第七十漆陣:開戦
9月ですよもう…もう…
自己紹介、と言ったお面の人、“彼”にマスター達の顔が強張る。いや、挨拶は大事だけれども今なんだ…そう思ったのは疾風だけでないと信じたい。
はてさて、闘った彼らの正体は?
「君にそう言われたらするしかないよねー」
「俺はお前が心配だけどな、なんかミスりそうで」
「それは……失礼ながらオレも同意します…」
「……私も…」
「なっ?!むー!3人共酷い!」
響にそっくりな青年が他の3人の青年達に怒る。その光景に響は「似てる人があんな顔してるだけなのに自分がやってる感覚に陥る」と思ったとかなんとか。こんな状況なのに楽しそうに笑う青年達に四季と海がイラっとしたのを左眼丸がどうどうと宥めていた。
「早よ」
「うっ」
“彼”に促され、ようやっとやる気になったらしい。
片目の青年が刀を構えて、ちょっと恥ずかしそうにマスター達に頭を下げて言った。
「………真守」
真守と名乗った青年はクリーム色のショートでオールバック。左目を前髪で隠している。見え隠れする左目と右目は琥珀色。両手に黒の手袋をしている。服は白のジャケットに中に黒の短めのシャツを着(そのため腹が少し出ている)、腰のベルトからは薄いベールが垂れており、下は紺色の長ズボンで茶色の少しヒールの高いニーハイブーツだ。
その次に言ったのはその隣にいる無表情な青年だった。
「五月雨と申します……本名?お前達に言う資格はないですねぇ……?」
五月雨と名乗った青年は蒼のショートで左のこめかみだけが異様に長く、その先を赤い紐で結んでいる。紫色の瞳。左のこめかみ付近の前髪に同じ赤のヘアピンをしている。顔の下半分を隠すベールをし、服は青紫色のロングコートに中には赤のリボンと金色風味の格子のような模様がついている。左肩に甲冑をし、薄目の白の長ズボンで右足の中間辺りにリングをしており黒のヒールが高いニーハイブーツだ。
薙刀を持った長髪の青年が隣の響にそっくりな青年を心配そうに見て言った。
「俺は長光」
長光と名乗った青年は薄い灰色のロングヘアーで首根っこ辺りで一結びにしており、瞳は黄色。髪留めは雪の結晶を模したもので服は深緑色の軍服と水干が合わさったようなもので両手に白手袋をはめ、その上に手甲を重ねている。靴はこげ茶のピンヒール(といってもヒールは低め)だ。
響にそっくりな青年が笑って言った。
「僕は宗近!宜しく?」
宗近と名乗った青年は闇夜を連想させる深い碧のショートで右のこめかみだけが長く、赤い紐と黄色の水晶をかたどった髪留めで結んでおり、瞳は水色。左手のみに黒の手袋をしている。服は深い青と金の糸を使った狩衣。靴はサンダルに近いものだ。
自己紹介が終わった青年達。“彼”が黒い狐のお面に手を当て、挑戦的にマスター達を見据えて言う。
「改めてまして。私…いや、俺は君達が“彼”と呼ぶ創造主、夕月夜。名前は初めて知ったか?」
「…夕月夜…」
マスターは“彼”の名前を舌の上で噛みしめるように転がす。初めて知った“彼”の名前は、妙に自分の心にストンと落ちて来た。
夕月夜は黄色のポニーテールで黒い狐のお面をし、両耳に紺色のピアスをしている。服は黒の着物の上で袖には黄色、黄緑色、青色、灰色で描かれた梅や楓、菫、椿、睡蓮が散りばめられている。下は足にフィットした黒の長ズボンで黒のニーハイブーツ(ヒール高め)。
「止めれるのは‘あいつ’だけ……さぁ、愛しい我が子達よ…我が‘真実’のために力を貸してくれ」
夕月夜が大太刀を持っていない方の腕を振ると宗近達は軽く頭を下げた。
響は胸に何かが引っかかった気がした。が放置した。
「任せてよ?ね、なっちゃん、さっちゃん、まっちゃん」
「嗚呼、此処で恩返しを」
「……精一杯、努めさせていただきます…」
「……私も…えぇっと…頑張る」
力強い言葉で彼らは返す。それに負けぬようにマスターは声を張り上げ、兄弟達を鼓舞した。
「頼むぞ!私の愛しい子達!」
それに兄弟達も力強い言葉を返す。
「任せといてよマスター」
「お任せください」
「期待に答えるから」
「了解!頑張るからね!」
「胸張ってていいから!」
「………この力の限り」
両者、相手を睨み、足に力を貯める。そして、大きく跳躍した。
さあ、滅亡と創造をかけた闘いを!
‘真実’と異世界を、求めて!
次からバトルです!




