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異世界戦争  作者: Riviy
第捌部隊:滅亡ト創造ノ子供達
112/126

第七十捌陣:三刃ト雨ノ壁

四季&海&左眼丸 VS 五月雨&真守



所々で刃物同士が交差する音が響く。三兄弟は一度刃を交差させた後、様子を見るため後退した。


「………ハハッ。また闘うなんて…なんと言う事ですかね…?」


五月雨がクスリとベールを揺らしながら笑う。それが四季と海には自分達を嘲笑っているかのように見えてイライラが募った。左眼丸がそれに落ち着けと手を振る。


「………駄目だぞ」

「……分かってますよ、ホント、真面目ですね……褒めてるから」

「…ん」


真守が五月雨に言うとそう返って来た。少々ムッとした表情の五月雨が真守を見上げる。すると真守が軽く頭を下げて言う。


「……改めて…真守…手加減は、しない」

「オレも言うんでしょう?…五月雨です、勝たせて貰います」


二っと笑う2人。勝つ気しかないのはこちらもだ。


「万象 四季。勝つのはオレ達だよ」

「空雅 海。沈めてやるからな」

「…六花 左眼丸。敗北はない」


両者、再び武器を構えてにらみ合う。パチンッと三兄弟がハイタッチをかわす。それが合図となって四季と左眼丸が飛び出した。その途端、2人の背後から援護するように海の乱れ撃ちが飛ぶ。それらを武器で防ぎながら五月雨と真守は四季と左眼丸の攻撃を紙一重で防いだ。紙一重で防がれた攻撃を2人は弾く。後退した2人に四季が攻撃を加え、海が左眼丸と交代するように跳躍する。


「…!〈塀雨へいう〉!」

「っ!」


五月雨が何かに気づき、〈力〉を使う。やはり、“彼”から〈力〉を与えられていたかと云う思考を頭の片隅に追いやって海がマシンガンを取り出す。五月雨の前に雨が降り、彼を守るように塀を作る。そこに海がマシンガンを乱射した。真守が五月雨の方へ向かおうとするのを


「行かせないよ?」

「…っ!」


四季が大鎌で塞ぐ。ギィンと大鎌と刀が交差する。2人は何度も何度も切りかかっては弾くを繰り返す。その間、五月雨は海からの銃撃を防ぐと大きく跳躍し、海へ迫り刀を振った。こちらもギィンと音がしてマシンガンと刀が交差する。両者ともに押し合いになる。


「アレ?」

「忘れた?」

「「?…」」


ニィと悪戯っ子のように笑った四季と海。それに真守が後退したはずの左眼丸を視線だけで探す。と見つけたがそれを遮るように四季が大鎌を振る。その先にいたのは


「「左眼丸!!」」


銀色の大量の文字列に囲まれた左眼丸。銀色の文字列の光が反射して左眼丸の顔が不気味に光る。左眼丸が俯いていた顔を上げ、薙刀を垂直に持つ。


「くっ」


バンッ!と海が撃った銃弾が五月雨の頬をかする。五月雨が上へ飛び、左眼丸に攻撃しようと刀を振り下ろした。

左眼丸はそれを見て、ニヤリと笑った。


「遅い」

「?!五月雨!」

「〈黒檀雷鬼こくたんらいき〉」


バチバチ!左眼丸を囲んでいた文字列が黒く変色し、黒い雷と化す。それは左眼丸の周りでバチバチと音を立てると目の前に迫っていた五月雨に向かって放たれた。五月雨は黒い雷に包まれた。刀で振り払おうにもそれは無理である。黒い雷は鬼の強い一撃如く、五月雨を締め上げた。


「っっっ!!」

「!」


ブンッと振られた四季の大鎌を左肩に受けながら五月雨の方へ向かう真守。真守は雷に打たれ、所々から黒い煙を上げる五月雨を自らの方へ寄りかかるようにして引き寄せる。そこに海の乱れ撃ちと左眼丸の薙刀が迫る。それをスゥ…と見つめ、真守が言う。


「……〈扉絵とびらえ〉」


目前に迫った2つの攻撃を彼が振った刀から出た大きな障子が防ぐとその障子に書かれた絵がニョキッと抜け出した。その絵は大きな椿。それを左眼丸が薙刀で切ると飛び散った破片が彼を襲う。と真守が突然、何かの気配を察して頭上を見ると四季が大鎌を振り下ろしていた。それを五月雨を抱えて後退し、避けると同時にまだ障子の前にいる左眼丸に追撃を加える。


「!海!左眼丸!」


四季が気づいて叫ぶ。そこに着地する四季に痺れる体を動かして五月雨が一線するがまだ痺れるためにすぐさま真守の元に後退した。


「……舐めるな…〈椿扉絵ツバキとびらえ〉」


バタンッ!と障子が開き、大きな椿が左眼丸を包んだ。砂煙が舞う。四季が素早く真守と五月雨に大鎌を振った。ガキンッと2人によって防がれる。バンッ!と砂煙の中から海の銃弾が一つ、真守の右脇腹をかする。


「っ……なんで」

「ん?」


真守は不思議だった。なんで、


「…仲間の元に行かない?」


四季はクスリと笑った。そして、答えはすぐにわかった。五月雨がハッとしたように四季の大鎌を振り払おうとするが真守の刀も大鎌は巻き込んでいるため動かない。


「!真守!」

「?!」


2人の驚愕した視線の先。四季は分かっているから見ない。そこには


「〈鎮魂歌レクイエム〉」


十字架の結界によって守られた海と左眼丸がいたから。海が掲げる右手から十字架の結界が出ている。左眼丸は少々傷を負い、海も彼を庇うために少々傷を負ったようだった。2人は消えていく結界とその向こうに見える2人と四季を見て武器を構える。


「なんで行かないのかって言ってたよね?理由は、兄弟だからだ」

「?!」


四季がバッと2人を振り払うと〈力〉を使う。


「〈刀華とうか〉」


四季の大鎌に色とりどりの花が舞う。それをバッと振り回すと花が刃となり、大鎌とともに2人を傷つける。それをかわし避けつつ、2人は四季に刀を振る。頬と右足に一線。しかし、真守と五月雨も細かい傷は負っている。四季が後退し、海と左眼丸の元へ。再び、彼らは武器を構える。


「…聞いて良いか?」


左眼丸がそう呟く。呟きながら片手に大量のお札を出現させる。

左眼丸が真守と五月雨が何も言わないのを肯定と受け取り、聞く。


「夕月夜に、助けられたと…しよう……何故、‘滅亡’を選ぶ…?」

「…………………」


それに五月雨が答えた。


「…我が恩人に、お前達と同じように忠誠を誓いました。‘真実’はこれです」


その答えに左眼丸は納得したように小さく笑った。そして三兄弟はパチンッと手を合わせ、〈力〉と意志と、繋がりを確かめ合う。

三兄弟ぼくらは同時に死に、同時に目覚めた。他の誰にも邪魔されない強き兄弟の糸を結びしマスターの〈武器〉


パチッと真守と五月雨も控えめに手を合わせる。


「行きますよ、まもる

「嗚呼、皐月さつき


夕月夜、“彼”に救われたこの命。この恩は、返す


「行くよ、兄弟?」

「任せな兄弟」

「加減なしだ」


両者再び、大きく跳躍し、刃を交差させた。

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