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異世界戦争  作者: Riviy
第参部隊:反乱ト政府ノ作戦
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第二十捌陣:怪我人の仲間と双子との別れ

響達、兄弟は無事に再開を果たした。海と左眼丸が怪我を負い、瓦礫の衝撃で気を失っていると告げると四季がとても心配していた。マスターも気を失っており、兄弟達は混乱していたが響が「大丈夫」と鶴の一声と共に言うと落ち着きを取り戻した。四季は疾風と共に一応の応急処置を兄弟に施す。その間、響の応急処置は夜征が行うことになった。ちなみに政府側の者達は全員、牢屋に閉じ込め、動ける者は積極的に戦いの後始末に動いており、怪我人は治療だ。


「い、たたた」

「これくらい痛くないでしょう?」


夜征が響の左腕に反乱軍のナリールから受け取った白い包帯をきつめに巻く。それに響が痛がる。がフリなのか口は笑っている。響は何か考えているような表情をたまに見せている。夜征がぎゅーと包帯を締め付け、ポンッと叩く。


「いいですよ」

「ありがとう夜征」

「…………」

「?夜征?」

「兄さん」

「なにぃ?!」


響の驚く声が響く。響が頭を抑えている。夜征が彼の頭にチョップしたのだ。意外に痛かったらしい。

響は頭をさすりながら夜征を見ると彼はクスリと笑って言った。


「心配させた罰って事でいいです。疾風の白虎よりはマシでしょう?」


どうやら彼なりの励まし?のようだった。それに響は笑い、「ありがとう」と言った。2人して少し笑い合った。


「疾風兄疾風兄!」

「何、四季?」


疾風が四季の呼びかけに振り向くと彼は今にも泣き出しそうだった。それにギョッと疾風は驚き、困惑した。兄弟の手当てが終わり、2人は座っていた。

疾風は、ゆっくりとポン…と四季の頭に手を置き、撫でた。


「…疾風兄…海と左眼丸、大丈夫だよね?」


やっぱりか。四季は兄弟を心配し過ぎて泣き出しそうになったらしい。疾風は優しい声色で言う。


「大丈夫だよ。僕達の弟だよ?それにマスターから〈力〉貰ってるんだから大丈夫。こんな浅い傷なんだから」

「……うん、そうだよね。大丈夫だよね!」


四季が涙を拭き取り言う。それにうんと疾風は頷き、手をどける。早く、マスターと兄弟が目覚めますように…そう祈った。


**…


その頃、大物が逃げ込んだ10階では大捜索が行われていたがいないことは明白だった。だってその部屋に物が置かれていないのだから。


「くそッ!」

「落ち着けってぇー」


バンッと壁に握り拳を叩きつけるカルにゼイガが軽い口調で諭す。と彼は鬼の形相でゼイガを振り返った。それに床に座ろうと腰を下ろしていた彼はギョッと目を見開き、その体制で止まってしまった。


「山茶花を取り逃がしたんだぞ?政府側の最高責任者を!あいつを捕らえる事が出来たら世界は元の美しい姿へと戻るのに…!それにあの化物の弱点も…くそッ」


唇を噛みしめる。よほど悔しいのだろう。それはそのはず。今回の作戦の立案者はカルであったからだ。だが失敗は失敗だ。

ゼイガは床に腰を下ろして座ると羽織っていた学ランの裾を胸元に手繰り寄せ、学ランに包まった。


「…カルって…少し…短気だよな」

「あ"?」

「なんでもねぇ」


ゼイガが小さな声で呟いたのをカルが苛立った声で聞き返すがゼイガはなんでもないと返答する。


「あ!いたー!」


とそこへナリール、アリネ、デインがやって来た。ナリールはカルの不機嫌に気づく様子もなく彼に抱きつく。それをカルは慌てて受け止める。不機嫌は消えた模様。ナリールはカルを見上げ、笑う。


