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Madeniter  作者: での
5/7

孤独の中の魔法使い(後編)

!!

元々ディノス・ヴェルンと名乗ってはいた

レイがフルネームで紹介したのかもしれない

だが、何故いまフルネームで呼ぶ必要がある

・・・考えつくのは一つだ

「もしかして、正体ばれています?」


レヴァンは不適に笑った

「やはり、魔王ディノ・ヴェルンでしたね

って事は私達の村に来るのは

貴方の母親の事ですよね」

そして、すっきりした表情をしている


「何故魔王と言う事が

わかったんですか?

それに母のことも」


「あなたの魔力にね

凄く懐かしい物を

少し感じたんですよ

レイとウィルを先に帰したのは

それを、早く確認したかったからです」

詳しくは村でゆっくり話しましょう

とだけ言って

レヴァンは歩き出した


「そうですね

今は村の人たちを救うのが先決だ」


−◇−


「ちょっとまて!!!」

叫んだ時には既に遅く

周りは木で囲まれた

見慣れた祠がある場所に飛ばされていた

目の前ではレイが目を丸くして驚いている


「人の話も聞かずに、勝手に飛ばしやがって」

既にあそこにいる研究員が気絶してるならば

二人もいれば十分だろうが


「先に帰って、二人を待ちましょう」

レイがニコッと笑った


「そうだな」

一足先に村に行って休むのもいいだろう


「もう魔力が少なくなってて

歩いて行くしかないの

疲れているとは思うけど・・・」

レイはごめんねって表情でウィルを見ている


「別に気にはしない

本より歩いて魔王探しをしていからな

それに、手の火傷などを治してもらって感謝している」

其処まで疲れるような事はしていないしな・・・


「それより、レイの方が大丈夫か?

魔力は消費しすぎると

頭がぼうっとしたり

フラフラすると聞いているが」

レイが照れて下を向いている


「心配してくれてありがとう

でも大丈夫ですよ、これくらい」

と言い終わった同時に

足が縺れてバランスを崩した

それをウィルが受け止める


「何処が大丈夫だ」


−◇−


ポツリポツリと家が立ち並び

道は平らな石をを敷き詰めて出来ている

森で囲まれた村

まるで、外界からの訪問を遮断しているような村だ


レイに道筋を聞いていたから着けたが

そうでなければ、着くのは難しかったかもしれない


レイは背中でスースー寝ている

色々あって疲れていたんだろう

道筋を言った後すぐに寝てしまった


「レイ、着いたぞ起きろ」

軽く背中を揺する


「・・・ウィルおはよう

あれ、もう村に着いてる

もしかして、私寝てた?」

レイが左手で目をこすっている


「良く寝てたぞ

レヴァンの家は何処だ?

とりあえず其処に行くんだろ」


「えっと、こっち」

レイがまだ眠たそうな声で

レヴァンの家の方向を指差した


「ウィルありがと〜

ここがレヴァンの家だよ」

レイがウィルの背中から降りて

家の中に入っていく


なんの変哲も無い一軒家

レヴァンの家の初見の感想はそうだった

『深緑の魔術師』通り名を持つほどだから

怪しい薬品や

真緑の内装を想像していたのだが


内装は木製のテーブルに家具に食器

後は廊下があって

その先に2〜3部屋が在るみたいだ


ちょっと待っててと言って

レイは奥の一室に入っていった


約5分位して

青いジーンズはいて

白いシャツを着た

レイが部屋から出てきた

両手には掃除用具を持っている


どうやら

汚れてもいい服に着替えたらしい


「今から、客室の掃除をするから

また少し待っててね」

そう言って、向かいの部屋に入って行った


「・・・暇だ」


−◇−


「びっくりしたぁ」

後ろから声が聴こえたので

剣を振るのをやめる


「ウィルが居ないと思ったら

外で剣を振ってたんですね

危なく無いですか?」

レイが冷や汗を流しながら聞いた


「問題は無い

一応、近づいてくる人の気配には気付く

それに型の練習だしね」


「型・・・?」

レイがそれは何?

