日記**頁目
その後の情報管理局は、混乱していた。役員の大半は使役者の様子を見に行った際に“荒神”に殺された。そして残った役員は“荒神”の反乱と言う名の報復の後始末に追われていたのだ。
「使役者No.15860が逃亡!」
「使役者No.44484の生体反応が途絶えました!」
「“荒神”の軍がすぐそこまで来てます!」
「この世の終わりだ…」
「早く逃げろっ!殺されるぞ!」
自分の仕事を全うする者、泣き叫ぶ者、逃げ出す者。もうパニック状態だ。
「落ち着け!!あいつらは駒だ!早急に対処!駒の分際にやられるなっっ!」
ある役員が叫ぶ。その役員の額には汗が滲み出ている。
何故、こんな事に?!本物の“荒神”だなんて聞いてない!
その時、誰かの悲鳴が響き渡った。それに振り向けば、入り口付近に悲鳴を上げたであろう人間の喉元を掻き切った“荒神”が立っていた。スゥと顔を上げた“荒神”。その瞳は、紅い。静まり返っていた彼らが悲鳴を上げて我先にと逃げ出す。そして入り口付近から湧き出るように出てきた“荒神”達に殺される。自分の命が優先。他人なんか知るかと逃げ惑う。
噴き上がる血飛沫。響き渡る悲鳴。交差する憎悪。
ねぇ、悪いのは
「どっちだぁ〜?」
しばらくした後、その異世界は化け物と暴走した“荒神”と逃げ惑う人間達によって滅びの道を辿ったとさ。めでたしめでたし
〔誰の心にも‘感情’が存在する。此処で悪いのは誰だろう?
「神様」を具現化しようとした人間?
“荒神”を生み、人間に使えと与えた「神様」?
“荒神”を駒として扱い、侮辱した人間?
使役者に加担した情報管理局の役員?
何もせずに‘感情’を募らせ、本物の“荒神”となった彼ら自身?
どれが正解と云うことはない。人それぞれ、個人の感じ方だ。
悪いのは、誰でもないのかもしれない。偶然が偶然を呼んだ、運命が運命を呼んだ、‘感情’が‘感情’を呼んだ……さあ、この異世界にしか分からない真実さ。
ところで宿題だった“私”の事はわかったかな?ふふ、どうだろうねぇ…それでは、また何処かでお会いしよう〕