「カル!大丈夫?」

「嗚呼、怪我の事言ってんなら平気だぞ」

「違うよ!作戦失敗して落ち込んでないかなーって!」


それにギクリとした。落ち込んでいると云うよりは失敗して苛立っていると云う方が合っているが。


「作戦なんてぽんぽん成功することなんてないのよ。ねぇデイン」

「アリネと同じく」

「相変わらず、冷静な分析だこと」


アリネとデインが言ったことにゼイガがおちょくるように言うが2人には効果なし。逆にアリネは楽しそうに笑っており、2人は恋人繋ぎをしている。つまりはそういうこと。


「2人もそう言ってる事だし、ね?切り替え切り替え〜♪」

「………嗚呼、そうだな」

「そうそう!リーダーがそんなんじゃダメなんだよ!」

「はいはい分かってる、ナリール」


クスリと笑ってカルはナリールの額に軽く口付けを落とす。それにナリールはくすぐったそうに身を捩った。ナリールはカルから離れると彼の右腕に自らの左手を絡ませて手を繋いだ。こちらも恋人繋ぎ、察してください。

苛立ちがなくなったカルに場の雰囲気も軽くなる。とゼイガが何か思い出したかのように声を上げた。


「そういやぁ雷葉ライハ刃伊良ハイラは見つかったのか?」

「……いや、今だに見つからない」


デインが答えるとゼイガは「そうか」と明らかに落ち込み、学ランに顔をうずめた。


「ゼイガも物好きね。一時期、反乱軍こちら側にいただけの姉弟かれらを気遣うなんて」


アリネが淡々と嫌味ったらそく告げるとゼイガはニィと笑った。


「だって友達だからな、俺達全員、あいつらと」


それにアリネはしてやられたと顔を少々歪めた。雷葉ライハ刃伊良ハイラの姉弟は独立部隊、滅竜の共通の友人だった。数ヶ月前、突然姿をくらますまでは。ゼイガは特に姉弟と仲が良かったがために心配していた。


デインが決意したように固く閉ざしていた口を開いた。


「〈NGRLIネグリィ〉のことなんだが」


そのネタを口に出した途端、ゼイガの瞳の色が一瞬、憤怒に染まったのをそこにいる全員が感じ取った。ゼイガは憤怒に染まった瞳でデインを射抜く。


「うるせぇ…いいだろそんな、バカらしいこと」

「バカらしくはないんだ。俺達に関する事だ…カル達が連れて来た奴らと俺達が連れて来た奴ら、〈NGRLIネグリィ〉だと思う」


それに息を飲む音が静かに響く。


「確信はない。でも、こっちにどうにかして引き入れたい。それくらいの強さであり、脅威だ」

「無理だと思うよ」


唐突にナリールがデインの言葉を否定した。それにデインが怪訝そうに顔を歪ませる。彼と同じ意見なのかアリネも首を傾げている。


「あの子達の絆はきっとあたし達よりも強いし太い。それを形作り、支えているのはあのフードの子だよ。あたし達は仲間で友達だけど、あの子達は家族って表すのが一番合うほどしっくりくる…無理矢理にでも引き入れたらあたし達の方が崩壊する」


真剣な面持ちで告げるナリール。その考えに同意するようにカルとゼイガが頷く。それに納得させられたデインとアリネも頷いた。

マスター達の絆、それはきっと命が賭けられたとしても揺るがない。


「じゃ、行こう」


カルがこの話はおしまいと打ち切り、手を繋いだナリールを引っ張って出て行く。その次にデインがアリネと共に出て行く。一人残ったゼイガは窓から見える月を一瞥すると立ち上がる。


「………別れだって、知ってたんだ。お前達が何か隠してる事も全部、知ってた」


ゼイガは寂しそうに笑うと踵を返し、仲間に続いて出て行く。


「…さようなら」


寂しそうな彼の声が無機質な空間に響き渡った。

あとあと気づいたんですけど…マスターの性別まだ公表してなかった…!ちゃんと書きますよ!

あと多分…この小説にはコメディ?が足りないんですよ…笑う場面があまりない!

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