満月の夜
夕暮れ時の小道を2人の男が歩いている
2人とも若く18〜23歳くらいに見える
片方の青年は
190cmをゆうに超えるほど長身で
金色の髪は腰の辺りまで伸びている
もう片方の青年は
身長は180cぐらいで
首の辺りまで黒い髪が伸びている
長身の青年が
もう一人の青年に言った
「ディノス、この近辺に町か村はないか?」
ディノスと言われた黒髪の青年が地図を見ながら答えた
「そうだね、地図を見た感じだと
このまま後20分ほど歩いたら小さい街があるよ」
「今日は野宿をしなくてすみそうだね」
と、ディノスはにこやかに言った
「じゃあ、さっさと行くぞ」
長身の青年が早足で歩いていく
「ちょっと、ウィル早いって」
と言って、ディノスが笑いながらついて行く
15分ほどしたら目の前に村の入り口が見えてきた
何処の村にも遠方から来た人のための休憩所があるので
2人はそこで宿をとるつもりだった
2人が村に足を踏み入れたとたん
2人を目掛けて刃物が振り下ろされた
「危ないな〜」
ディノスはそういって
軽々と刃物を避けると
刃物を振ってきた人物をひょいと持ち上げた
まだ、11〜12歳くらいの子供だった
「はなせ〜魔族は殺してやる!!!」
ディノスに捕まれた子供が足をバタバタさせている
もう一方ではウィルが
もう一人の子供の首根っこをつかんで地面に叩きつけてた
鬼の形相になっている
「俺は、魔族が大嫌いなんだよ」
「そんな魔族といっしょにするなんて、テメー死ぬか?」
−◇−
地面に背にして、目の前には怖い形相をした男・・・
リプロは恐ろしさの余りに声がでなかった
男が強い力で押さえつけているので逃げる事さえできない
『この人本気だ・・・・』
−◇−
「ウィルやめろ!!」
「お前たちやめんか!!」
ディノスの声とお婆さんの声が同時に街に響いた
ウィルの動きをとめて
お婆さんの方を見た
子供が2人お婆さんの方へ
泣きながら走っていく
「すみませんな、旅の方」
お婆さんはそういって一礼した
「このお二方は人間じゃよ」
子供たちをあやしながら言った
「え〜でもお婆ちゃんが
魔力を感知したっていってたじゃん」
一人の子供が顔を膨らませて講義している
さっきウィルに地面に叩きつけられた子だ
「僕たちそれで、今度はあいつ等かその仲間が来たのかと思って」
もう一人の子が俯いて申し訳なさそうに弁明している
「あっ・・・・」
ディノスはそういって気まずそうに顔をそらした
「多分、魔力を感じたってのはこの人形ですよ」
そう言って、変てこな人形を取り出した
お婆さんは納得したように言った
「確かに、その人形から魔力を感じるのう」
「きさまのせいか・・・!!!」
ウィルの怒りは治まっていなかったらしく
ディノスは思いっきり殴られた
記憶が5秒ほどとんだ気がした
「いたたた・・・本気で殴る事ないじゃないか」
ディノスは腹話術を使って人形で喋った
「もう一発殴られたいか」
とウィルが握りこぶしを作っている
「凄い凄いどうやってその人形に喋らせてるの?」
そのやり取りをみて子供達が笑っていた
「しかし、何故俺たちが襲撃されないといけないんだ?」
ウィルがお婆さんに尋ねた
「すまんのう、三日ほど前に魔王を語る者らが現れて・・・」
魔王!!
