第拾捌陣:届かない別れと届きはしない手
「“彼”…ですが。“彼”ってあの方ですがね、世界を創った創造主であるお方ですが。魅弧が聞いた話では“彼”は体の一部がないそうですが」
「えぇ〜?ワシが聞いた話では“彼”は目が見えへんらしいで?」
「俺はこの2人の両方を聞いた事あるな。それがどうした?」
「ん〜なんでもないよー」
四季が言い、疾風が「ありがとう」と頭を下げる。此処では“彼”の認識、真実が合っていた!が所々違うらしい。
「さて、私達はそろそろ行くよ」
「悪かったな」
「いや、いいよ」
マスターが笑い、ナイトメアと握手をかわす。そして両者は別れた。
マスター達は最初に此処へ来た場所へと警戒態勢で戻り、速急に移動の準備をした。その間にマスターは怪我をした兄弟達を治していた。
**…
「なんか、いい人達だったですがね」
「嗚呼、そうだな」
「なんやぁナイトメア。反省しとんのかぁ?」
「ディディアは黙るですが!ナイトメア様になんて事を!!」
「いいんだ、魅弧。俺は」
ニッコリと笑うナイトメアに魅弧は口を閉ざす。ニイとディディアが再び目隠しをした顔で笑うとナイトメアと魅弧の肩を自身の腕で引っ張った。
「まっ、これからもよろしゅうって事で解決にしましょ!」
「…だな」
「ディディアは能天気すぎるですが!!」
「なんやてぇ?!」
ディディアと魅弧が言い争いをするのを以前よりも感情豊かになったナイトメアが微笑ましそうに見ていた。背後の足音も気づかずに。
**…
「決定。戦場は異世界、〈bitcore〉!」
そうマスターが兄弟達が作った円の中で叫び、彼らを光が包もうとしたその一瞬だった。
「!!!」
浮かれていたのかもしれない。“彼”の情報が手に入って。
油断してたのかもしれない。操った人物が分からなかったから。
だからなのかな。マスターが今、目の前で、怪我を負ったのは。
「!!マスター!!」
弾け飛ぶ、微かなマスターのフードの破片。マスターがいる場所に突如現れた影。その影はマスターが怪我を負い、移動の最中に攻撃されたと云う二重の意味で混乱している彼らに目もくれず響だけを見据えて言った。
「これは、届かない君への罰になるだろう」
そしてマスター達は光に包まれて、異世界へと移動した。




