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異世界戦争  作者: Riviy
第弐部隊:戦争ノ灯火
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第拾陣:生存戦争

「行けぇええ!!!」

「偽善者を狩れっ!!」

「我らの共存のために!!」


あちらこちらで雄叫びが聞こえる。敵を殺せと、狩れと、戦場に響き渡る。土煙が舞う、荒れた戦場に溢れる人間、魔族、人間、魔族、人間、魔族、人間…地上軍と地下軍の生存戦争。

倒れる仲間、倒れる敵。倒し歓喜する仲間、敵。入り混じる人間と魔族の血と破片。嗚呼、これが地獄か。


「ナイトメア様」

「どうした」


戦場を眺めていたら部下が目の前にやって来て、こうべを垂れた。


「隠密隊からの情報です。地上軍・人守ひとかみに援軍が加わりました」

「数は」

「およそ100かと」

「後ろに控えている交代部隊を援軍の対処に向かわせろ。そこの指揮はあの若造に任せる。若造にはケイラを付けさせろ。そう伝達しろ」

「ハッ!」


部下が素早い動きで伝達へと走る。近くにいる部下に目配せし、言う。


「ディディア、魅弧みこは一緒に来い。他の者は敵に突撃」

「「ハッ!」」

『『『御意』』』


崖から飛び降り、集まって来た敵を武器で吹っ飛ばす。


「さあ、我らが生命を見せつけろ」


**…


異世界、〈ドリーミーワールド〉にやって来たマスター達は近くの廃墟ビルに隠れていた。着いた途端に銃声と剣の音に雄叫びだ。危ない時期と場所に来てしまったと云うことは誰でも分かった。


「マスター、此処のせk…じゃなかった異世界どうなってるの?!」

「慌てるな四季。今、ページを…」


廊下の角から外を除く夜征の後ろで四季がマスターに言う。マスターは〈ドリーミーワールド〉のページを開こうと本の表紙に手をかける。その近くには既に武器の準備をした海とお札の準備をした左眼丸、そしてマスターの横に座る疾風と壁に背を預けて立っている響がいる。


「嗚呼、あった。すぐ読むから待っt「伏せてくださいっ!!」?!」


夜征が突然叫んだ。それに従い、彼らが困惑した状態で伏せた瞬間、ドッッカーーーン!!!!と云う大きな地響きと共に土煙とコンクリートの破片、突風が彼らを襲う。

暫くして、土煙が僅かながら晴れる。


「げほげほっ…みんな、無事?」


響が服の袖で口元を覆い、咳き込みながら聞く。今だ土煙が視界を支配する中、マスターと兄弟達の無事の声が響く。


「夜征、何が見えた…と云うか何があった?」

「はい。多人数が武器を持っているのが見え、私達がいる場所とは違う方向に敵がいたらしく爆弾…でしょうか?球体のような物を投げたんです…それでとっさに…」

「うむ…爆弾、か。もしかすると魔法と云う事もあるがこの威力からして爆弾だろう。助かったぞ、夜征」


マスターが笑って言うと夜征は軽く頭を下げた。完全に土煙が晴れ、全員が無傷である事を確認する。そして近くに敵らしき人物(例えば先程、夜征が言ったような多人数)がいないのを確認し、マスターは〈ドリーミーワールド〉の情報を説明し始めた。


「〈ドリーミーワールド〉は人間と魔族が共存している。が数十年前、『災い』の影響が出始めた。此処の『災い』は自然災害。自然災害が立て続けに起きた結果、人間と魔族は地上から地下へと命からがら逃げ延びた。自然災害に対抗すべく地下へ逃げ延びた人間と魔族はそこで治まりつつある『災い』に対抗するすべを編み出す。しかし、ボロボロに廃れた地上、『災い』の影響が弱まったそこで人間と魔族の共存に反対する少数の者達が地下でのこのこと共存している平和の偽善者を抹殺しろと武器を手に地上へと出てきた人間と魔族を狩り始めた。地下へと大勢が逃げていたため地上の者達は残った遺産を使い、強大な武器や兵器を作り出し、地下の者達を追い詰めて行った。が地下の者達は力を合わせて地上の者達を圧倒した。かくして人間と魔族の平和な共存を望む地下軍と共存を反対する地上の人間軍、地上の魔族軍の生存戦争が始まった」


