第拾玖陣:訪れた場所
「悪りぃな坊主。俺達が政府の言いなりになってるばっかりに…」
「いえ、貴方達のせいではありません。悪いのは…政府だ。俺達なんて眼中に無い。俺達はただの反発する要らない人形…俺達が必ず、変えてみせる」
「俺達も期待しているよ。政府に家族を人質にされた俺達は政府に従うしか方法がない…力になれることならなんでもしよう。此処では坊主達の味方の方が多い」
「ありがとうございます」
そう言って目の前から遠ざかって行く中年の男性。
「人の命を弄ぶとは…」そう其処にいる人物は思った。
政府が世界中を牛耳って何年経っただろうか?世界はすでに壊れ始めている。政府によって全てが禁止された世の中に俺達の本来の姿などありはしない。だから、政府から取り戻すんだ。元の美しい姿を。
「しかし…あの化物、厄介だなぁ」
そう人物は呟き、そして薄っすらと笑う。もう少しで、世界は解放される…と希望を胸に抱いて。
**…
真っ暗な、闇が広がる空にポツリと浮かぶ月。それを眺めながら歩いていた少女はふと向けた道の先に倒れている人影を見つけて慌てて駆け寄った。
「大丈夫?!」
人影の一つを揺さぶるが反応がない。いや、あった。息は全員あるようだった。少女は服のポケットから何かを取り出すとそれを操作し、叫んだ。
「怪我人が6名!至急応援求む!」
ジジジ…と何かから雑音がし、【了解】と声が聞こえた。と少女の近くに倒れている人影が微かに動いたが、小さく何かを呟き、また気を失った。
この章が一段落したら番外編やろうと思います!




