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ノアの掲げる理想の世界  作者: 可借夜
序章 理想の国『王冠』編
5/18

序章5話 「助けて」

 エレノア・メタトリアスは、価値なき子達のリーダー的存在だった。自身も価値なき子でありながら処刑場から逃げ出し、他の子供達を助け続けていた。


 十二人。それが、エレノアが助けた命の数。

 しかし十三人目の救出で失敗してしまい、捕らわれた結果が今に至る。


(どうして……なんで……なんで、わたし達がこんな目に合うんですか……)


 あと五分もすればエレノアは首を撥ねられ、仲間達も順番に殺されていくだろう。


(わたし達は、ただ――)


 ――生きたいだけなのに――


 価値なき子達を助けていく中で、そのリーダーとして、エレノアは常に前を向いて生きてきた。しかし今は冷たい石畳の床しか映っていない。


 死ぬ、殺される。首を撥ねられたらどれくらい痛いんだろうか、苦痛なくすぐ死ねるのだろうか。いやだ、こわい、まだ死にたくない。

 気付けば涙が零れ、ポタポタと石畳を濡らしていく。


(お願い、だれか)


 十歳になったばかりのエレノア・メタトリアス。


(だれか、だれでもいい。だれか……!)


 死の恐怖に支配されゆく心。ありはしないと知ってはいつつも、希望に縋りつかざるをえなかった。


「誰か……助けてください……!」


 届かぬ願い、叶わぬ祈り。

 エレノアの助けての声は、無意味に声に溶けていくだけだった。


 ――そう。

 ――本来であれば。


「何者だ! 貴様は!」


 騎士が剣を振り下ろす刹那、漆黒のコートを纏い、仮面を身に着けた人物が、突如壇上へと現れたのだ。

 声色からして、彼、はこう言った。

 騎士の前に立ちはだり、エレノア達には心からの慈愛を乗せて。


「――聞こえたよ、君の、助けての声が」


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