と首を傾げている


「うーん、パターンかな

相手がこうきたらこうする

そういった動きだよ」

そう言って心眼流の基本の型の一つ『流れ』を実演する


刃物と対する時の型で

相手の武器の刃を受止め

そのまま剣を滑らせ相手の胴を斬る

ナイフとか短い刃物相手にはむかないが

長剣などだと、滑らせる勢いがつきかなりの威力になる


「よくわからないけど、すご〜い」

レイが笑顔で拍手をしている


「レイがこっちに来たって事は、何か様?」

レイがハッと気付た様子を見せた


「部屋の準備が出来たので、案内します」


案内された部屋は案外広かった

並みの宿の部屋と比較するまでも無い

レイから聞いたところ

普段から訪問に来た客が泊まる為に在る部屋だそうだ


「ゆっくりてて下さいね」

レイはそう言って、扉の方へ向っていく


「ちょっとまってくれ」

レイが何??と振り返る


「このまま此処にいても暇だから

何か手伝えることはないか?」

疲れているレイに頼り切るのはよくない


「ウィルは客人だから、

暇をしてても大丈夫ですよ」

拳を軽く唇の下に当て

クスリとレイが笑った


「どうしてもっ、て言うのなら

手伝ってもらいますけれど」


「じゃあ、そのどうしてもって事で」

えっ、とレイが驚く


「本当に手伝ってくれるんですか」

レイが両手をバタバタとさせている

喜んでいるのか

それとも、戸惑っているのか


「そんなに、俺が手伝うのが不思議か?」

頭に手をあて、一息つく


「少し意外でした

ウィルってそういうの

やりそうなタイプに見えないから」

レイが下から笑顔で覗き込んだ


「意外か・・・

修行中に師匠に色々叩き込まれたから

大抵の事は出来るのだが」

ふと、師匠の事を思い出した

『師から離れ一人で世界を回る事も勉強だ、頑張れ!!』

といった内容の置手紙を残して

何処かに行ってしまってからまだ会っていない


「色々叩き込まれたって

修行って、花嫁修業だったの?」

レイが凄く意外そうな顔をしていた


「違う剣技の修行だ

師匠が武術だけ出来る人間ではダメだ

と言っていていてね

料理や掃除等も叩き込まれたんだよ」

確かに一人旅をしていた時に

それらを叩き込まれていたお陰で

助かった事もあったな

ちょっと感慨深くなった


「なるほど、良い師匠さんですね」

レイがウィルにニコッと笑顔を向けた


「もう掃除は一通り終っているので、

レヴァン達が帰ってたらすぐに食べれるように

夕飯の支度を一緒にしましょうか」

そう言って、レイは台所に案内してくれた


「所で何を作るんだ?」

レイは

冷却の魔法をかけた木材で作られた

冷蔵棚から色々な食材を取り出していた


「そうね・・・ウィルは魚を捌ける?」


「問題無い」

大抵の魚は修行時代に扱った


「よかった

レヴァンが冷凍させている

フレスフィッシュがあるから

それを頼めます?

私は捌き方がわからなくて」

そう言って凍ったフレスフィッシュを2尾取り出した

相変わらず平だ


「了解、一度常温で解凍させなくてもいいか?」

凍ったままでも捌く自身はあるが

多少味が落ちる可能性がある


「ちょっと待って」

レイはがさごそと戸棚の奥を探り始めた


「あったあった」

レイがそこから怪しい粉が入ったビンをを取り出した


「なんだ、それは?」

一見しただけでは

何に使うのかが解らなかった


「レヴァンが解凍するときはこれを使えって」

凍った魚に怪しい粉をかける

たちまち氷が融け

フレスフィッシュが釣り上げられた後の様に

ピチピチとまな板の上で跳ねている


「凄いな・・・」

仕組みが全くわからない


「この魚、刺身にして大丈夫か?」

これだけ生きの良い状態ならば

生で食べる事も出来そうだ

特にフレスフィッシュの縁側に当る部分は

歯応えが良くて美味いと聞いたことがある


「調理法は任せます」

レイが軽く返事をした

レイの方は野菜を切っている様だ


まず

魚の血を抜いて内臓を取り出す

氷水にサッと通して

薄く切って皿に盛り付ける


「凄い、こんなに薄く切れるものなの」

レイが後ろから背伸びをして覗き込んできた


「刃物の扱いは得意だからな」

ウィルは黙々と魚を切っている

その様子をレイがまじまじと見詰めている


「レイの方はもう終ったのか?

