれを打ち消すように二ッと笑った。


「大丈夫に決まってんだろー?このアリスさんよ?大丈夫だっての!」


その笑みに翠は安心したように笑った。そして押し入れに引っ込んでしまっている彼、碧の引き出しにかかった。


「七音!珀!待ちなっ!!」

「逃っげろー!です!七音!」

「はははは!」


隣の部屋(広間)からそんな声が聞こえる。それに少女はまたかと苦笑した。


「元気だなー」


七音ななねと云うのは莢の友人である青年で淡い桜色のフワッとした髪質でショート。瞳は空を連想させる色。服は上が翠と似た黒の軍服に黒の短パン。少し明るい灰色のダウンコートを綺麗に着こなしている。首にはチェーンで繋がれた黒球がついたネックレスをしている。靴は黒ブーツにソックスを合わせている。


はくと云うのは莢の同い年の兄弟である少年で妖狐なので狐耳と狐の尻尾がある。銀髪のセミロングで一房だけ紫色をしており、少量の髪をポニーテールにしている。瞳は藤色。服は童水干で色は白と藤色を基調としている。靴は草履。


「ほら、碧。出て来て」

「………俺の、せい……」

「碧のせいじゃないよ。戦争だもん。嗚呼なったのは必然的だったんだよ……ほら!いつまでそんな暗いとこにいるの?!出て来なさーい!」

「うううううう………」


そう言って翠が押し入れから彼を引っ張り出す。それを少女は眺めていた。押し入れの暗がりから出てきたのはフードをかぶった青年だった。嫌そうにしており、押し入れの中に戻ろうとしている。それを翠がとどめて、フードを剥ぎ取った。


「あ……」

「おー出て来たー」

「もう…姐さん「謝りはなしねー」はいはい」


声を被らせた少女に翠はクスリと笑った。それにさっきまでネガティブ思考に入っていた青年も笑った。


あおと呼ばれた青年はネガティブ思考に入っていた彼である。水色のセミロングで瞳は赤紫色。青色の水干の上だけを着用し、袖は繋がっていて長袖。下は白が多めの灰色の長ズボン。フード付きの白のパーカーを着ており、首にはチェーンで繋がれた銀色の小さいプレートがついたネックレスをしている。靴は室内なので脱いでいるが少しヒールの高い黒のローファーだ。


翠に姐さんと呼ばれていた少女。本名、アリス=グランワール。“荒神”の中では珍しく、モチーフがある“荒神”である。彼女のモチーフは不思議の国のアリスだ。金髪のロングヘアーで瞳は青。頭に青いリボンを付けている。青のエプロンドレス。靴は室内なので脱いでいるが縞のソックスにローファーである。まさにアリスそのまま(ほぼ多分)である。


「あー笑った笑った。で、碧は落ち着いたかなー?」


アリスはそう言って碧の前にしゃがみ込んで彼の頭を撫でた。それに翠も参戦し、2人でネガティブ碧を撫でまくる。


「ちょっ……やめ……っ…やめろ!」

「うん。元気になった」


バッと2人の手を振り払った碧を見て翠がニッコリと安心したように笑った。それに碧はちょっと不機嫌そうに俯いた。




それぞれの日常。不便だけれど、いつか……

そう思っていたのも束の間。


「あいつら?……嗚呼、ーーーーーー」



光は闇へと姿を変え、その感情は、命をも滅ぼす。



投稿したのを後で読むと誤字脱字があって焦りました(笑)直せるだけ直そうと…見つけたらそっと素通りしてください…

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