この単語を聞いた途端にウィルの目が鋭くなった
『情報は本当だったか!!』
「奴らは今何処にいる?」
ウィルはお婆さんが何か言おうとしていたのを遮り
詰め寄った
「向こうに見える山に篭っているはずじゃ、村に・・」
お婆さんは其処まで言って、話を止めた・・・
既に目の前にウィルの姿はなかった
「ディノス行くぞ〜〜!!!」
子供たちと遊んでいたディノスの首根っこを捕まえて
ウィルは山に向かって走り出した・・・
「お婆ちゃんあの2人大丈夫かな?」
走っていく姿を子供達が心配そうに見つめている
「あの金髪の兄ちゃんは人の話もろくに聴かないで走っていったからねぇ」
「あいつ等の恐ろしい力を知らずに・・・」
「でも・・・」
「無事に戻ってくるだろうて、この村も元通りになる」
そういってお婆さんは、混沌とした左目でディノスを見つめていた
「またロクに情報を集めもせずに・・・」
「それに、夜に山に入るのは危ないよ・・・暗いし」
ディノスは溜息をついている
まだ、ウィルに首根っこをつかまれて
引きずられながら
「大丈夫だ今日は満月だからそれほど暗くない」
ウィルはそう言い放つとどんどん森の奥深くへ進んでいく
「子供たちから聞んだけど、魔王って名乗ってるやつは禁術になっている魔法を使うらしいよ」
ディノスが少し心配そうに言った
「禁術?どんなのだ」
「えっと、人の五感を一日に一つずつ駄目にしていって、で6日目には心臓が止まって死ぬって魔法」
ウィルの顔に怒りが滲んでいる
「それでやつらは近くに滞在していて、6日間村の人たちが苦しむのを見ているって言うのか!!!」
怒りに任せて
思い切り木を叩いた
木が揺れ
満月の月明かりに照らされて
青緑色になった木の葉が舞った
「そんなに大きな音をたてると・・・・!!」
ディノスがハッと何かの気配に気付いた
が、既に遅く何か強い力で林の方へ引っ張られ
闇に消えた・・・
「ディノス!!!!」
ウィルはディノスが引っ張っていかれた方を見て叫んだ
「おぃおぃ、よそ見しているとあっさり死ぬぞ」
後ろから殺気を感じ、とっさに左に避けた
シュッと目の前で音がした
ウィルは顔を上げて相手の顔を見た
襲ってきたのは、身長180cmぐらいの男だった
獣に近い目、魔族なのは間違いない
「あとは、貴様が魔王かどうか・・・」
そう言ってウィルは左手に剣を構えた
−◇−
「いたた・・・・」
ディノスは体を起こした
所々に擦り傷ができている
気配がした
黒くて静かな気配
ディノスが気配のした方を向くと
銀の髪に金色の瞳をした男が立っていた
何やら魔法を詠唱しているみたいだ
「なるほど、銀色の髪に金色の瞳・・・
って事は君が今回の魔王か」
ディノスはやけに落ち着いている
銀の髪の男から光が走った!!
辺り一面に炎が舞い
地面が無く
空中にフワフワ浮いているような感覚が襲ってきた
男の姿は見えなくなった
「幻術か・・・でも残念」
そう言ってディノスは槍を取り出した
ガラスが崩れていくかのように
辺り一面の炎が砕け散り
景色は先ほどの山に戻った
銀の髪の男が驚いた顔でディノスを見ていた
−◇−
『ありえない・・・』
一瞬目の前が真っ白になった
私の放った幻術が一瞬にして破られる
なんて事があるはずが無い!!
魔方陣の上に引き寄せ
効力を増大させていたんだぞ
「残念だけど、僕に魔法の類はきかないよ」
幻術を解いた黒髪の男が微笑んでいる
魔力を打消す目を持っている人種がいる
と言うのをきいた事がある
ただ、それらの人種は目が異質を放っていたはずだ
しかし、目の前の黒髪の男は
普通の人間と同じ目をしている
「でも、禁術を使えるだけあるね
中々の幻術だったよ」
「ウィルの代わりに捕まって正解だった〜」
黒髪の男が少し肩を落とした
そうだ
私は金髪の男の方を狙っていた・・・
この男はそれに気付いていた
「いつから気付いていた」
私はつい口に出してしまった
「この山に入ってきてからすぐね、
ウィルは気配とか読むの苦手だから気付いていなかっただろうけど」
黒髪の男は淡々とした口調で語っている
初めからわかっていただと
気配を読むのが得意とかそんなレベルじゃない・・・
「さて、偽魔王さん諦めて降伏しない?