野菜を切っていたみたいだが」


「こっちはサラダを作ってしまって

あと、野菜のスープを・・・あっ」

レイはそう言うと

鍋の置いてある場所に走っていった

鍋が噴出していて

あわてて火を弱めている


なんだか

凄く懐かしい光景を思い出した

まだ、師匠の下に行く前の

暖かい光景

少し口元が緩んでいた


−◇−


「ただいま」

「おじゃまします」

玄関の方で声がする

レヴァンとディノスが帰ってきたようだ


「お帰りなさい、

丁度よかった、今夕飯ができるところです」

レイが笑顔で野菜のスープをよそいでいる


「お疲れ、遅かったな」

ウィルは薄く切った魚の身を皿に盛っている


「村の人たちを、家に送り届けていましたからね

しかし、レイとウィルくんを見ているとまるで兄妹のようだね」

レヴァンがクックックと笑っている

ディノスもハハハッと笑っている

髪の色は違えど

厨房に並ぶ二人は仲の良い兄妹の如く

テキパキと食事の準備をしている


「茶化していないで

さっさと席に着け

流石に疲れているだろう」


「長く生きてきましたけれど、

魚を生で食すのは初めてですね」

レヴァンがジッと魚が盛られている皿を見ている


「この食し方は此処より

結構北の地方独特の物らしいからな

俺も師匠に教わるまでは知らなかった」

魚の生臭さをとる為に

黒い液体につけて食べる


生で食える魚と食えない魚を体で覚えろ

と、師匠が大量の生魚を持ってきた時の記憶が蘇った



『師匠・か・・体が痺れて・・・きました』


『それは、マンドフグだ

体全体が痺れてきて、自由がきかなくなる

運が悪いと心臓麻痺で死んでしまうから気をつけろ』


こっちは死にかけているのに

淡々と書物を読んでいた師匠の姿



おかげさまで

魚には強くなりましたが

次ぎ会った時、殴らせてもらいますよ・・・


「ウィルどうしたの食が進んでないけれど?

まさか、食欲が無い?」」

レイが心配そうにこっちを見ている


「あ、いや大丈夫だ、

少し昔の思い出を振り返ってただけだ」

そう言って

レイの作った野菜スープを飲む

懐かしい味がした気がした


−◇−


楽しい夕飯の一時も終り

机には空になった食器が並んでいる状態になった


「全て平らげてもらうと、

作る側も嬉しいね」

レイが嬉しそうに

ウィルに同意を求めた


「そうだな」

笑みが毀れている

ウィルも満更ではないようだ


「後片付けは私がやるから

3人は休んでて」

そう言って

レイは机の上にある空になった皿を

台所に運んでいった


「作ったよしみだ、俺も手伝うよ」

そう言って、ウィルも台所に向って行った


「ディノス、すみませんが

少し話したいことがあるので

奥の部屋まで来てくれますか?」

レヴァンは真剣な表情をしている


流石にそんな表情をされたら、断れない


−◇−


レヴァンの部屋は机とベッドと本棚が

キチンと整頓ているシンプルな部屋だった


「適当に座ってください」


一番近くにあった木でできた椅子に腰を掛けた

軽くキィッと音が鳴った


「今日はありがとうございました

全員無事に村に帰ることができましたし」

紅茶を淹れたコップを机の上に置き

レヴァンもディノスと向かい合うように椅子に座った


「運が良かった・・・

としか言いようが無いですよ

それに、僕が行った時にはすべて終っていたようなものだったし」


「そうですか・・・

ディノスさんが此処に来たのは

確か母親の事で、でしたよね」

レヴァンが少し遠い目をした様に見えた


「はい

実は母の過去と言うものを良く知らなくて

母は人間なのに、何故魔王と呼ばれる父の元にいったのかとかね」

書物とかを読むと

母が生きた時代は

人と魔族が今よりも相容れていない時代だった


「少しきつい話になるかも知れませんが」

レヴァンはそう言いい

紅茶を一口飲んだ

話すのを躊躇っている様にも見えた


「ディノスさんの母親は

この村では、裏切り者扱いされています

話すことすら禁忌に成る程に・・・」

レヴァンがゆっくりと話し始めた


「今この村で、ディノスさんの母親である

ウォルナ・フェリデさんの事を語れるのは

私くらいでしょうね」

レヴァンはコップの淵を持ち

コップを揺らしている

どの様に話すか頭の中で構成をしている様に見えた


そうういえば

母の旧姓がフェリデだと言う事を初めて知った

殆ど自分の昔の事は話さない人だったから

・・・フェリデ!!


「まさか・・・

母の姉はフィルナ・フェリデになるのかな?」


「そうですが

知らなかったのですか?」

レヴァンが少し驚いている


「物凄く優秀な姉がいる、

とは聞いていましたが

一部の地域で神格化される程の人だったとは」

彼女の事を書いている本も数冊出ていて

実際に何冊か読んだことがある

どれも、妹がいると言った事は書いていなかったが


「フィルナさんも

心優しい妹がいたとよく言っていました・・・

ただ、彼女が余りに有名になり過ぎて

周りの人々が魔王の元に行った妹の事を知られないように

工作をしていたみたいです

周りの人々って言っても主にこの村の住人ですけれどね」

レヴァンがふぅっと溜息をついた


「少し、話がずれてしまいましたね

ウォルナさんの話に戻しましょうか

とは言っても、フィルナさんに聞いた話が主になりますが」

レヴァンは頭を軽く抑えている


「素質は姉のフィルナさん以上だと言ってました

ただ、魔法は全く使えなかったらしく

ウォルナさんもそれを気にしたみたいです」


「使えない?