その情報に海が顎に手を当て、思った事を口にした。


「じゃあ、僕らは地上軍と地下軍両方を相手にしつつ、“彼”の事を聞かないといけないね」

「まあ、そうだね…地上軍は無理そうだけど。地下軍は良好なのに地上軍は良好じゃないし」

「疾風兄の言う通りだね!」


海と疾風の意見に四季が同意する。


「今回は戦争中だ。だから話が出来そうな地下軍にのみ接近しようと思う。反対意見はあるか?」


マスターが彼らを見回し、意見を仰ぐ。と響が小さく手を挙げた。


「はい、響」

「いけたら地上軍にも接近しよう。“彼”の情報は多い方が良いだろう?マスター」


彼の意見にマスターが「それもそうだな」と頷く。左眼丸が言う。


「………危険は…あまり、起こしたくない」

「そうですね左眼丸。マスター、私も左眼丸に賛同です」


弟の意見に夜征が賛同する。そして心配そうな顔をしていた彼の頭を優しく「大丈夫」だと撫でる。


「……とりあえず主な接近は地下軍のみだ。地上軍は機会があったらにしよう。響、お前の意見には私も賛成だ。もちろん、夜征と左眼丸の意見には私も賛成だ。だが“彼”の情報よりも私はお前達の、愛しいお前達の命の方が大切だ。それをよく分かっておくれ」


マスターが彼らを見て微笑む。彼らはマスターが自分達を大切にしてくれていると知って嬉しかった。自分達はあくまでマスターの〈武器〉。そして仲間だ。ボロボロで、今にも消えそうだった自分達を救い、暖かく受け入れてくれた。自分達もそんなマスターを失いたくない。

彼らはこそばゆそうに笑みを漏らした。


「さすがマスター、と言うところだね」

「本当…君にはかないませんね」

「むぅ…嬉しいけど恥ずかしい」

「分かったよ!もうっ!」

「なんか納得せざるを得ない…」

「…………ありがとう……」

「ふふふ。私の性格は知っているだろうに。私は身内には甘いんだよ」


暫く、彼らに笑顔が咲いた。此処が戦場だと云う事を忘れて。

だが次の瞬間、それは


「おぉい、なんとも微笑ましい光景じゃねぇか」

「けど、そんなのすぐ消えんに決まってんだろぉ」


引き裂かれた。

彼らは声のした方を見た。そこにいたのは耳が尖っていたり、片腕が異様に獣化したりした何十人もの魔族であった。中には完全に魔物だろと云うものも何人かいる。外にさらされている肌には皆お揃いの刺青があった。狼の牙のような刺青ですぐさま彼らは地上の魔族軍だと悟った。マスターは地上の魔族軍に見られぬように本を懐にしまう。彼らは立ち上がり、体の一部に隠しながら武器を出現させる。


「見る限り、人間だな。殺そうぜ」

「嗚呼、殺そう。人間は要らねぇ」


地上の魔族軍が武器を手にする。


「お前達、気を付けろ。相手は魔族だ。しかも地上の。此処は戦場、生きるか死ぬか…だから、手加減はなしだ」


マスターがいつもよりも緊張した声で小さく言う。それに彼らは小さく頷く。

大丈夫、これでも闘いに手加減はいつも一切していない。今までも、これからも。


「我ら地上軍・魔天まぞらの生存の礎になれっ!」

「私の子達を甘く見てもらっちゃ困るな。行けっ!」


敵のリーダーらしき魔族とマスターが指示を出す。雄叫びを上げながら敵が迫る。

夜征が右腕をバッと振ると彼の背後に様々な武器が出現し、敵に刃を向ける。疾風が粒子に包まれ、白虎と化す。左眼丸が手前にバッとお札を空中に並べる。準備は満タン。いつでも来い。彼らは敵が自分達の攻撃範囲に入ったところを見計らって大きく跳躍した。マスターも大きく跳躍した。

過去編書きたい…いつ書こうかな?!

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