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6 絶対もう来ない

さて、街をちょっくら見ますか。

転生してから目が良くなった(自称)ので、建物一つ一つがちゃんと見える。


レンガ造りのレトロな感じの建物だな。風情あるねぇ。

もし人間だったらこの街もちゃんと観光できて、お店を回ったり、美味しいもの食べたりできたのかな...


いやいや、もう終わってしまったことは考えないようにしよう。

でも、確かに神様が言ってた通り現代日本よりは文明が発達してなさそう。


おっ、そしてさっき通ってきた道が街へ続いてるぞ。あれが街の入り口か。結構賑わってそうだな。

何人か人影が見えるな。


〔楽しそうじゃのう。わしも混ぜてくれ〕


神様か。えぇ〜、1人で観光したかったのに。


〔そんなこと言わなくても良いじゃろう〕


〔分かりました。その代わりちょっとくらいこの街のことを教えてくださいよ〕


〔知ってるじゃろうけど、ここはブレイゼルというところでな。大きな街で、貿易で栄えておる。

あそこに川があるじゃろう。あそこで釣れる魚の魔物が街の産業基盤じゃ〕


へぇ~、そうなんだ。水産業が栄えてるんだね。

もし人間だったら...いや、考えるな。人として生きる生活はもう帰ってこないんだ...


あー、もうむしゃくしゃしてきた。


◆◆◆


「ハァ...せっかく街を見に来たのになんかイライラしちゃったんだけど」

現在は街近くの森で休息中。


いや、待てよ。これ最初神様がこんなことしたからこんなイライラしてんのか。神が全部悪いじゃん。


〔濡れ衣着せないでくれるかのう〕


〔いや、元はといえばあなたがこの世界に転生させたからですよね。濡れ衣とかないんですけど〕


〔うるさいのう〕


は?なにがうるさいだよ。もういいや。

することないな。昼寝でもするか。


side 冒険者たち


「ん?あれはなんだ?」

アステルがそう言う。まだ冒険者になって3日の新米だ。


「おー、確かになんかいるな」「よしっ、ちゃちゃっと倒すか」

隣にいるルシエル、エルドもそれに同調。どちらもまだ冒険者の歴は浅い。


「えー、なんか強そうじゃない?」

アステルは弱気なのもあって、あまり乗り気じゃないが、強気でリーダー格のルシエルに押され、剣をかまえながら“それ”に近づいていく。


20mほど近づいたところで、エルドが気づく。

「あ、あいつ寝てんじゃん。図体でかいのにおもしれぇな」

確かに寝てるけど...

「こんな魔物見たことないぞ...やっぱりやめておこうよ」

アステルはルシエル、エルドの服を引っ張るが、「大丈夫だよ、たいしたことねぇって」

と言い聞かない。ああ、もう僕は知らないからな。


5mほど離れて、鉄剣の先っぽを足にチョンと当ててみる。

あ、目を覚ましたみたいだぞ。


~~~


んぁ~、よく寝たな。

ってうん?目の前に青年が3人いますね。

あれ、一人俺に剣向けてるんだけど。


一瞬で血の気が引き目が覚めた。

俺なんか悪いことした?絶対こいつら俺狙ってんじゃん。

やばいやばい、これ標本にされるパターン?逃げなきゃ、逃げないと死ぬ。

寝起きですぐさま走り出したため、普段のスピードとは行かない。


《あ、逃げ出したぞ》

《マテェェェ》


怖っ、めっちゃ追ってくるじゃん。しかも一人弓使いいるんだけど。

ギャァァァ、めっちゃ矢が飛んでくるぅぅ


《せっかくの獲物を逃がすわけにはいかねぇ》


ちょっと、あなた死ぬ気でこっちに迫って来ないでよ。

俺は悪い魔物じゃないよ、別に倒さなくてもいい魔物だよ。だからもうやめてぇぇぇ


◆◆◆


ハァハァ、怖すぎだろあいつら。

なんとしてでも俺を捕まえたいっていうオーラがめっちゃ感じられたんだけど。


別に俺が何か悪いことしてたら良いかもだけど何もしてないからね?ただ寝てただけだからね?


〔伝説なのに、あんなんに怯えてどうするんじゃ。情けないのう〕


〔うっさいですね。俺も元々人間だったんだし別にいいじゃないですか〕


はぁ...とりあえず街にむやみに近づくととっ捕まえられるということが分かりましたね。

もう当分街はいいかな。


あ、一段落ついたしステータスでも確認しようかな。


“ステータス”

{種族} 天狐

Lv 31

HP 85/85

MP 60/60

“スキル”

{固有スキル}

覇気Ⅰ

{通常スキル}

解析 解読 自動解説 神託

“技、魔法攻撃”

風魔法 雷魔法 火魔法 水魔法 神の雷


おぉー、朝コヨーテ倒したとの経験値のおかげで結構上がってんな。

Lv31は結構良いんじゃないか?


〔まだまだじゃわい〕


クッソ、俺にも少し希望を持たせてくれよ。

よし、街から離れるように移動するか。


~~~


side アステル

「惜しかったな~、もう少しだったんだけどな」

ルシエルがそう言う。確かにもう少しで倒せそうだったけど、なんか倒しちゃいけないような雰囲気だった気がするんだよな。


「まぁまぁ。とりあえず冒険者協会に行って、このことを報告しに行くぞ」

僕たちはまだまだ弱いから、近場の魔物を狩って地道にレベル上げすれば良いからね。


そうこう言ってるうちに、協会の建物に到着。


「すみませーん、報告機に来たんですが」

エルドがそう問いかけると、奥の部屋に案内された。


「ほうほう、珍しい魔物とはどんな感じじゃったか?」

ブレイゼル冒険者協会長のラゼルさんだ。この人、顔は怖いけど中身めっちゃいい人なんだよな。


「えーっと、逃げられちゃったんですけど、四足歩行で、大きい狐みたいなみたいな感じだったと思います」


ラゼルさんの顔がどんどん青ざめていく。

「待てよ、それは絶滅した伝説の種族“天狐”の可能性がある。そして、そいつはどこにいたんだ?」


あ、これは逃がしちゃったとか言ったらダメな系だ。


「あー、ちょっかいかけたら逃げて行きましたよ。面白かったよなぁ」

...ルシエルー、そこは黙っとけよ。


「なんだと!?お前らは何をしとるんだ、もしかしたら大発見になったかもしれんのに」

「とりあえずお前らは別室で説教だ」


あーあ、終わった。


この後3時間説教受けましたよ。トホホ

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