第捌陣:妖と共に戦いましょう
「でやぁい!」
イノリは右手に逆手持ちした短刀と左手にこちらも逆手持ちした脇差で敵の喉元と心臓を一突きした。敵は赤黒くもあり、青くもある血を撒き散らしながら倒れた。イノリは背後に迫った敵を飛び蹴りで首をボキッと折り、腹に2振りの武器を深く突き刺した。
「………後ろっ!」
「え?!」
その声に顔だけで背後を振り返ると自分を狙った敵がすぐ目の前まで来ていた。イノリはすぐさま武器を引き抜くと鎌鼬へと変化しようと力をこめた。
「……え」
「グァ…」
敵は突然、ビリビリッと雷に打たれたように痙攣した後、どさりと倒れた。敵の背後には何かを投げた後の左眼丸がいた。
「…………平気か」
「え?!あ、大丈夫!ありがとう!」
イノリが呆然とした状態から我に返り、礼を言う。左眼丸はコクリと頷き、薙刀を構えた。それにすぐさまイノリも相棒の短刀と脇差を構えた。左眼丸はイノリが敵に向かって駆け出すよりも早く敵に突っ込んで行くと薙刀を振り、敵を大量に吹っ飛ばす。そこにバッとお札を大量に投げ込めば、雷や炎、風などで敵が倒れて行く。イノリも負けじと敵を切り刻んで行く。
バッと2人が反対方向から来た敵にそれぞれ攻撃。そしてそのまま背中を合わせる。
「無理ダメだよー!?」
「………無理、してねぇ…」
そう会話して2人は敵に向かって跳躍した。
**…
「よしっと」
ガシャン…カランカラン…と音がして海の持つ銃から空になった薬莢が落ちる。背後から狙って来た敵にマシンガンのみを後ろに突き出す。そこに敵の喉元が当たったらしく引き金を容赦なく引くと敵は蜂の巣状態になって倒れる。ともう一体、敵が背後から海に迫った。が彼は慌てることなく、冷静だ。
「冷静ですね」
「いいじゃん。弥々丸さんいたみたいだし」
ズバッと音がして海の背後にいた敵は真っ二つにされた。海が横目で背後を確認するといたのは弥々丸。彼の手には大太刀と呼ばれる刀が握られていた。
「それは嬉しいですね」
「ほらー早く終わらせそーぜ?」
ニヤリと海が笑い、弥々丸が小さく頷くと仮面を一瞬外した。彼の眼を見た者は石のように固まり、その脳天に海が銃弾を撃ち込んで行く。弥々丸が仮面を付け、2人は半周回ると弥々丸はそこに散らばる敵に向かって大きく跳躍しながらもう一振りの刀を抜き、敵に斬りかかった。海は高く跳躍し、頭上から乱射した。
**…
「ほれ」
ボウ…と敵が炎に包まれる。横から来た攻撃を如鶴は九本の尻尾で防ぐと敵の顔面に手をかざした。敵は不思議そうにしていた。とブワァア!と風が何処からともなく吹き荒れ、敵のを顔面から吹っ飛ばした。吹っ飛んだ所にちょうど四季がいた。四季は別の敵を斬り倒すと飛んできた敵にも追い打ちをかけるように大鎌で倒すと大鎌を持っていない方の手を腰に当て彼を心配しつつも少々からかうように言う。
「おや」
「おじいちゃん気を付けてー」
「まぁ倒せたから良いであろう?ほれ、次々」
「はいはい」
バッと四季は跳躍し、敵を一気に大鎌で狩る。零れ出た敵を如鶴の尻尾、炎、風が狩り取っていく。四季が空中で一回転して如鶴の真後ろに戻ると2人は背中を合わせる。如鶴が右手に炎、左手に風を纏わせるとそれが合図となって2人に向かって敵が駆け出した。その敵に向かって2人は攻撃した。
**…
香は敵の首筋に自身の武器、短刀を突き刺し、トドメを刺す。と後ろからやって来た敵に回し蹴りを炸裂させ、倒す。再び、やって来た敵に身を構える。と目の前に白い粒子が舞ったように見えた。そして一瞬にして彼の目の前にいた敵は蹴散らされた。蹴散らした正体は大きな白い虎だった。
「虎?!なんで?!」
「分かんないの?」
聞き覚えのある声だ。虎がこちらを振り返る。瞳が青い。もしかして
「疾風か?」
「正解。僕、白虎になれるんだ。いいでしょ?」
面白そうに笑う疾風に戦っている最中だと云うのに香も笑ってしまった。疾風が見せてくれたならと香は自身のストッパーを外した。その途端、彼の背中から白骨の2本の腕が伸び、左腕が白骨に囲まれる。香は左腕の骨を動かし、疾風を見て悪戯っ子のように笑う。と疾風の姿が粒子に包まれ、一瞬にして元の少年の姿に戻る。2人は背中合わせになると
「本気が白虎の姿か…見せてくれてありがとな」
「いいえ。僕も香のがしゃどくろ見たかったからお互い様ってことで」
そう、場に合わない笑いを零して、2人は敵に向かって跳躍した。
**…
「……何やってんだアイツら」
「さあ…今は目の前の敵に集中しましょうよっ!」
疾風と香の場に合わないであろう会話を横目に見ながら青藍は武器、一振りの刀を目の前の敵に斬りつけ、夜征は何処からともなく出した槍で周りにいた敵を吹っ飛ばす。と夜征は槍を持っていない方の手をかざす。そこに桜が一瞬纏わった。そこにはいつの間にか短刀が握られており、シュッと攻撃を仕掛けて来た敵の顔面に向かって攻撃し、後退させた。青藍も目の前の敵の足を刈り、体制を崩した所に刃を入れる。
「お前の武器は本当、不思議だな」
「そうですか?」
「嗚呼」
大勢でやって来た敵を2人で斬りつけ、一気に倒す。武器を構え直す。夜征は槍を手放すと槍は地面に付く前に桜に包まれて消え、代わりに彼のもう片方にも短刀が握られる。
「零れ落ち頼む」
「分かりました」
バッと2人は同時に敵の群れへ跳躍した。
**…
夜姫は戦わずに一人突っ立っているマスターを心配するような目で見ながら2振りの刀で敵を斬る。
「マスターは大丈夫だよ」
その声に振り向けば響が刀を一振りして敵の血を払いながらこちらへ来るところだった。これだけ大勢いるのだ。倒す時間も早い。
「どうしてそう言えるの?」
「マスターだからね」
ズサッと突然背後に現れた敵に刀を突き刺し、倒す。と夜姫がマスターに近づく敵を見つけ、叫んだ。
「月姫ちゃん!」
マスターがそれに気づき、敵の顎を足で蹴り上げた。それにたちまち敵はノックアウト。それを見て夜姫は「そういえば月姫ちゃんの周り、倒された敵だらけだ!」と気づき、マスターが突っ立ってても強いと思った。
そんなこんなで〈血狂骸身〉が終わった。




