日記壱頁目:遠い昔の遠い世界の始まりは
〔遠い世界で遠いある日、ある人間が言いました。
「神様を具現化しよう」
しかし、科学者の研究はその世界の破滅を呼び寄せました。
科学者が「神様」として神話や伝承を元に作ったのは「神様」と云う名を持つただの醜い化け物だったのです。そして科学者は何を血迷ったかその化け物を大量に生産する装置まで作ってしまったのです。そのおかげで世界は化け物に侵略され、命が失われていきました。科学者は既に世間に耐えられず自殺しており、国防の彼らでも手が負えないほどでした。そこで彼らは「神様」に祈りました。強く、強く。あの化け物を倒して下さい、と。
すると「神様」は彼らの願いを聞き入れました。そしてこう言ったのです。
「貴殿らに我らの別体、またの名を“荒神、貴殿らで云う式神を与えよう。“荒神”で化け物を倒すが良い」
彼らは喜び、「神様」に言われるがままに“荒神”を使役し始めました。何百、何千といる“荒神”を使役出来る者は最初限られていました。しかし次第にその数は増加し、それに伴うように化け物との戦争も増加していきました。
「神様」が言う“荒神”、彼らは「神様」の駒にすぎませんでした。化け物を見た「神様」が人間に借りを作るのも悪くないだろうと、祈りに答えただけだったのです。そしてその通り、“荒神”自身も分かっていました。作られた自分達は「神様」に邪魔者扱いされている単なる駒。誰でも良い、戦闘に明け暮れるこの“荒神”を愛してはくれないだろうか。
“荒神”達の願いは虚しく、ごく一部しか叶えられませんでした。
『歴史物語第九章より』 〕




