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プロローグ REVENGER
プロローグ REVENGER
この街に棲みついて随分になる。
裏切られ、全てを失いこの街に行き着いた。
毎晩、失った左眼が痛む。奴を殺せと叫んでいるかのように痛む。
ここはそんな俺にとってお似合いの街だ。
そこら中で悪党どもがのさばり、悪事を働いている。どっちを向いても善人なんて居やしない。
チンピラの喧嘩、裏路地の死体、淀んだ空気、マフィアの銃撃戦。
だが、それも慣れてしまえばそんなに悪くない。むしろ落ち着くくらいだ。
この街では銃と金さえあれば生きるのには苦労しない。
だが、余計なものまで拾ってしまった。
それはこの街には不釣合いなほどに真っ直ぐに生きる少女だ。
この少女はいずれ俺にとって足枷になるだろう。
それでも俺は復讐する、必ず奴を...殺す。
裏切り者の名はブッチ。ブッチ・キャシディ。
少女の名はサラ。サラ・オークレイ。
そして俺の名は、サンダンス・キッド。
ここは悪党の街ドッヂシティ、善人なんて居やしない。
