9 チート
これから始祖竜と一緒に旅するのか。疲れそう。
“始祖竜”とか“ドラゴン”とか呼ぶと何か難しいし名前をつけてあげようか。
「あなたに名前をつけた方がいいと思うんだけど、良い?」
「いや、別に名前などいらぬ」
はいはいそういうこと言わないの。
うーん、ネメシオスだからなぁ、ネッくんとかは?
「なんだそれは。お前にそんな名前で呼ばれるのは絶対に嫌だぞ」
えぇ、全然思いつかないんだけど。
じゃあシオとかは?しっくりくるし。
「いや余は別に名前など」
「じゃあシオと言うことで、よろしく~」
「くっそ~、気分転換で早く狩りに行くぞ」
半ば強制で狩りに付き合います。
だって、反逆したら絶対に人生?2週目終了してしまうからな。
“戦闘狂”がなければなぁ。
まぁ名前も決めれたしちょっとくらいいいか。
「おーい、早く来い。なんせ久しぶりに体を動かすのだからな」
早く来いっていま時速300kmくらい出してると思うんですが。
「こんな早く行かなくても良いだろ。それに、その狩り場ってどこなんだ?」
「余ならあと1分くらいで着くと思うぞ」
ていうかシオの言う“狩り場”って俺にとっての“地獄”なんじゃないか?
これまでまだいいかとか思ってたけどほんとに行きたくなくなったんだが。
「ねぇ、シオの言う“狩り場”に出てくる魔物ってどれぐらいのレベルなんだ?解析あるんだろ」
「ほとんどLv500台だな」
...あれー?
俺のレベル確か31だったよな。ざっと15倍くらい差があるんだけど。
確かにLv895だったらなんともないと思うけど、他人(?)のこととか考えられないのかな?
「いや、俺のレベル31なんですが」
「ん?そんなに低いのか?じゃあ余が蹴散らしてやるから後ろに居とけば良いだろう」
「それなら良いけどさ、もっと自分以外のこと考えなさいよ」
「はいはい分かった」
本当に分かってるんですかねぇ。
まぁ一回他の魔物が戦っているとこを見てみたかったし行ってみますか。
◆◆◆
「ここだぞ」
おぉ、見た目は普通の森だけど、なんか直感的にやばい感じがするぞ。
「余は狩ってくるからここで待っておけ」
「え?守ってくれるんじゃないのかよ」
「大丈夫だろう。多分。それじゃ行くぞ」
多分?それ絶対なんかトラブルになる奴だぞ。
「って、ちょっと待てよ。俺も行くってぇ~」
おっ、なんか早速魔物出てきたぞ。
『【イグルス】
人前にはめったに現れない幻の魔獣。単独で行動し、相手を敵と見なすと容赦なく攻撃する。』
えぇ、めっちゃやばそうじゃん。
幻の魔物だし、しかも容赦なく攻撃するって怖すぎだろ。
「よし、じゃあ余がパパッと倒してくるから待っておけ」
パパッと倒せる魔物じゃないと思うんだけどなぁ。
「よし、手始めに“流星群"だ」
うわぁ。これ俺当たったら絶対やられてたよ。
《グギャァァァ》
「あれ、前はもっと楽しめたのだがな。まぁいいか」
...えぇ
一回当たっただけで倒れちゃったよ。
「おーい、ここら辺にはこれ以上強い魔物はおらんぞ。どうするんだ」
「分かった。じゃぁここで一泊するか。日も傾いてきたことだし」
夜までかかると思ってたけど手際良すぎて早く終わったしな。
よし、そうと決まれば腹ごしらえだな。
おぉ、うまいな。
前の世界のように料理とか無理だし炙ることしかできないからな。
幻の魔物を焼いて食べるとか良いのかと思ってたけど、まぁ弱肉強食だし?
「おぉ、炙ると良いのだな。余は生でしか食べたことがなかったから良かったな」
シオになんかアレンジ方法を教えれたしいいか。
「よし、もう夜だし寝よう」
「余はまだ寝なくても」
「はーい、寝ますよ~」
木のそばで丸くなる。もうこの体にも慣れてきたなぁ。
最初は異世界とかなんだと思ってたけど今まで案外大丈夫だったしな。
〔ほらみろ。やっぱり儂は正しいことをしたのじゃ〕
...今なんか聞こえた気がするけど空耳だな。
それに今日はシオという仲間もできたし安心だな。
「余はこれまで一匹で夜を過ごしてきたが、二匹でというのも良いな」
あ、噂をすれば。
でも今までぼっちだったし俺的にも仲間ができたのはうれしい。
「お前は今まで人間だったんだろう」
「そうだけど」
「人間とは邪悪な種族だ。余も一回人間を恨む出来事があったからな。だが、お前は何か良い人間としてみることができる。不思議なことだ」
今多分めっちゃ深いこと言ったけど、とりあえず良いなら良かった。
その後は少しだけ話をして眠りについた。
◆◆◆
「おはよー、って早っ」
今日は朝から移動するかな~って思って早めに起きたつもりだったけど、シオが先に起きてた。
「遅いぞ。余は1時間くらい前から起きてたぞ」
えぇ、まだ空朝焼けだし1時間前って実質夜じゃん。
「お前が遅いのだ。今日はもう少し遠くに行くぞ。っていうかもう旅だから帰ってくる必要はないのか」
もう出発するの?もう少し休ませてよ。寝起きにはトラウマがあるんですが。
「そんなこと言わずに出発するぞ」
あぁ、眠い。