母は魔法を使っていましたよ

僕が怪我をしたとき時に治癒魔法を」

数少ない母の記憶の中の一つ

優しい光が傷口を包んで

傷が癒されたときは凄く不思議だった


「ふむ

ウォルナさんは治癒系統の魔法を得意としていたんですね

この村は攻撃系統の魔法使いが多いので

治癒系統の魔法使いは異端とされていますし」


「異端・・・か

魔法の素質は人によって違うのにね」

こう言った話を聞くと溜息が出る

伝承や言い伝えに迷信

魔族間にも多くあった

どれも思い込み、偶然、ねたみ等が重なってできた物だった


「ですよね

この村は神経質な所がありますよ

他の町や村と離れていて

外部との接触が殆ど無いのも原因でしょうが」

今度は二人して溜息をついた


「レヴァンさんはこの村の出身では無いのですか?

今までの話を聞いているとそう思えてしまうのですが」


「いえ、一応この村の生まれですよ

ただ、私もこの村にとっては

異端の一種なのかもしれませんね」

レヴァンは笑いながらそう言った


「異端の一種ですか・・・」

コップに入った紅茶を飲む

もう温くなっていた

少しレヴァンの過去を聞いてみたいと思った


「深緑の通り名が有るほどの

レヴァンさんでも異端・・・なのですか?」


「ははは、

この村にとっては異端な方ですよ

今こうしてウォルナさんの話をしていますしね」

レヴァンは笑顔で答えた

本人は別に異端であることを気にしていない様子だった


「そこも気になるんですよ

禁忌となっている事を話したり知っていたり」

腕組みをしてうーんとうなる

母の事が禁忌になっているわりには

僕がこの村に来た理由が母の事だと解っていたし

何の抵抗もなく母の事を話してくれている


「そうですね、

フィルナさんに色々聞いたこともありますが」

レヴァンは一息つき

少しの間目を閉じていた


「イルミナの影響も大きいですね」

レヴァンは少し悲しい表情をしていた


「イルミナさん・・・?」

この村の住人の一人なのかな

聞いたことの無い名前だった


「フィルナさんの娘ですね

恐らく、表舞台に名前が出ることはもう無いでしょうが」

レヴァンの目線が窓の方向に向いた


「母がフィルナさんの妹だって事でさえ驚きなのに

フィルナさんに娘がいたって」

まさに驚いた・・・としか言い様がなかった


「この事も、村の中では禁忌となっていますからね

村の外にはそういった情報が一切行っていない思います

それに妹がいたって事も今となっては、関係者くらいしかしらないですよ」

レヴァンの目線はまだ窓の方を向いたままで

窓の外の暗くり星が瞬いている景色の

さらにまだはるか向うを見ているように見えた


「彼女は、私が『深緑の魔術師』の名を貰うきっかけとなった人です」


「レヴァンさんが通り名を貰うきっかけとなった人ですか」

ディノスが腕を組み

机に前屈みになって

確りと聞く体制になっていた


「『きっかけ』と言っても

単純なものですけれどね

私がイルミナを好きになった事・・・ですから」

レヴァンが椅子の背もたれにもたれかかる

椅子が後方に少し揺れ

キィッと木の軋む音がした


「フィルナさんが亡くなってから

村の人たちのイルミナに対する態度は更に酷くなり

彼女が日中外出できる事は殆どなくなりました

村の人たちがフィルナさんに娘がいたと言う事を知られない為に

まぁ、私はこっそり会いに行っていましたが」


今でも忘れる事が無い

『もう来ないで・・・

このままだと貴方が死んでしまう』

胸にしがみいたイルミナに

大粒の涙を目に溜め

震える言葉で言われた事を


「彼女を自由にするには当時の私では力が足りなかった

だから、力と名を欲しましたよ

強ければ

そして、多くの人に認められるようになれば

彼女を救える

と心から信じていました

浅はかな考え方でしたけどね」


「一刻でも早くフィルナさんを超えれる様

色々な国を巡り

色々な事をしました

でも、結局間に合いませんでした

今から13年前、彼女が病気で亡くなりました

皮肉にも私が村を出てから4年後

『深緑』の通り名が知られるようになり

これで、彼女を守ることができると思って

村に帰った日・・・でした」

レヴァンはこの事を凄く後悔しているように見えた

時折言葉がつまり

視線は常に下を向いていた


「家には彼女と3歳ぐらいの女の子が居て

女の子がイルミナの看病をしていました

早期に治療すれば完治できる病だったのですが

私が行った時にはもう手遅れで・・・

