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異世界戦争  作者: Riviy
第弐部隊:戦争ノ灯火
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第拾参陣:固い絆と揺らめく炎

彼らは廃墟ビルから遠く離れた別の廃墟ビルに身を隠していた。疾風から響が降り、マスターが降りた時だった。


「何故、あんな事をしたんだ」

「…兄さん?」


突然、響が低い声でマスターに問った。夜征が心配して彼を覗き込む。がすぐさま離れた。響の顔には静かな怒りが宿っていたから。


「あんな事って?」

「気づいてるだろ?!なんで、なんで俺達が危ないと言っているのに前に出続けた?!」


響が叫ぶ。それにマスターは静かに答える。


「お前達を守るためだ」

「俺達を守る?それは俺達の役目だよ。マスターが消えれば俺達はどうなるか分からない。マスターはそれでもいいの?」

「それは常々承知している」

「だったら!!「でもな」」


マスターは響に近づき、優しい声色で言う。


「私は私のやり方でみんなを、お前達を守りたい。お前達が私にしてくれるように。それに、ただ守られてるだけってのは私の性分に合わないんでな」


クスッとマスターが笑って言う。それに響は怒りが吹っ飛んだのかそれとも呆れたのか「ハァ…」と大きくため息を付くとマスターの頭を撫でた。


「もう…これだからマスターは放って置けないし……着いて行きたくなるんだから」

「頼りにしてるよ、響」

「はいはい、一番最初に忠誠誓ったからには君が死ぬか俺が死ぬまで力になるよ、マスター」


ニッコリと喧嘩?が終わった2人が笑い合う。それが羨ましくなったのか四季と海が同時に2人に抱きついた。


「ちょっ、四季!海!」

「響兄ばっかマスターにかまってズルイ!」

「あ、そっち?!でも僕もズルイと思う!」


どうやらかまって欲しい模様。2人は顔を見合わせ、クスクスと笑うとこの出来事に呆然としている(ただ単にタイミングを伺っているのかもしれないが)3人に「おいで」と手招きをした。


「えい!」


一番最初に疾風が飛び込んで来た。その次に左眼丸がそそくさとやって来る。最後に残った夜征は少々恥ずかしそうにしながらもやって来た。そしてみんなでぎゅーと抱きしめ合い、笑い合った。

結論、可愛い仲良し。


**…


パキパキ…と目の前で古い小枝を燃やす炎の音がする。今夜はこの廃墟ビルで寝ることになった。彼らがいる場所の天井にはポッカリと大きな穴が空いており、真っ暗闇に星と下弦の月が輝いている。


「マスター?」


夜征に呼ばれてマスターは我に返った。さっきまで食い入るように月を見ていた。そんなマスターが夜征は心配になったのだ。


「どうした夜征」

「いえ…マスターが兄さんと喧嘩する所なんて初めて見ました」

「そうか?」

「はい」


そう言って可笑しそうに笑う夜征。今はマスターと夜征以外、全員寝ている。もうそろそろしたら交代の時間だ。


「マスターは兄さんと何処で出会ったんですか?兄さんに聞いても話してくれないんです」


それにマスターは一瞬、寝ている響を横目で見た後、両膝を胸に抱きかかえ、さみしそうな、昔を思い出すかのように言う。


「戦場だよ。酷い有様だった…」


マスターの表情に夜征は聞いたらいけないことを聞いたかと思い、謝罪した。


「すみません。私が無神経で」

「いいんだよ、夜征のせいじゃない…じゃあこう云う事にしないか?」


マスターが笑って夜征を見る。夜征はなんだろうと首を傾げる。


「私は響との出会い場所を言った。だから今度は夜征が私に楽しかった思い出を話しておくれ」

「えっ」


それに夜征の顔がこわばる。前世、過去を思い出すまいとしているような、怯えているようだった。それにマスターは優しく笑いかける。


「前世を話すことで少しでも気は楽になる。お前達の事はよく知っているつもりだが聞いておいて損はないだろう?」

「……そ、ですね。気が少しでも楽になるのなら…」


マスターの意見に夜征は納得したようで自身に暗示をかけるように胸の服を握り締める。その手に汗が滲み、マスターは心配そうに告げる。


「無理はしなくて良いぞ?」

「大丈夫、です。私はこの前世きおくから、脱しないといけないのです。ケジメを付けると云う意味でもお話しさせてください」

「夜征がそういうならそうしよう」

「ありがとうございます」


マスターが後ろの壁に背を預け、夜征の話を待つ。夜征は二、三回深呼吸をして、ケジメを付けるべき前世の思い出へと心を馳せた。


**…


「本当に、これでいいのですが?ナイトメア様」

「そうやで。あんな奴に惑わされる事はないんやで?」

「黙れ」

「「?!」」


暗闇の中、ナイトメアの桃色の瞳がディディアと魅弧を見据える。その瞳に宿る何かが2人に恐怖を植え付ける。


「いい…これでいいんだ。第七戒隊は…俺は自然中間軍民ナチュラルドロイドを手に入れることができる…そうすれば…俺は勝てる…そう、頂点に立てるんだっ!」


そこにいるのは、隊長なのか?隊長ではない気がしてならない。隊長はこんな事は言わない。隊長はいつも、共存を求めてた。共存をどうにかしようと自然中間軍民ナチュラルドロイドを勧誘していた。なのに……此処にいるのは誰?隊長じゃない。


「魅弧…」

「分かってるですが…」


2人は後退りする。少しずつ、ゆっくりと。隊長ではない誰かから逃げるように。

だが


「逃がさないよ?」

「「?!」」


背後から2人の肩を掴む手があった。その手に2人が驚いて振り向いた瞬間、2人の心に迷いはなくなった。2人はナイトメアの前まで歩み寄り、こうべを垂れた。それにナイトメアはニィ…と愉快げに嗤う。桃色の瞳が細く歪められる。


「分かってるな、俺の両腕よ」

「「御意」」

「さあ……俺を頂点に連れて行け」


3人は誰かによって深い、深い欲望に呑まれて行く。悪夢ナイトメアに…


ズ…と桃色の瞳と見えない瞳と琥珀色の瞳に紅い色が染み込んだ。

夜征の過去編はまだ先なのでまだ書きません!過去編ちゃんと用意してるんですよ!早く過去編書きたい!兄弟全員分!

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