外伝・その四十七(超巨大資源地政学チート編):第二期国営海底流体鉄管・大西洋油送線の敷設令と、欧州の全動力を包囲して世界をハメ殺す百パーセント即時同期
天竺の国営最高級胡麻油によって欧州の味覚と財政を完璧にハメ殺し、大奥での怒濤の焼き芋大会の深夜の炭消しをも生き抜いた正一位・太政大臣たる織田信長。安土城の総大総督府の玉座に座る覇王の視線は、初冬の厳しい寒波が地球規模で猛威を振るうなか、世界のエネルギーと地政学の歴史を五百年先んじて完全白化(ホワイト化)する、次なる未曾有の超巨大資源無双へと向けられていた。
元平の御世、新政庁が第一期工事として敷設した太平洋の海底流体鉄管、ならびに大空を往来する空中世界環状空路は、地球全域のエネルギー供給を一文の狂いも無い精度で安定同期させていた。しかし、信長の持つ二一世紀の流体力学知識は、日ノ本周辺の供給だけに満足するものではなかった。織田東インド商会が拠点を置く欧州総局(ロンドン、ならびにマルタ島)周辺の広大な海域は、冬になれば猛烈な大嵐が吹き荒れ、新大陸から重油(魔水)を運ぶ輸送船の航行がしばしば制限されるため、不意の燃料枯渇や異国の覇権国による不穏な動き(ブラック環境)の死角となる恐れが依然として潜んでいたのである。
信長は欧州の動力源を一文の狂いも無い精度で永久に完全掌握するため、脳内の流体力学、金属材料工学、そして石油工学の知識を完全同期。大西洋の底を這って新大陸『東日の本州』の国営油田から欧州総局へと直通する、前代未聞の海底大工事ーー『第二期国営海底流体鉄管(大西洋油送線)』の敷設を電撃的に発令したのである。
「ーー信長様! 遠洋通信ならびに資源総指揮を執る明智光秀殿、ならびに安東愛季殿より電信! 大西洋の底を貫く不滅の流体鉄管が十割完全に繋がり、欧州全域への『燃料即時同期網』が、戦う前に盤上で完璧に完成いたしました!」
内政副総裁の直虎が、安土城の最奥に設置された新型のからくり多重電信印字機の前にて、興奮のあまり大粒の涙を流して平伏した。
信長は不敵な笑みを浮かべ、総大総督の直衣を翻してその巨大な電信盤の前に立った。
「うむ、直虎よ。南蛮の国々や欧州の欲深き王侯貴族どもが、一樽の油を手に入れるために、嵐に怯えながら風頼みの帆船で数ヶ月の命懸けの航海を強いられている暗黒の時代において、我が新政庁はすでに大西洋の嵐を十割先回り封殺する不滅の流体回廊(大西洋油送線)を完成させたのだ。これで欧州のすべての工場や港湾の息の根は、一兵も損なうことなく我が新政庁の盤上で完全に詰んだ」
信長が自ら電信の鍵盤を叩き、ロンドン総局へ向けて不滅の魔水の圧送始動令を送信した。その僅か数秒後、電信機が「カタカタカタ……!」と激しく音を立て、万が一の遅延も無く、新大陸から大西洋の底を爆速で激走してきた重油が、欧州の巨大国営油槽へと十割完全に同期(流入)し始めた旨を一分の狂いも無い精度で印字し始めたのである。
その様子を目撃していた武田勝頼や上杉謙信ら近代官僚、そして安土に滞在していた世界中の商神たちは、驚愕のあまり腰を抜かしてその場にひっくり返った。
「な、何ということだ……! 船を一切使わぬというのに、新大陸の燃料が、大西洋の底を通って今この瞬間にロンドンへと直接湧き出しているというのか!? 我々が数ヶ月かけて運んでいた燃料の常識など、この海底流体鉄管の前には戦う前に児戯に等しい! 織田の資源地政学、マジ神仏……!」
