第八十漆陣:きづいた
今日は2つ投稿します!
響達(宗近達含む)が目を覚ますとそこは見知らぬ場所だった。此処は何処かと見知らぬ場所、大きな屋敷(造りからして武家屋敷…?)の主に問えばその者は自分達を心配そうに見つめ、答えた。
「此処は、〈白菊〉と呼ばれる地、国です。他にも数個ほど国があります。俺達は此処で日々、鍛錬と修行を積んでいます」
何故、修行をしているのかと問えば、大きな屋敷の主の隣に座った小柄な少女が答えた。
「この世界には地中深くに蔓延った瘴気と呼ばれるものがあるの。それが地上に出ると化学反応を起こし、異形な姿へと変化する…あたしらは〈毒忌子〉と呼んでる。それらはあたしらに害を成す。あたしらはそれらと戦ってる…ずっと」
「でも近頃、瘴気がなくなって来たって話もあるけどなー」
少女の反対側に座る少年が付けたしのように呟いた。それに少女がムッとした表情をする。
「邪魔しないでよぉー!」
「だぁーれが邪魔なんかした?」
屋敷の主を挟んで言い合いを始める少女と少年。と言っても少年は少女をからかっているようにしか見えないが。その言い合いに屋敷の主は苦笑い、三兄弟と宗近が笑いを堪えている。
「なぁーによぉ名前に薬入ってる薬物中毒者が!」
「んだと?!てか薬物中毒じゃねぇ!お前だって名前に花が入ってる花依存だろぉが!」
「なんですってぇ?!」
「あ"あ"?!」
言い合いはヒートアップして行き、2人は怪我人がいる目の前で立ち上がり、口喧嘩を超えた喧嘩を始めようとしていた。
「やめなって」
間に挟まれた屋敷の主が困惑した表情で立ち上がった2人に言うが2人は目もくれない。ついに三兄弟と宗近の笑いが吹っ切れた。大声で笑い出した。それを疾風と長光が止めるが口喧嘩をする彼らは止まらない。
そんな中、響は一人考えていた。此処は前に夕月夜が創った異世界か…それとも十六夜が止めて生き残った異世界か…いや、というか‘滅亡’と‘創造’はどうなった?十六夜が止めれたの?〈想いの荒地〉から飛ばされた俺達には、何一つ分からない事だらけだ。
「やめなさいっ!」
「「痛っ」」
と少女と少年の頭にゲンコツが落ちた。2人は頭を痛そうに抱えながら呆れ顔で2人を見やる。
「目の前に怪我人がいるのに喧嘩するな」
「ありがとう。さて…お前達は何処から…?」
その問いに全員が口ごもる。誰も信じやしないだろう。異世界から来たなんて。
その全員の考えを見抜いたのかどうかは知らないが屋敷の主はにっこりと笑って言った。
「言いたくないのなら言わなくて結構です…此処には問題児がいっぱいいるんで落ち着くまでいて良いですよ」
「問題児…ある意味合ってるけど」
苦笑いするゲンコツを落とした青年。響達は申し訳ないと思いながらもその好意に甘えることにした。
自分達は、何も知らないから。
彼らが出て行った後、元敵であった同士達が少しずつ交流を始める中、響は呟いた。
「………俺は何も知らなすぎたのかな……」
貴女を待つ間、時間はたっぷりある。知らなかった事を知ろう。
響はそう思い、一番近くにいた宗近と五月雨に声をかけた。
「あのさ」