魔法は僕には通用しないし」
黒髪の男がそういって微笑んでいる
私が魔王でないこともばれている?
いやはったりだ
「断る!!」
私はそう言って
禁術の一つ『five senses hold』の詠唱を始めた
相手との距離はある
接近される前に詠唱が終る自信はあった
「ねぇ、五感を徐々に奪われる苦しみってあじわった事ある??」
黒髪の男が何か言っている
詠唱を辞める訳にはいかないし無視だ・・・無視
「無いよね・・・あったらそんな禁術なんて使わないだろうし・・・」
黒髪の男が溜息混じりにそういった
後10秒ほどで詠唱が終る
「あじわってみる?」
黒髪の男がそういって・・・いや黒髪じゃな!!!
『five senses hold』
一気に目の前が真っ暗になった
耳も聞こえない
感覚が麻痺してきた
之が禁術の力
でも、この術は1日に一つの感覚が無くなっていくはずなのに
だめだ、意識がとおのいて・・・
急に目の前が明るくって
感覚が戻ってきた
私はうつ伏せに倒れていた
背中に何かあったっている
顔を上げるとやはり黒髪の男が立っていた
背中に当たっているのは槍の柄みたいだ
「わかった?五感を奪われる苦しみ」
私は何も答えなかった・・・
恐怖で何も答えられなかった
「ウィルの方が心配だな・・・御免少し気絶してて」
その言葉を聴いたあと、私の意識は途切ていた
−◇−
「ちっ、偽者か・・・」
ウィルは相手の顔を見るなり悪態をついた
魔族なのは間違いないが
髪の色と目の色が魔王のそれとは全く違う
「さっさと終らせるぞ」
そう言ってウィル魔族の方へ走り
一閃
雑草が斬れ舞った
魔族は其処にいなかった
「いい速さだ、すばらしい」
ウィルは声をした方向を見た
魔族は木の上にいた
ウィルは何も言わずに
魔族の上っている木に向って
剣を振るった
鈍い手ごたえがした
木の幹は斧で切ったかのように
深くまで斬れていた
「まじかよ!!」
魔族は傾きだした木から
ウィルへ跳び掛かった
「正面からくるとは、馬鹿か」
ウィルは迎撃の態勢をとった
魔族は空を蹴り
ウィルの右側に回りこんだ
「な・・・空中で」
ウィルは後方へ跳んだ
しかし、右肩に相手の爪が少し食い込んだ
「くそ・・・油断した」
ウィルがそう言って
体制を立て直そうとした
いきなり
目の前が暗くなった・・・
−◇−
禁呪の効果を凝縮した毒
即効性で
初めに視力奪う
次に聴力
痛覚はそのままで
相手は苦痛の叫び声や上げる事や
助けを懇願する事しかできない
一方的に甚振れる快感
今回の金髪のようにすかした野郎の場合だと特にな
ゆっくりと金髪の男に近づいた
ヒュッと風を切る音がした
右の頬に熱を感じる
後ろの木からの軽い音
木を見るとナイフが刺さっていた
頬を撫でると生暖かいものが
血だ
「このやろう、足音だけでこっちの位置を!!」
その場から飛びのく
しかし、着地すると同時にナイフが飛んでくる
1本・2本
回避行動をとったが
右足と右肩に刺さった
思わず足が崩れる
追い討ちが来ると覚悟したが・・・
こない
金髪の男を見てみると
不思議そうにあたりを見回している
どうやら、聴力を失ったらしい
「はっ、驚かせやがって」
そう言って
金髪の男の方へ近づく
「ウィル!!大丈夫か!!」
声が聞こえる
パウロが捕まえた黒髪の男が走ってくる
「やつめ、しくじりやがったか」
−◇−
闇、闇、闇
真っ暗な闇何も見えない
静、静、静
静まり返って何も聞こえない
先ほどまでは
見えはしなかったが
音が聞こえた
音の方に
ナイフを投げれば
奴に当るはずだ
しかし
もう音も聞こえない
・・・集中しろ
まだ手は動く
奴が近づいてきて
俺に触れるのを待つんだ
間・・・
1秒が数分間に思えた
肩に何かが触れた
ウィルは恐ろしい反応速度で
触れた者がいた方向を払った
金属どうしが重なり合う音がした
防がれた!!
