第五十参陣:未知の光と真実への道
「おそらく、あの2人は“彼”と『災い』を知る者達だ」
次の異世界へ移動する準備が整い、全員がマスターを見守る中、マスターは冷静に告げた。それに驚く者はいない。彼らも直感的に感じ取っていた。マスターは本を開き、〈大罪楽園〉のページをなぞる。そこに書かれたのは人間と『神』の全面戦争、通称〈天国戦争〉と〈神の使徒〉についてくらいだった。此処の『災い』すら分からなかったのは今までなかったし、此処まで極端な情報しか手に入らないのもなかった。あの2人が影響しているのだろうと云う事は言わずもがな、予想出来た。
「それと…これはあまり関係ないかもしれないが…」
『?』
マスターが語尾を濁すので兄弟達は気になった。がマスターは告げる。
「四季が〈レイドクリーチャー〉の事を知っていた件だが多分、転生を遂げた夜征と疾風の友人の影響ではないかと思う」
「え?!夜征兄と疾風兄の?!」
「良かったね!!」
「………良いな」
マスターの言った件に四季が何故知っていたかと云う方よりも転生の方へ三兄弟によって話は転がった。次々に上の兄達に質問する三兄弟に夜征と疾風は快く答えて行くが響が一喝した。
「ほら、マスターの話はまだ終わってない。ちゃんと聞く」
それにピタッと会話を止めた兄弟達にマスターは目を丸くした後、可笑しそうに笑った。
「今まで転生者に会った事はなかったからな、その影響が2人を通じて四季に知り得ない情報を与えたのだろう」
「んーなんか凄いね」
「な…」
解決した話し合いに兄弟達は異世界へ行く前に少々、話に花を咲かせた。
さて、この様々な謎の事が起きた異世界から去る時が来た。
あの2人が言った意味は今だ不明だがもう少し…もう少しだと全員分かっていた。後、1ピース、1cm足りないのだ。
〈大罪楽園〉や〈bitcore〉もしかりだ。
マスターが移動を開始する。数々の文字や数列の光が空高く伸び、彼らを包み込んで行く。がそこからがいつもと違っていた。水色の文字、ではなく深緑色の光だった。
「っ!どうなって?!」
響が声を荒げる。これにはマスターも混乱した様子で口元に本をかざしている。どうするべきか悩んでいる様子でフードがチラチラ動いている。
混乱する彼らなどお構いなしに深緑色の光は彼らを包み込んだ。光が晴れるとそこには何もなかった。ただただ、瓦礫の山が広がるのみ。だがそこに深緑色の光の切れ端とも云えるほのかな光が残っていた。誰かの手がそれを掴もうとするがその光はその手から逃れるようにフッと消えてしまった。
「!…クソッ」
その手の主はあの2人のうちの無機質に物を言う方だった。一人はあまり変わらない表情を背後にいるもう一人に向けながら声は悔しさが滲んでいた。
「やられました。‘あそこ’が干渉するなんて…!」
「大丈夫だ…大丈夫」
悔しそうな一人を落ち着かせるもう一人。
2人の目的は、一体なんなのであろうか?




