日記二十伍頁目:欠ける言葉〜転生〜
「「「新しい生」」」
「「「は?」」」
「息ピッタし。マスター、この子達三兄弟だよ三兄弟」
死んだと思っていたのに目覚めたら何処か違う所でしたと云う誰かさん達と同じ経験を只今食らっている3人の青年達。先程、青年達の発言に言ったのは疾風と言う少年だった。疾風の言葉にマスターと呼ばれたフードの人はクスリと笑う。
〈蘇生転生〉なんて、そんな摩訶不思議な事があるものなのか…青年達の心中をそれが埋め、次に自分達はどうしたらいいのかと言う疑問が埋める。
「兄さん、お聞きしてもよろしいですか?」
「ん?何、夜征?」
「〈蘇生転生〉とは何人も一緒にいる事が多いのですか?それとも偶然?」
青年達の後ろの壁際で話す三日月 響と言う男性と桜舞 夜征と言う男性。青年達は目の前の2人が話していたのでそちらに聞き耳を立てた。この疑問を解決出来る糸口を求めて。
響はクスリと笑い答えた。
「偶然、だと俺は思ってる。でもマスターは運命だと思ってる。感じ方の違いじゃない?」
「へぇ…なるほど。じゃあ私はマスターの運命論に一票で」
「夜征らしい」
「どうする?」
そんな2人の会話に気を取られているとマスターがそう青年達に問った。
「どうする…って?」
片目が変色し、オッドアイになった青年が首を傾げて問う。と疾風が自分と夜征を示しながら言う。
「僕や夜征兄はマスターに助けられた〈蘇生転生〉。君達と同じように今は居場所もない。でもマスターに救われたから、僕達は着いて行く事にした。響兄みたいにね」
「救われた?もしかして…アンタ達もオレ達と同じ…?!」
長髪の青年が気づき声を荒げる。それに青年達の目の前にいる疾風がシーッと唇に人差し指を当て言う。青年達にはなんとなく、「知っているから」と言っているように感じられた。
「ねぇどうする?」
「どうするもこうするもオレ達転生?しちゃってるから居場所なんて…」
長髪の青年とオッドアイの青年が声を潜めてヒソヒソと会話する。これからの事だ。慎重に行かねばと。
「……………お前は…あいつのように……俺達を使う、か?」
眼球自体から抉り抜かれ、片目が見えず、眼帯をしている青年がマスターに真剣な表情で聞いた。それに2人の青年が「行動早っ?!」「ちょっと聞いてた?!」と彼に文句を垂れるが彼が2人を振り返った時、その真剣な眼差しに口を閉じた。
青年の問いに他の2人、夜征と疾風の肩がピクリと動いた。がマスターは「大丈夫だ」と彼らに笑った。
「私はね、身内には甘いんだよ」
にっこりと青年達に笑いかけたその笑みに3人の心中で何かが動いた。
なんだ、怖がる事なんてないじゃないか。この人は、この人達はこんなにもーーーーー
「オレ、アンタに着いてく」
「僕も僕!」
「………俺も……いいか……」
青年達3人のその言葉に響、夜征、疾風は嬉しそうに笑った。そしてそれはマスターも同じで。
マスターは愛おしそうに青年達3人を見て言う。
「名前はね、考えてあったんだ。〈力〉はあとであげよう。万象 四季」
長髪の青年が形見のネックレスで自分の長髪を結び、頷く。
「空雅 海」
オッドアイの青年が力強く頷く。
「六花 左眼丸」
眼帯をした青年がその眼帯を撫で、頷く。
新しい体で新しい名前で、新しい日を始めよう。あの子の分まで。
マスターは全員を見回して再び、愛おしそうに笑う。
「宜しく、私の愛しい子達」
それに彼らは照れ臭そうに笑った。