彼女と数分間だけ話せただけでした

そして、彼女に誓いました

残された彼女の娘を私が守ることを」

レヴァンの言葉が少し強くなった

再び立てた誓いに対しての決意をかみ締めるかのように


「そうか、その娘が・・・」

全てを理解したわけでは無かったが

何故この話をレヴァンがしたのか

そして

おそらくレヴァンがこれから言わんとする事も


「はい、レイです

名前は私の名前の頭文字と

イルミナの名前の頭文字から

イルミナがつけました」


−◇−


「長いな、ディノス達はまだ話しているのか」

数十分は経ったと思うが

レヴァンの部屋から出てくる気配は一向に無い

食器の片付けも終わり

食後のデザートを作ったのだが・・・


「レヴァンが奥の部屋で話をする時は

大抵長くなっていますからね

後一時間くらいは話し込むと思いますよ」

レイがふと外に目をやった


「あっそうだ、

今位の時間だと」

レイが何かに気付いた様子で

すっと椅子から立ち上がった


「レヴァン達の話も長くなりそうだし

少し外にでませんか?」

くるりと出口のほうに体を向ける

翡翠色の髪がたなびいた


「外?

もうかなり暗くなっているぞ」

この村には余り明かりが無い

特に今日のような日だ

皆疲れて眠っているのだろう


「暗くならないと

見れないものもありますから

騙されたと思ってちょっと来て」

そう言って

レイが外に出て行った


「はぁ、仕方ないか」

デザートを冷蔵棚に容れ

レイに続いて外に行った


−◇−


レイにつれられて行き着いた場所は

村の畔に流れる小川の上に架かっている石橋の上だった

サラサラと小川が流れる音が聞こえる意外

特に何があると言う場所ではない


「あれ、まだ少し早かったのかな?」

レイが石橋から小川を覗き込んでいる


「早い?

いったい、何を見せようとしているんだ?」

小川を覗き込んでも

闇に照らされて黒くなった小川しか見えない


「おきてからのお楽しみってことで」

レイが笑顔でそういい

石橋の上に座った

ウィルも続いてその横に座る


「今日はありがとうございました

ウィルたちが助けてくれなかったらどうなってたか」

レイがウィルに向かってぺこりとお辞儀をする


「運が良かった・・・

としか言い様がないがな」

本当に偶然とだった

しかし、レイに会えず

そのままこの村に来ていたら

誰も居ない村に何日滞在することになったか


「運が良かったか

確かにそうですね、

ただそれを言ったら元も子もないような」

ハハハッとレイが軽く笑って

ウィルの方を叩いた


「そう言えば、

ウィルたちはどうしてこんな辺鄙な村に来たのですか?

特に特産品がある訳ではないし」

レイが首を傾げている


「ディノスがよりたいって言ってからね

それに丁度、近くまで来ていたから」

確かに、一般道からかなり離れているし

ディノスに聞くまで名前さえ知らなかった村だ


「そうだったんだ

でも、ディノスはなんでこの村に来たいと言ったんだろう」

うーんとレイが唸った


「俺も聞いてないな

レヴァンと話し込んでるし

レヴァン何か聞きたい事があったのか」

何も考えずに来たが・・・

ディノスとレヴァンの話し合いが終ったら聞いてみるか


「そうだ、唐突になるんですが」

レイがそう言った後

少しの間ができた

レイはグッと拳に力を入れた


「私をウィルたちの旅に参加させていただけませんか?」

決意に満ちた声だった

真直ぐウィルを見るその目にも決意が感じられた


「な・・・無理だ

そもそも危険すぎるし

レヴァンたちにどう説明するんだ」

まさか唐突にそんなことを言われるとは思わなかった


「危険・・・ですか」

レイが不思議そうにウィルの方を見る


「そう、危険

モンスターとか魔族とか盗賊とかいるからね」

大きい戦争が終って数十年経ったとは言え

まだ、世界的に治安が良くなっているわけではないし

そもそも、何故旅について来たいかもわからない


「う〜ん

でもどの道

私は旅に出ないといけないんですよ

試練が終ったから」

レイが腕を組んだ

少し剥れている感じだ


「そうなのか?」

呆気にとられた

試練だけでも少し無茶だったと思うが

旅を知らない若い素人が旅にでるとは

・・・危険ではないか


「うん

試練が終ったら

試練を受けたグループで

大体1年から2年くらい世界を廻るように」

確かグループは三人以上だったな

恐らく試練を合格したチームのみ旅に出る資格ありという形なのか?

