第陸陣:彼女達の連れ
「じゃあ、紹介するね!」
翌朝、元気な夜姫が自分達が使っている部屋で叫ぶ。酒盛りをしていた3人は二日酔いが奇跡と云うほどなく、マスター達の方で寝てしまった香も疾風と仲良く寝てしまったせいか三兄弟に朝からネタにされた。つまり、平和だ。
朝だと云うのに太陽すら顔を出さないがこれが日常だと云う。
紹介していなかった連れの方の自己紹介が始まった。
「はーい3人共ー!」
「それじゃあ、小生から行こうか。小生は如鶴。お嬢の部下じゃ。宜しくのぉ」
男性、如鶴は藤色のショートで髪飾りをしている。髪飾りには夜姫達と同じ花のアクセサリーが付いている。瞳は紫色。薄い黄色と薄い黄緑の童水干を着、黒の胴着を身につけている。黒く短いポンチョのようなものを羽織り、花のアクセサリーが付いた丈夫そうな革のベルトみたいなもので留めている。両手に手の半分だけが入る黒手袋をし、靴は見る限り、草履に見える。そしてその背後からは九本の尾と白い左だけの片翼がある。
「ボクは弥々丸と申します。夜姫様の部下です。宜しくお願い致します」
青年、弥々丸は焦げ茶のロングヘアーで所々に赤い色が入っている。瞳はオレンジ色…ぽい。顔に顔の上部分のみを隠す仮面をしているためだ。白のワイシャツに薄い赤めのネクタイをし、ネクタイには夜姫達と同じ花のアクセサリーが付いたピンをしている。上には少し薄い黒のジャケットを着、右腕の方には甲冑をつけている。下も少し薄い黒の長ズボンで腰回りには3つもベルトをつけていて全て交差している。ベルトに2つの武器がある。靴は黒の少しヒールが高い靴だ。
「最後はあたしだね!あたしはイノリ!夜姉様の部下!よっろしくぅー!」
少女…ゲフンゲフン失礼、少年のようだ、イノリは黄色の長髪でサイドに一つに結んでいる。結んでいる髪飾りは夜姫達と同じ花のアクセサリーが付いている。黒のタンクトップの上に脇腹の部分に穴が空いた肩出しで袖が少し短いウィングドスリーブになった白めの服で右手首には花のアクセサリーが付いたブレスレットをしている。下は薄い黄緑のショートパンツで裾にフリルが付いている。腰に2つの武器がある。首に小さなピンク色の球体が付いたネックレスをしている。靴は膝まである黒のハイヒールだ。
「オレは四季!万象 四季!宜しく!」
「僕は空雅 海。宜しく」
「……………六花 左眼丸……宜しく頼む」
「これで自己紹介は終わったな」
「ね…ところで質問いいかい?」
響が気になることを聞く。夜姫が「なになにー?」と身を乗り出している。
「君達ってなんの妖怪なんだい?」
「…兄さん…」
「響兄、聞くそれ?」
「えーオレも気になるー!」
「僕もかなー」
「………別に」
まさかの妖怪の種類が気になっていた模様。しかも全員、一応気になっているようだ。
「あはは。そんなに気になる?私は鵺って云う妖怪なんだよ!」
「俺は首無しって云う妖怪だが首は繋がってる方だ」
「がしゃどくろってヤツだぜ」
「あたしは鎌鼬!」
「ボクは天狗ですが少々眼が特殊でして…」
「小生は鶴と狐の混合妖怪じゃ。面白かろう?」
皆が言うと彼らは納得したようなしていないようなだった。四季と海が如鶴に近づき、モフモフの翼と尻尾を見つめ、ウズウズしている。それに気づいた如鶴がにっこりと笑って言う。
「良い良い。触りたいのなら触るが良い」
「!いいの!?」
「やったっ!えいっ」
許可を貰った2人がそれぞれ、翼と尻尾に飛び込むと如鶴は快く受け止めた。2人はモフモフの中で気持ち良さそうに顔を綻ばせる。それに如鶴も嬉しそうに笑う。
イノリがチョコチョコと左眼丸に心配そうに近づく。それに気づいた左眼丸がイノリと同じ高さになるように膝を付いた。
「大丈夫?」
「………………?」
「昨日、怪我してたでしょ?」
そう言ってイノリは心配そうに左眼丸の怪我していた右肩を触った。今は治っているので怪我はない。左眼丸は少し戸惑ったようにイノリの手を見ていたが彼の頭に手を置いて優しく、「大丈夫だ」と撫でた。それにイノリは大丈夫だと理解したようで手を引っ込めて安心したように笑った。
「なら良かった!」
「…………ありがとう…」
夜征が話している青藍と弥々丸に近づく。
「?どうした」
「いえ…彼は背が高いですねぇ」
「両親の遺伝です。この高身長のおかげで色々、役に立ってます」
「俺や夜征も高い方だが弥々丸はもっと高い」
「本当ですねぇ。私も初めて見た時は驚きました…隣、失礼します」
「どうぞ」
夜征が弥々丸の隣に腰を下ろす。やはり、背が高い。
「宜しくお願いします」
「こちらこそ」
夜征と弥々丸が挨拶を交わす。ちょうどその時、
「夜征兄、前座るよ」
「はいはい」
疾風が夜征の前にやって来てその前に座った。それを見て青藍と弥々丸が言う。
「仲良しだな」
「仲良しですね」
「そう?香ーこっち」
「おー疾風。なんだ?」
2人が仲良いなーと笑い合っていると今度は疾風が香を呼んだ。香が疾風の前にやって来る。と疾風が聞いた。
「香ってがしゃどくろなんだね」
「驚いたか?」
「まぁね」
2人がクスクスと笑い合う。それに夜征が微笑ましいようで笑う。それに弥々丸も微笑ましいようで笑った。
「月姫ちゃん!」
「ん?なんだい?」
「月姫ちゃん達はなんの妖怪なの?」
その問いに響は固まった。自分達は妖怪ではない。ある意味妖怪と云う類かもしれないが正確には分からない。
響がマスターがどう言うのかとマスターを見た。
「秘密だ」
「シーッ」とマスターが人差し指を口元に当て、言った。
「えー!?気になる!」
「マスターが言うんだから秘密だね」
「嗚呼そうだぞ響。秘密だ」
響とマスターが口元に人差し指を当てて「秘密」と笑い合う。夜姫がそんな2人を見て除け者のされたように感じたのか「うぅ〜」と唸ると2人に抱きついた。
「おっ」
「ちょっ!」
「2人共!混ぜて混ぜて!!」
暫く彼らは楽しく過ごしていた。