だが、相手の方向は解った
追撃する・・・
剣が空を斬る
「くそっ、何処だ!!」
焦っては駄目だ
再び集中する
凄い眠気が襲ってくる
「こんなときに・・・」
ウィルは眠ってしまった
−◇−
ウィルの肩を叩いた瞬間
凄い速さで剣を振ってきた
とっさに槍で防いだけれど
どういうことだ??
「ウィル、どうした?」
声をかけても反応が無い
「くそっ、何処だ!!」
まさか
目が見えていない!!
声をかけても反応が無いって事は耳も
ディノスはある程度
ウィルと距離を置き
薄ら笑いを浮かべている魔族のほうを睨み付けた
そして、怒り交じりの落ち着いた口調で話しだした
「知ってる?魔王は満月の夜にでるんだよ」
一瞬にして場の雰囲気が変わった
風が急に強くなった
草木が凄い勢いで揺れている
其処に
のほほんとした黒髪の男はいなかった
銀色の髪に金色の瞳
魔王・ディノ・ヴェルンが立っていた
−◇−
「魔王か・・・いや、そんな事あるはずがねぇ!!」
銀の髪の男が長髪の男に
何やら魔法をかけている
長髪の男はガクンと魔王の方へ倒れていった
仲間割れか?
「ウィルには悪いけど、少し眠らせてもらった」
銀の髪の男が長髪の男を
少し離れた場所に寝かすとそう言った
「さて、偽魔王チームの退治といきますか」
銀の髪の男がこちらへ歩いてくる
凄い威圧感・・・こんな事は初めてだ
まてよ、こっちには毒があるんだ
いかに魔王もどきと言えど
爪をかすらせる事ができれば
一気に距離を詰める
右爪で一閃
・・・手ごたえあり
銀の髪の男は
素手で爪を止めていた
血が滴り落ちている
「はははっ、やったぞ」
やった、毒がすぐに回る、此方の勝ちだ
銀の髪の男はクスリと笑った
「この程度の毒が俺に効くと思っているのか」
銀の髪の男からまばゆい光
しまった魔法か、詠唱無しで・・・
薄れ行く意識の中、魔王の言葉を聞いた
「おやすみ・・・・」
−◇−
眠らせた偽魔王組みの、二人を縛り付ける
そして、転送符を使って協会に送る
ウィルがお尋ね者を捕まえるハンターをしている為
この手の道具は沢山ある
ウィルを担いで山から下りる
村に戻るとおばあさんが立っていた
「子供たちはあなた達を待っているって
言って意気込んでおったが、今は眠っておる」
混沌とした目でディノを見つめる
まだ、魔王の状態のままだ
「やはり、あなたは魔王様じゃったか・・・」
「はい、やはりと言う事は検討がついていましたか
それより、早く他の住人の呪いを解かないと」
お婆さんの目を見て納得する
なるほどあの目の持ち主か
「ほっほっほ、そうじゃの、ついて来なさい」
そういって、大きな部屋に案内された
其処には、多くの人が呻き声をあげ苦しんでいた
改めて、あの二人組みに怒りを覚えた
「こういった魔法は専門外だけれど」
ディノはそう言って、詠唱を始める
部屋全体が蒼白く光り
壁一面に魔方陣が広がる
まばゆい光が人々を包んでゆく
「なんだ、何が起きたんだ」
若い青年が立ち上がり
驚いている
「やったぞ治ったんだ!!やっとあの苦しみから解放された」
呪いが解けた人たちが喜びの声を上げている
「この若い黒髪の青年が解呪の魔法を使ってくれたんじゃよ」
お婆さんが態々そう言ってくれた
・・・言わなくても良かったのに、恥ずかしい