今回は偽りの試練だったから試練本来の何度は解らないが


「他のグループ同士で組む様な事はしないのか?」

確かに今回は訳ありで、俺らとグループを組んだが

特に見ず知らずの俺達についてくるって事も無い


「他の人はやったりするけれど

私は無いかな」

レイは小川の終着点の

さらに向こうの暗闇を見つめた


「なぜ?」

他の人がやっているのなら

やればいいだけの事だと思うが


「私が話そうとすると

皆いやな顔をするの

蜘蛛の子を散らすように逃げたりね

だから、同年代の人と話すことさえないし」

レイは俯いた


「ごめん、なんか悪いことを聞いたかな?」

左手で髪をかきあげ

下を向く

レイに会った時

彼女が一人だった理由が理解できた

これは、話の流れで気付くべきだとも思った

同時に何故レイの様な良い人がそういう状況になるのか

疑問に思った


「大丈夫ですよ、もう慣れましたから

それにどの道、今回合格できたのは私だけでしたし」

慣れているようには聴こえなかった

悲しそうな表情も慣れているようには見えなかった


「てっきり

今回の試練は無効になる思ってたが

レイだけ合格って事になってるのか?」

意外だった


「そうだよ」

レイはウィルの目をじっと見ている


「そうか・・・」

合格が一人か

一人で旅をするよりは

俺達の旅に同行した方が安全だが

しかし・・・

頭を抑えて考える


・・・暫しの沈黙


「わかった、

旅の同行の件はディノスに聞いて

ディノスもOKも出したら

レイの目を見る限り

レイがおれるって事は無さそうだ


「よかった〜」

レイがホッと胸をなでおろした


「・・・ん、なんだ」

辺りにポツポツと小さい光の球が拡がっていた

光は点いたり消えたりしながら右往左往している


「綺麗でしょ

ハツロと言う虫らしいです

今の時期はこの小川に毎晩現れるんですよ」

レイが見せたいって言っていたのはこれか


「懐かしい・・・」

昔見た景色がフラッシュバックし

思わずそう呟いていた


「懐かしい?

ウィルも見た事があったんだ

驚かせようと思ってたのに」

レイは少し残念そうな顔をしてる


「俺の出身はかなり田舎だったからね

小さい頃は家族で近くの川まで見に行ってたんだ

虫の名前は初めて知ったけど」

もう二度と家族で

その川を見に行く事は出来ないと思うと哀しくなった

綺麗な光の渦がボヤケテ見えた


「ウィル、どうしたの?」

不意に流れていた涙を拭った

ぼやけた視界がはっきりとした

レイが心配そうな顔をしている


「大丈夫だよ

昔のことを思い出して

少し感慨深くなっていただけだから」

気が緩んでいたのか

まさか、過去を少し思い出しただけで・・・

恥ずかしくて赤面した


「まさか

ハツロに何かトラウマがあった?」

レイは悪いことしたかなといった表情をしている


「トラウマとは違うかな

懐かしい思い出に浸ってだけだからね」

何故だろう

レイと話していると昔の頃を思い出す


「そっか、

ウィルの故郷ってどんな所なの?」

レイが興味本位でそう聞いてきた


「なんの特徴もない村だったね

と言っても10歳ぐらいまでしか居なかったから

よく覚えていないだけかもしれないが」

特産品はなんだったか・・・

まずい、素で忘れた


「10歳までしか居なかったて事は

10歳から旅をしていたの?」

レイが驚いている


「していたと言うか

しなければいけなかったと言うか・・・」

う〜んと唸って

腕組みをした


「しなければいけなかったって、

何かあったの?」


「10歳の時

村をね

滅ぼされたんだ

魔王に」

少し正直に答えるべきか悩んだが

どうもレイに嘘はつけないみたいだ

どの道、旅について来る様ならばわかる事だし


「もしかして

ウィル達の旅の目的って復讐?」


「そうだね、

魔王に因縁があるのは俺だけだど

ディノスとは一緒に旅をしているけど

ディノスは世界を見て回るって言ってたし」


「そうなんだ

ウィル達は・・・」

遠くで声が聴こえる

ディノスとレヴァンが俺達を探しているみたいだ


「レヴァン達が探しているみたいだね

戻りましょうか」

レイが立ち上がって

う〜んと背伸びをする

翡翠色の髪が

月明かりと

ハツロの発する光に照らされて

不思議な色合いになっていた


「そうだな」


−◇−


「話が終って居間に行って見たら

二人とも居なくて驚きましたよ」

レヴァンは二人を見つけて少し安心した風だった


「余りに二人の話が長いから

ウィルと其処の石橋までハツロを見に行ってたの」

レイが微笑えんだ


「ハツロか

まだ生息している場所があったんだ」

ディノスが感心している


「ん、そんなに珍しいのか?