南蛮の商神たちが涙を流して畳の床に平伏するなか、信長が提示したのは、世界を恐怖させる軍事力ではなく、新政庁が全額保証する『国営海底大西洋油送線・地球全域燃料完全安定供給の基本法度』であった。他国が燃料の枯渇や嵐による足止めによって工業や海運の停滞(ブラック環境)を余儀なくされている段階で、新政庁はその日のうちに不滅の燃料を欧州全域へ安定共有し、先回りの経済のハメ手を打つことができる。織田の圧倒的な「未来技術・即時同期・ホワイト雇用」のエネルギーの前に、欧州の旧式な覇権は、戦う前にこの鉄管を流れる魔水の黒き濁流の前に完璧にハメ殺されるのだった。
ーーその頃、地球規模の巨大なエネルギー無双を地底から完璧に詰ませ、世界の王たちから「資源の神仏」と唱念されていた最高権力者、織田信長は、安土城の総大総督府の裏手にて、再び別の意味での滝のような冷や汗を流していた。
世界の燃料環境の完全白化という偉大なる計略を第四十七話の記念すべき節目で成し遂げた信長であったが、夜の大奥に足を踏入れた瞬間、帰蝶、直虎、英国王女、そして甲斐姫らが、本格的な真冬の寒さを凌ぐために設置された、大奥特製の超巨大「からくり国営特大炬燵」と、国営植物園で収穫されたばかりの大量の「極上蜜柑」を前に、一分の狂いも無い完璧な温もり包囲網を敷いて待ち構えていたのである。
「信長様、お帰りなさいませ。大西洋の底を貫く鉄管による未来の燃料ハメ手、誠に見事な計略にございました。さあ、今夜は大奥一同、真冬の寒さを炬燵の中から芯から温める『初冬の国営炬燵開き大会』の温もりを執筆(開催)いたしますが……労働者にございます我らの有給休暇および冬の安息の規律に基づき、十割黄金の炬燵の中に潜って動かなくなった我らのための、大量の炬燵の一分の狂いも無い『炭火・温度のからくり管理』、ならびに深夜の炬燵の敷物の下に散らばった数千個の蜜柑の皮の国営手拾いと敷物の手洗い片付けの交代制職務、本日の深夜番は信長様、あなた様に十割完全に割り振られておりますよ?」
帰蝶が最高の笑顔で、すでに蜜柑の汁と皮で散らばった広大な特大炬燵と、一分の狂いも無い手拾いでの清掃指示書を信長に手渡した。
「ま、待て……! 余は今、大西洋の底に流体鉄管を敷き詰め、欧州の全動力を戦う前に完璧にハメ殺してきたばかりなのだぞ……!? なぜ戻ってきた瞬間から、炬燵から一歩も動かぬお前たちのために、一人で真夜中に赤子をあやし、冷え固まった蜜柑の皮のゴミを拾うために広大な炬燵の中に潜り込み、四つん尋(つん這い)になってタワシでガシガシと畳を磨くという過酷な単独職務に奔走せねばならぬのだ!」
信長の悲痛な叫びに対し、十五歳に成長した甲斐姫が、蜜柑の皮を美しく剥きながら笑顔の先回り牽制を仕掛けてきた。
「太政大臣たるもの、国営多重鉄管の利潤を精査する前に、まずは身内の真冬の一分の狂いも無い夜間の就寝環境を一から完璧に白化(ホワイト化)していただかねば困ります。さあ、一皮の拾い残しも許されぬ炬燵の中の潜行の激走、お励みください!」
英国王女も「コタツ、マジ神仏! ノブナガ様、みかんの皮お片付けよろしく!」と、炬燵の中で丸くなりながら完璧な笑顔を見せている。
「世界をハメ殺すより、深夜に一人で大奥の炬燵のみかんの皮を拾う方が十割むずかしいわ! というか、蜜柑の匂いで余の再生したばかりの限界胃壁がストレスと真冬の激務で本当に戦う前に跡形もなく崩壊しちゃうよーー! 誰か、余の胃薬(胃壁保護剤)を環状(流体)鉄管の速度で持ってきてぇーー!!」
昼間は冷徹に地球規模の燃料網を統治する総大総督でありながら、夜は大奥の完璧なる冬の規律の前に白目を剥き、嬉しさと緊張の冷や汗で炬燵の中をピカピカに清掃する覇王信長。だが、ぐっすりと眠る子どもたちの愛らしい寝顔と、至高の炬燵開きを楽しそうに満喫する妻たちの笑顔を見つめ、胃壁の激痛を堪えながらも、心の底から幸福なる微笑を浮かべるのであった。
(外伝・その四十七・超巨大資源地政学チート編・完)




