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異世界戦争  作者: Riviy
第参部隊:反乱ト政府ノ作戦
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第二十弍陣:彼らの任務

響は窓のないコンクリートの部屋で目を閉じ、何かを待っていた。他の兄弟達は響が何をしてるのか分からないようで戸惑っている。


「…響兄は、何してるの?」

「さぁ…私にはなんとも」


ようやくいつもの調子に戻った疾風が同じベッドのふちに座る夜征に問うが彼も分からないようで首を傾げる。

と、突然、響が瞳を開けた。


「来た」

「?響兄ー来たってなぁーに?」


四季がその言葉に問うと響は兄弟達を見回し、ニッと笑った。

このコンクリートの部屋に何時間もいた。窓がないので正確な時間も分からない。


「マスターの居場所は俺が分かるから、みんな集まって」

「響兄がマスターの居場所断言できるのはいいけどさ、どうやって出るの?」


海がそう問いながら他の兄弟と共にやってくる。マスターの居場所が分かり、断言出来る理由は響だからこそなので兄弟達は触れない。一番最初にマスターに救われ、〈力〉を貰ったのだ。他の兄弟が来るまでは2人だけだったので付き合いは一番長い方で互いに信頼しあっている。それゆえ分かるのだろう。

響は面白そうに笑うと海の頭を撫でた。夜征が疾風を支えながらこちらにやってくる。やはり、いつもの調子に戻ったからと言っても体はついて来ていないらしい。フラフラである。


「俺の〈力〉でね」

「「「「「?」」」」」


響が片目を瞑って言う。それに兄弟達は?だらけである。響の〈力〉は夜征、疾風と同じく他人を治す〈治癒能力〉だ。これはマスターから与えられた〈力〉。他にも〈力〉があるっちゃああるのだが今まで見たことがない兄弟達にとって未知の領域である。ちなみに疾風の白虎化も左眼丸のお札も〈力〉だ。


響は瞳を閉じ、息を吐きながら意識を集中させる。そしてバッと瞳を開ける。その瞳はたまに混ざって見える黄緑色一色に染まっていた。そして片手に刀を出現させると兄弟達を背後にやり、その刀を一撫でする。すると刀は響が触れた所から黄緑色の光を纏う。そして響はそれをコンクリートの壁に向かって一線した。ドガンッッ!!と音と土煙が舞いながら斬られたコンクリートの塊が外側へ落ちる。向こう側は外だった。暗い、夜のようだ。

響は刀を消し、満足そうに頷く。


「………響兄、今の、なんだ?」

「嗚呼、これ?」


正直言って他の兄弟達は驚きすぎて止まっていた。なので左眼丸が質問した事で我に返った。響は顔だけでこちらを振り返るとニッコリ笑って言う。


「俺の〈力〉の一つ。簡単に言っちゃえば斬撃能力を上げる〈力〉かな。ほら」



響は外へ出ながら兄弟達に手を差し出す。


「マスターが今動いてる。それを俺は分かったから来たと言った。だから、行くよ」


それに兄弟達は顔を見合わせるとニヤリと笑い、夜征が響の手を取った。そして全員はコンクリートの部屋から出てマスターの元へと向かった。


「?!め…メーデーメーデー!隔離者が逃げた!作戦の妨害の可能性大!注意せよ!」


コンクリートの部屋へと彼らに食事を持ってきた見張り番らしき人物が壁に空いた大きな穴を見て衛星電話で知らせた。その声を兄弟達は微かに聞こえていたが無視して走った。


「響兄!目的地は?!」


走りながら疾風が問う。とあまり体力がない方である左眼丸が遅れて来た。疾風は白虎になると左眼丸の服の首根っこを口で掴み、背に放り投げると彼が乗ったのを確認し、後を追いかけて走り出す。


「………ありがと」

「いいえ!」


2人が追いついたのを見計らって響は叫んだ。


「この異世界の中心部、世界管理センター」


彼らの目の前に月光に照らされて大きな数十階建てのタワービルが見えて来た。ネオンの光が暗い空間に輝く。あそこが世界管理センターだろう。響がそこまで分かるのは〈力〉を使ったからかそれとも……


「さあみんな」


響の真剣な声に兄弟全員が武器を出現させ、構える。左眼丸が疾風から降りる。


「行こう」


兄弟達はタワービルの下に集まる異様な姿の化物に目が行った。そこでは戦っている人々がいる。そこにマスターがいるとは限らないが彼らは駆けた。


「俺と海、左眼丸は一緒に中に行こう。他は化物を頼む!」

「承知しました!」

「了解!」

「お任せあれっ!」

「オッケー!」

「………応!」


兄弟達は二手に分かれてマスターを探しながら闘い始めた。マスターなら異世界で化物を倒すであろう…いや倒す。情報が不足している中でも彼らは駆けた。マスターがこうするだろうと云う考えと自らの思いと共に。


「とりあえず、見捨てるのはイヤだよ、ねっ!」


四季が化物に大鎌を振り回し、それに同意するように兄2人が化物を倒す。先程から化物と戦っていた人々は救世主だと喜んだ。


一方、建物内に入った3人は警戒しながら進んだ。だが大体は此処の警備員であろう人々が化物の相手をしており、味方だとでも言うように「行け!」と叫ぶ。3人は戸惑いながらも彼らに感謝しつつ、上へとマスターを探して登って行った。

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