確かに旅を始めてから見るのは初だが」

田舎にもいたから

何処にもいるかと思ったが

そうでもないのか


「生きれるぐらい綺麗な水が少なくなった事もあって

十数年で数が激減しているからね」

ディノスが少し寂しそうな表情をしていた


「そうなのか」

激減しているとは

思いもよらなかった


「うん

石橋の場所を教えてくれないかな?

僕も見ておきたいから」


「それなら

作ったデザートを持ってくるから

石橋で皆で食べるか」


−◇−


「久しぶりに見るけど、

やっぱり凄いね」

ディノスは石橋から乗り上げて

点滅する光に夢中になっている


「余り前に行き過ぎると落ちますよ」

レイが心配そうにディノスに言った


「流石にそんな事は・・・」


ツルッ


バシャン


ディノスは滑って下の川に落ちた


「ん・・・?

ディノスは何処に行ったんだ??」

ウィルがデザートを4人分持って来た


「滑って川に落ちていきましたよ」

レヴァンが笑いながら下を見ている


「何をやっているんだ」

ウィルは呆れている


「つい、珍しい物に見惚れちゃってね」

びしょ濡れになった

ディノスが川から上がってきた


「ディノス大丈夫?」

レイが心配そうにディノスに駆け寄る


「大丈夫だよ、濡れただけ

寒い時期で無くて助かった」

ディノスはハハハっと笑った


「帰りましょうか・・・」

レヴァンは笑いすぎたのか

お腹を押さえている


「そうね

いくら暖かい時期でも

濡れたままの服を着ていたら

風邪をひきますからね」

レイも帰ることに賛同している


「う〜ん、折角だし

ウィルが持ってきてくれたデザートを食べてから戻ろうか」

ディノスが石橋に座った

服からは水が滴り落ちている


「風邪ひくぞ」

溜息をつきつつ

ウィルも次いで座った


−◇−


デザートを食べ終え

一同は家に帰って来た


「早くお風呂に入って来た方良いよ

着替えはある??」


「着替えは持ってるよ」


「じゃあ、タオルだけで大丈夫かな」

レイがディノスにタオルを渡して

風呂場の場所を教えた


「ありがとう」

ディノスはペタペタと風呂場のほうへ走っていった


ディノスが風呂場の方に走っていくのを見送ってから

レヴァンが口を開いた

「ウィルに頼みたいことがあるのですが」

何とも真面目な趣をしている


「聴けることならば」

何となく

何を言われるか解った気がした


「ディノスには言ったのですが

今回の試練の合格者はレイたった一人なんですよ

なので、できるならばレイを貴方達の旅に同行させていただきたい」

・・・やはりレイと同じことを


「う〜ん

ディノスは何て言ってた」


「ウィルがOKを出すようならば別に構わないと」

ディノスもOKを出したか


「二人して同じことを言ってたんだね

そして、答えも同じって」

レイがクスクスと笑っている


「レイにも同じようなことを言われてね

ディノスがOKを出すようならば

旅に同行させるって答えたんだよ」

まさか、二人して同じことを思っていたとは

少し可笑しくて笑みがこぼれる


「そうでしたか、

ありがとう御座います」

レヴァンが深々と頭を下げた


−◇−


夜が明けて

出発する日の朝が来ました


「ディノスにウィル

レイを頼みます」

レヴァンはディノスとウィルに深々と頭を下げました


「レイ、旅をしていると

大変な目に合うと事もあると思いますが

それと同時に村に居ただけでは体験できない

驚きや楽しいこともありますから

色んな世界を見て成長してくださいね」

レヴァンは目に涙を溜めていました


「今生の別れじゃないんだから

そんな顔をしないでよ」

ふと

嫌な予感が頭を過ぎりました

その予感が何なのかは解らなかったけれど

レヴァンに会えなくなってしまう様な

そんな予感が


「え・・・

今生の別れをする様な顔をしていましたか」

レヴァンが少しギクリとしたように見えました

・・・まさか何か危ないことをしようとしているのかな


「していましたよ

見たことも無いくらい凄く悲痛な顔を

見送る側の顔では無いですよ」

少し大げさにレヴァンの顔マネをする


「それに、また帰ってきますよ」

軽く笑ってみせる

少しでも不安が飛んでしまうように


「私も

何時帰って来られても良い様に

しておかないといけませんね」

レヴァンが少し笑った


「名残惜しいけど

そろそろ行くね」

まだ居たいけれど

ずっと此処に居る訳にもいかないし

それにそろそろ限界だし


「そうですね、

気をつけて下さいね」

レヴァンが寂しそうに手を振った

ウィル達と村の入り口を出て

街道を歩いていく


「行って来ます、お父さん」

100m程離れた所で振り向いて