「そうなんですか、ありがとうございます」
人の波が押し寄せてくる
こういうのは苦手だ
「すまんが、話があるのでこの若い男は借りるぞ」
お婆さんがちょっと奥の部屋に来てくれと手招いている
兎に角、この場から離れたかったのもあり
ディノスはなんだろうと思いながらも、部屋に入って行った
奥の部屋に入ると
お婆さんが机の向かいに座っていた
もう一つの椅子に座るよう薦められたので
薦められるまま、椅子に座った
「連れのお兄さんは大丈夫かな?」
「はい、解毒もしましたし、今は子供たちと同じ部屋で寝ていますよ」
「いや、つれて来なくてもじゃが・・・」
お婆さんは心配そうに尋ねた
「できれば、こう言った話はウィルに聞かせたくないので」
口調が重くなり
目を下に落とした
「やはり、魔王であることも魔族であることも伏せたまま旅をしておるのか」
お婆さんは悟ったように聞いた
「はい」
「ワシが聞ききたかったのは、故魔王様直々に、旅をしておるのかじゃ」
混沌とした目でこっちを見ている
全てを見透かすような瞳、少し懐かしい
「ある人との約束です、凄く大切な・・・」
凄く遠い記憶だった
でも、凄く大切な記憶でもあった
「そうか・・・」
納得したように、お婆さんはうなずいた
「他に何か、聞かないんですか?」
「いや、聞きたい事は大抵理解できた
なるほど、姉が行っていた通りの人物じゃの」
ふむふむとお婆さんは相槌を打っている
「姉・・・?」
「ほっほっほ気にするな」
お婆さんは笑っている
「折角この辺りまで来たのなら、北の方にある魔法使いが住んでいる村を訪ねてみないね?」
「何故です?」
「お主の母親の生まれ故郷じゃぞ」
「そうだったんですか!!母の・・・
そうですね行って見ます」
母の生まれ故郷
話には聞いたことがあるけれど、この近くだったなんて
「ワシからは以上じゃの、すまんのつまらない話を聴いて」
「いえ、良いですよ」
そう言って、ディノスは部屋から出た
−◇−
次の日の朝
村の人たちから感謝の言葉をうけて村から出た
一応村の人に頼んで
呪いを解いたのは他の旅の魔法使いって事にしてもらった
「すまん、今回は何もできなかった」
ウィルが少しだけ申し訳なさそうに言った
「いいよ、今回戦ったやつ等とはウィルは相性悪かったから」
対魔法使い・対呪いとなるとウィルの能力は半減してしてしまう
そもそも夜って言うのもまずかったが
「でも、納得がいかん!!また外れだったなんて」
ウィルが怒っている
「魔王が行方不明になって、魔王を名乗る輩が増えたからしょうがないよ」
之は本当の話だ、各地で魔王を名乗る魔族が出没して大変な事になっている
魔王って名乗って何が楽しんだか
「そうそう、僕、今度行きたい村があるんだ」
「何処だ?」
「魔法使いが集まってる村、ウィドタウン」
「魔王についての情報も今はないし・・・いいよ」
少し、以外だったウィルがOKをだすとは
矢張り、昨晩の事をまだ引きずっているのか
「それじゃあ、行こうか」
進路を北に行く道にとる
母の生まれ故郷がどんな場所か、
わくわくしながらディノスは歩いていく
そこで、母親についての驚く話を聴くことになるとは
その時は、知る由も無かった次の日の朝
村の人たちから感謝の言葉をうけて村から出た