レヴァンに向って笑顔で手を振って

大声で叫んだ

初めてレヴァンに『お父さん』と


−◇−


暫く呆気に取られました

父親であることを明かしていない為

『お父さん』と呼ばれることは無いと思っていたが


「歳をとると涙腺が緩くなっていけませんね」

ボソッと呟く


「イルミナの娘を旅に出したのか」

長老のギブ・ロンが10m程後ろに立っていた

辺りには殺気が充満している

恐らくいるのは長老だけでは無いだろう


「えぇ、16歳で試験に合格したものは

村を出て旅をするという掟なので」

実際は今日のこの日の為に

数年前に私が作ったものだ

色々と誤算はあったが

一先ずは成功したと言えるだろう


「ふん、小癪な通り名を持つほどなので

色々と多めに見てきたが

之ばかりは許しがたい」

ギブは凄い眼光でこちらを睨んでいる


「そもそも

レイがフィルナさんの孫だって気付く人はいないですよ

それに、先日謎の集団から助けてもらっておいて・・・」


「それと之とは別じゃ

この村にいるだけならまだよかったが

村を出るとなると危険因子は排除しなければならん

フィルナ・フェリデは潔白でなければならんのじゃ」

ギブが私の言うことを遮って

強い口調でいった


「そんな風に神格化される事を

フィルナさんは望んでいない

彼女はただ平穏に暮らす事を望んでいただけだ!!!」

くだらない

フィルナさんはいつも子供を見て

『この子が幸せに育ってくれるたら私は幸せだ』とか

『最近周りが騒がしくなって息苦しくなってきた』といっていた

フィルナさんの言葉を思い出して

怒りがこみ上げた


「もはや

個人の感情ではどうし様も無いところまで来てるんじゃ

それに気づけ!!!」

ギブは怒りの感情をあらわにして怒鳴った


「個人の感情ではどうし様も無いところまで来ている?

その考え方事態が個々人の感情他ならないですよ

私は世界を旅してきましたが

殆どの国では彼女は高名な魔法使いとして扱われています

神格化している地域など殆ど無い

この近隣の余り外界との接触の無い地域だけです」

実際に見てきた事を話した

ギブはグッと唸って暫く沈黙していた


「まぁいい

村の数人を彼奴らに向わせた

とっ捕まえてから、ゆっくり処分を決めようか」

最早、聴く耳持たず・・・

ですか


「レイ達を捕えるのは無理ですよ

今頃追いかけていった人たちが迷子になっているんじゃないですか」

レイ達に魔法をかけていた

魔力の情報を遮断し

また、追おうとするものを深緑の森にいざなう魔法を

之を使うと大抵追いかけるのは無理になる


「貴様!!何をした!!!」

ギルの顔は恐ろしく真っ赤になっている


「別に答える必要も無いでしょう」

態々、種を明かすのもアホらしい


「この村を敵に回すつもりか・・・

いくら『深緑の魔術師』と言えども

村全員でかかれば只では済まんぞ」

血走った目で睨んでくる


「敵に回すとか、そんな気はないんですけどね」

村全体と敵対することはわかっていて

当初は自分の命でけりをつけようと思っていた

ただ、それをする気はもう無い

何が何でも生き延びないといけない


「こんな事で村を廃村にする気も無いですし」

少しだけ軽い脅しを仕掛けた


「言い訳無用!!

おおよそ『霧隠』系統の魔法を使っているのだろう

解かぬならば、殺してでも解かねばならん」

この村の人たちは本気だ

もう詠唱を始めている人たちもいる


「娘が旅から帰ってきたときに

迎え入れれる準備をしないといけないのに」

溜息をついて

臨戦態勢をとった


−◇−


「別れの挨拶はあれ位でよかったのか?」

ウィルが少し心配そうに言った


「うん、

笑顔で出発するって決めてたから

あれ以上いたら

多分我慢出来ずに泣いてたと思うから」

レイが目に涙を溜めながら

笑顔で答えた

少し無理をして笑っているように見えた


ウィルは何も言わず

ポンっとレイの頭を撫でた


レイはその場で膝を落として

声を出して泣き崩れてしまった


ウィルはレイが急に泣き出したので

何かまずい事をしたかと思いオロオロした


レイは暫く泣いていた


「御免ね

やっぱり故郷を離れるのが少し哀しくて

つい涙が・・・」

レイが目をゴシゴシして涙を拭いている


「辛いならば

村に戻っても良いぞ」

ウィルが気を使いそう言った


レイは首をフルフルと振った


「大丈夫ですよ

一度泣いたら、スッキリしたので

それに、色々と旅をして

レヴァンに沢山お土産話をしないと」

そう言って、笑った

今度は無理をして笑った笑顔ではないようだった


「ウィルとディノス改めてよろしくお願いします」

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